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父のこと。戦争による複雑性PTSDと認知症の周辺症状のこと 3

父は私が中学生になったころから働かなくなったし、脳出血で倒れてからは母に対する暴言暴力が始まった。
発狂しているかのような怒鳴り声、そのストレスで母も脳出血になり、認知症になり、逝ってしまった。
どれだけ父を憎んだかわからない。
 
あいつが先に死ねばよかったのに
 
従妹がすぐに それ言っちゃダメだ と言ってくれたから、それ以来口に出したことはない。
それほど憎んでいた父だけど、
 
赤紙が来たら埼玉の山奥に逃げようと思っていた
 
これも父が戦時中の事を話してくれたこと。この二つだけ。父は元々短気だったけど、根は優しくてとても弱かったと思う。
 
逃げて見つかったら殺されるじゃん
 
殺すより殺される方がいいだろ
 
13,14歳の父が本当にそう考えていたかはわからないけど、今の自分が心の底から「殺すより殺される方がいい」と言えるかどうかわからない。
 
「PTSDの日本兵家族会・寄り添う市民の会」代表の黒井秋夫さんから戦地に派兵された元兵士たちが帰国してから、暴力暴言が止まらず、あるいは置物のようにただじっと座り、話すことも無い。働かず、不倫をして酒やギャンブルに溺れ・・・。そう言う人たちが多かったことを聞いた。中には731部隊に配属され、戦後慰霊の旅に出た後、自死した人も。
 
これは全て子や孫の証言。
戦争がどれだけ人の心を壊すかやっと少しわかってきた。

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