#41 2タイプの困った患者さん
働いていると、いろんな患者さんがいます。ケアや指導など、いろいろ考え検討して実践している看護師のやる気を削ぐ、腹立たしいタイプの方がいます。
そんな困った患者さんについてまとめてみました。
1.現状
看護師は、病気を抱えた方が、その事実や自身の人生を受け入れるまでの過程やそれぞれの段階で表されるだろう言動について学んでいるので、ある程度の暴言なども受け入れることが多々あります。
患者さんが、病気を受け入れ、前向きに治療に参加できるように関わっていくのも看護師の仕事です。
しかし、看護師をしていると、言葉や、行動としての暴力を受けたり、セクハラ、モラハラ、パワハラに遭遇します。看護師も人間ですから、傷つきますし、起こりもします。
困ったなと思う患者さんは、たくさんありますが、今回は、大きく分けて2種類のタイプをげたいと思います。
特定の疾患や、それらに伴う症状がある患者さんは除外しています。
2.困った患者さん:治療に非協力的
このタイプの方は、病気を治すための行為を拒否したり、控えて欲しいことを平気でします。ですから、なんのために入院しているのかよくわかりません。
不摂生な生活をし、具合が悪くなったら「治すのが医者の仕事」と主張する
例えば、糖尿病のAさん。会社では責任のある立場で、多忙なあまり、食生活がバラバラで、飲むべき薬を飲まなかったり、食事に気を使わず、好きなものを好きなだけ食べる生活をしていました。
自ずと体調は悪くなります。定期外来受診で、案の定データも悪化しています。医師と話すと生活の乱れによる症状悪化は明白です。しかし、Aさんは言うのです。「悪くなって、医者に来たんだから、よくするのが医者の仕事だろ」と。
糖尿病をはじめとする、いわゆる生活習慣病は、完治はしません。症状ができるだけ悪化しないようにすることが大切です。ですから、日々の生活習慣でその後の病院への依存度が変わります。
病院に来たときだけ、入院したときだけ一時的に良くなったところで意味はありません。
Aさんに限らず、具合が悪く慣れば入院をすればいいと考えている患者さんはたくさんいます。内服するとか、食事や運動の制限があるというのは、必要だからこそ医師が指示を出しています。具合の悪い時だけ治療して、後は好き勝手していい病気よりも、日々の生活の積み重ねで症状が落ち着いている病気の方が多いのです。
看護師もきちんと現状を理解し、ある程度摂生した生活をしてもらうよう関わる必要があり、それなりに努力をします。しかし、受け止める気がない、高圧的な態度をとるなどで、結果に結びつかないことも多いです。
医療者側が、真剣に治療のために動いている分、改善する気がない、理解しようとしない患者さんには、腹も立ちますし、関わりたくないと感じます。
3.困った患者さん:セクハラ
言葉でのセクハラも、行為でのセクハラも日常茶飯事であります。私たちは業務上、患者さんに触れますし、下の世話もしますので、余計しやすいのかもしれません。
あからさまな下ネタを言って、困ってる若い看護師を見てヘラヘラしている人もいます。何かの拍子に胸やお尻を触られたり、ねちっこい、いやらしい目で見られたりします。
病状的に判断力が低下してるとか自生できない状態ではない、普通の会社員などの患者さんの場合は、ただただ悪質としか言いようがありません。AVの見過ぎで変な妄想に取り憑かれてるんでしょうね。
看護師は、そういう情報はすぐに周知されます。上司にも医師にも報告します。基本的にセクハラされなさそう(もしくはちゃんと言い返したりできる)タイプや年長者が担当となり、必要最低限の関わりのみになります。つまり、要チェック人物として対応するということです。
このようなセクハラに、上記のような対処はしますが、それ以上はしていません。現場では、かなりの被害が出ていますが、それに対する対策が不十分です。このような確信犯のセクハラには、それ相応の対処をしていただきたいものです。
大袈裟だと感じるかもしれませんが、同じことを会社でしますか?公共の場でしますか?という話です。公共の場で、体に触るとか、卑猥な言葉をかけていたら、痴漢、犯罪なのです。病院は治療する場ですが、公共の場でもあります。
4.困った患者さんへの対応
患者さんによっては自身の疾患を受け止める段階で、看護師に強く当たる方もいます。それは理解できますし、対応に戸惑うことはあっても、困った患者さんとは言いません。
困った患者さんは、他力本願だったり、自己中心的だったりします。
困った患者さんには、必要最低限しか関わりを持たなくなります。対応に差をつけるべきではないと考えるかもしれませんが、こちらも人間ですから、全てを受け入れるほどの器も持ち合わせていませんし、それを許せるほどの給料ももらっていません。不躾な態度をされる言われはありません。者として治療・療養上必要なことをする最低限の基準を維持するのみです。
まとめ
困った患者さんはいろいろいますが、よくいるタイプは、「具合が悪くなったら医者が直すべきだと自分の生活を省みないタイプ」と「セクハラをするタイプ」です。
どちらも、看護師の労力や意欲を削ぐので、結果的に、治療や療養上、最低限の関わりになります。
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