あなたは胡麻が嫌い
食べるものに
とことんこだわったあなたは
食材そのものの味を
殺すものが嫌いだった
化学調味料はもちろん
特に 胡麻は嫌いだった
胡麻は味を誤魔化すと
言い続けて
決して口に しなかった
それは あなたの 生き方そのものだった
不器用で
人への迎合は 一片たりとてなく
どんなに不利な状況が予想されても
自分をごまかすことは
しないというより
出来なかった
故に 殴り殴られ 血を見ることもしばしば
私はというと
迎合も忖度も協調の名の下に
いくらでも出来てきたはず
なのに…
残りの時間のせいか
思ったことが すぐ口から 飛び出しがちだ
ボケが入ってきたのかも
詩人は こういう時
心が自由に羽ばたき出したと言うだろう
生きるために生まれ
死ぬために生きてきたことが
否が応でも
知らされる今を迎え
未だ 迷いと依存と
誤魔化しの中にいる
それが人生って
思えたら
少しは 自由に羽ばたけるのだろうか…