【サンプル無料】令和4年度問1 解答作成方法解説と解答例
どのようにして解答を作成するのかの方法を解説し、解答例を掲載しています。令和4年度問1は、サンプルとして無料公開しています。
設問
以下の図1〜4を用いて、再生可能エネルギー推進に向けた日本の取り組みの現状について、欧州と比較しながら述べなさい。(200字〜240字)
攻略法(共通)
まずは設問を完全に理解
しっかりと資料から重要なポイントを読み取り抽出して箇条書きにする(正しい分析・考察)
その箇条書きの点をつないで(根拠の明確化)線にし、洞察を加えて面にして議論を構築(意見の的確な表現)
設定された字数内に落とし込む(論理的文章の構成)
ステップ1 設問を完全に理解する
ポイント1
「図1〜4を用いて」 → 読み取れる/類推できる事実だけを客観的にまとめ、それ以外の自分の意見は述べない
ポイント2
「再生可能エネルギー推進に向けた日本の取り組みの現状について、欧州と比較しながら述べなさい」 → 現状を述べ、資料から論理的に導き出される洞察を加える
ポイント3
(200字〜240字)→ 4つ図があることから、それぞれの図につき最低でも50字程度の事実をまとめ、解答につなげる必要があると目星をつける
ステップ2 設問に対する答えとなり得るポイントをそれぞれの図から読み取り箇条書きにする
図1 欧州と日本の電源別発電電力量の構成比
欧州と比較しての日本の特徴
再エネの構成比が欧州4カ国(独英西伊)平均38.7%に対し、18.1%と半分以下
石炭の構成比が31.9%と高い(ドイツ以外の欧州諸国は一桁台)
天然ガスの構成比37.1%に対し欧州平均はそれほど大きく変わらない
再エネに占める水力の割合が高い
(日本だけ再エネ(水力を除く)の内訳が示されていることには何らかの意図があることに気づく)
図2 日本の発電コストの比較
再エネ (陸上風力、太陽光、地熱、バイオマス)の中で石炭・LNGよりコスト安のものはない
石炭・LNG対比で価格競争力があるのは再エネの中では太陽光のみ
図1の再エネ内訳比と図2のコストから再エネの加重平均コストは17.8円
図3 欧州と日本の太陽光発電コストの推移
2010年から2019年までの9年間で太陽光発電コストは日欧ともに大きく低下
2010年は日欧ともに40円だったが2019年では欧州7円vs日本13円、日本の低下幅は限定的
2016年時点、2019年時点で設備・工事、運転維持共に日本のコストは欧州の約2倍
欧州のコスト7円は日本で一番コストの安いLNG10.7円よりも安い
図4 欧州と日本の電力網の違い
欧州と比べ電力網の各地域間での相互接続性が低い
電力を融通する送電線の容量が小さい
(説明がないことから自分でストーリーを作る必要がある)
ステップ3・4 箇条書きから要点を読み取って設定された文字数にまとめる
箇条書きからの要点読み取り(一行20字)
①図1より
再エネの構成比が欧州4カ国(独英西伊)平
均38.7%に対し、18.1%と半分以下
(約40字)
②図2より
再エネ (陸上風力、太陽光、地熱、バイオマ
ス)の中で石炭・LNGよりコスト安のものは
なく、日本で価格競争力のある再エネは太陽
光のみ
(約63字)
③図3より
日本での太陽光発電コストは欧州の2倍弱と
高く、欧州並みに下げることができれば石炭
・LNGの発電コストを下回り価格面で再エネ
推進につながる
(約66字)
④図4より
電力網がくし型の日本は、メッシュ型の欧州
と比較して電力網の相互接続性が低い上、電
力を融通する送電線の容量が小さいことから
、各地域間で柔軟に電力を融通する能力が劣
る
(約81字)
仮解答
日本では、①である。その理由は②だからと
考えられる。③が、④であるため、太陽光発
電のコストが高い。
字数は①40 ②63 ③66 ④81、合計250字に「日本では」などの導入と接続詞その他で約45字、合計300字ほどになってしまった。
字数制限は200〜240字なので、字数を大幅に削る必要がある。
解答例
日本では、再エネの電源構成比が18.1%と、欧州主要4カ国平均の半分以下にとどまる。その理由として、日本で最も安価な再エネである太陽光のコストは現状石炭・LNG(12.5円/10.7円)を上回る13円/kWhであり、欧州の太陽光コストと比較しても2倍弱と、コスト高であることが挙げられる。再エネの推進には、日本のいわゆるくし型の電力網から、天候に発電量が左右されても地域間で電力が柔軟に融通可能かつ送電能力の高い欧州のようなメッシュ型電力網への構造転換により、太陽光のコストを下げることが重要と考えられる。(235字)
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