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#27 医師と上手く働くための、はじめの一歩

 看護師は、医師とのやりとりが必須です。医師のキャラクターもさまざまです。そんな医師たちに私たちの意見に耳を傾けてもらうためには、工夫が必要です。

 まずは、医師たちの情報を集めるところから始めましょう。

 情報収集のポイントをまとめてみました。

1.医師の仕事に対する姿勢を把握する

 まず、医師の職場におけるコミュニケーションや、他のスタッフへの態度を観察し、どのような姿勢で仕事に取り組むのかを知りましょう。

 ⅰ.医師同士のやりとり

 同僚である医師同士でどのような態度を取るかで、他の医師と協力していこうとするタイプか、一匹狼タイプか、親しい人とだけ協力するタイプなのか見極めます。

 これにより、担当医師が対応できない時に、快く対応してくれるかどうかわかります。

 一匹狼タイプの場合、自分の担当患者に関して、他の医師が指示を出すのも、自分が担当でない患者の指示を出すのも嫌う傾向にあります。
 親しい人とだけ協力するタイプの場合、親しくない医師の指示を蔑ろにしたり、患者の指示を出したがらない傾向にあります。ですから、どの医師と親しくて、協力し会える関係なのか把握しておく必要があります。 
 誰とでも協力しようとするタイプは、看護師としてはありがたいですが、上記の2タイプの医師に「勝手な事をするな」と言われてしまうこともありますので、このタイプの医師が悪者にならないよう配慮しましょう。

 ⅱ.スタッフたちとのやりとり

 医師が看護師を含む、コメディカルへのコミュニケーションの取り方で、信頼しているのか、治療などについての意見を好意的に聞いてくれるかどうか、がわかります。

 コメディカルもチームの一員と考えて、積極的に意見を聞いてくれる医師もいれば、口を出すなというタイプもいます。
 これは、聞いてくれるから良い医師、聞いてくれないからイヤな医師、ということではありません。それぞれの医師によって考え方が異なり、その考えのもと、大きな責任を持って治療に取り組んでいます。

 私たちコメディカルは、それぞれの専門性から医師に意見を伝えます。
なかなか話が伝わらなくて困ったのに、違うシチュエーションで同じ内容を伝たら話がスムーズに通じたということも何度もあります。
 そういうときは、意識的・無意識的関係なく、言い方や、タイミングなどを変えているんですよね。

 私たちは、医師のタイプを見極めて、意見に耳を傾けてもらえるように、アプローチ方法を変える必要があります。
 「この医師は私たちの意見を聞いてくれない」と伝わらない理由を医師のせいにしてしまいがちです。しかし本来は、その医師に聞いてもらえるようなアプローチができなかった、という表現が正解なのです。

 ⅲ.その医師について他のスタッフがどう話しているか

 自分に対する医師の態度がみんなと同じとは限りません。あなたのことを信頼できる特別な存在と思っているかもしれませんし、妹のように可愛いと思っているかもしれません。はたまた、おっかないと思っているかもしれません。

 あなたが、医師とうまくやっていても、スタッフの大半が持つ、その医師のキャラクターや関係性は頭に入れておきましょう。
 理由は、あなたの立ち位置が明確になるからです。気に入られてることに鼻を高くしろという意味ではありません。状況によって、率先して意見を言う側に回ったり、うまくその医師に対応できないスタッフのフォローに回る役割が発生する可能性があるため、立ち位置を把握しておく必要があるのです。

2.医師のお気に入りを把握

 お気に入りっていろいろありますよね。

 お気に入りを、大きく2つに分けると、「チームの一員として信頼に値する、一緒に働きたいと思う」お気に入りと、「若くて可愛いから」というお気に入りがあると思います。

 ここにおけるお気に入りとは、前者の方です。後者は、雑談では盛り上がるかもしれませんが、本来の仕事上では意味をなしません。どんなにプライベートで親しくても、です。

 ⅰ.医師のお気に入りのスタッフを見つける

 各医師が、信頼している方を見つけましょう。見つけ方は、スタッフと医師のやりとりの観察です。
 例えば、その日はリーダーじゃないのに、指示を直接いわれている方や、何かにつけ(仕事に関すること)声をかけられている方、あまりスタッフの名前を覚えない医師なのに、珍しく名前で呼んでる方…など、いろいろあります。

 ⅱ.その理由は何かをつきとめる

 医師がその方を気に入ってる理由は、業務ができるとか、物腰が柔らかいけど、話の筋が通っているなど、さまざまです。
 なぜその方が信頼されているのかを観察しましょう。その方々を観察することで、あなたと医師とのコミュニケーションの参考にできますし、いざというときは、その方に介入してもらうことができます。

まとめ

 医師と仕事でうまくやっていくには、医師の情報収集が必要。スタッフに対してどのような考えをもっているのかを把握しましょう。
 そして、うまくやっているお気に入りのスタッフを見つけ、なぜうまくやれているのか観察し考えましょう。そして、それを参考にしましょう。

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