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ガラちゃんのポエミーなひと時〜合掌〜


大俳優西田敏行さんに寄せて

ますば西田さんのご冥福をお祈りいたします

ワタシごとき三流役者がこの様な寄稿文を書く事をお許しくださいまし
ワタシだけではなく沢山の俳優さんやファンの皆様が悲しくて切ない思いをされていると思いますが
と同時に感謝してやまない方々も沢山いらっしゃると思います

ワタシが役者特に喜劇役者を目指す上で大変
影響を受けた方です
西田敏行さん
ワタシが記憶の彼方の中で確実に覚えていて
今でもワタシのバイブルでベストアクトの作品が有ります
今から48年前のホームコメディーの
「いごこち満点」というドラマで西田敏行さん
演じるところの「杉本久右エ門」という破天荒でいて心優しい三枚目という兎に角面白く
衝撃的でした
どのくらい衝撃的かというと久世光彦さん演出の伝説のコメディードラマ「時間ですよ」や
「ムー一族」の樹木希林さん(悠木千帆)と堺正章さんと由利徹さんとたこ八郎さんと並び称するくらいの衝撃でしたネ(笑)
正直「いやぁ!いた!まだこんな面白い役者さんがいたんだ出てきたんだ!」と中学生ながらかなりの興奮と喜びを覚えています
そして
絶対にこの西田敏行という役者は天下取る
イヤ
取って欲しいとマジで思ったもんです

ワタシが役者を目指すキッカケは両親の離婚後に寂しさに打ちひしがれている時にたまたま
タイミングよく中学二年生の時国語の教師から演劇同好会に入らないか?って誘われたところから始まり文化祭で演じた役がバカウケして
勘違いの絶頂を迎え喜劇役者になりたいと勝手に思って様々なコメディーを観まくった

その頃パッと入れる劇団とかが少なく養成所みたいな多額の入学金を払って基礎を学ぶみたいなところが多かった
なのでワタシ的には親に負担かけるのも忍びなく本気でやるなら弟子入りかなって思っていた
何しろお金がかからないからね
でもって一番に弟子入りしたいなと思ったのがたまたま親父さんの同郷の石巻出身の
由利徹さんだった
それから色々あった二転三転四転…

高校受験失敗

そんなブルーでアンニュイな日々を送っていた頃だったか?記憶が曖昧だけど
そう
そんな時西田敏行さんが出演なさっていた
「いごこち満点」を観た!

結局ワタシは先生の勧めもあって俳優養成所に多額の入学金を払って入所する
親父さんの
「高校と名の付くところは出ていた方が良いぞ」の言葉に従い定時制高校に入学した
昼は養成所夜は定時制高校
そもそも親父は
「良いか日本は義務教育さえ出ていれば良いんだ俺は小学校もろくに出てないんだから」
と逆に自慢げに話していたにも関わらず
高校と名の付くところぐらい…って
まっいずれにせよ大蔵省には逆らえない
そんなこんなの日々の中
とうとう西田さんは天下を取る!
最遊記の猪八戒を経て
1980年
「池中玄太80キロ」が大ヒットする
思わず我がことのように「やった!やっぱり来た!来てくれた!」と喜び毎回放送を楽しみに
していた
その後はもう飛ぶ鳥を落とす勢いで売れていった

多分1979年か1980年だったかと
日劇ホールでの公演
松崎しげるさんとのジョイント公演
残念ながら観ることは出来なかったが
この時ワタシは瞬間的にある行動に打って出た
劇場まで行って
「そうだ西田さんの弟子にして貰おう!」

関係者受付に行って
「西田さんにお会いしたいんですが」と言おうと
意気揚々覚悟を決めて歩み出した

この時代こうした事が割と自由というか緩かった
ところがその時先着が来た
パッと見サラリーマン風なビシッとしたスラっとした高身長の好青年といったところか
「すいません西田敏行さんのお付きの方に会いたいんですが…」
直ぐ後ろにいたワタシにもハッキリと聞こえた


何故か急に怖気付いたワタシは踵を返して
その場を立ち去ってしまったのだ

有楽町には臆病風が吹いていた(笑)

何故?
それは西田さんには当たり前だが既に付き人さんがいたという事
今行っても邪魔になるかも知れない
何となくそんな弱音が…

結局ワタシは後日ポール牧師匠の
「東京新喜劇」の日劇公演を観て
今度こそとばかりにそんなに思い入れも無い
ポール牧師匠の楽屋に弟子入りに…
結局三日で逃げました(笑)
そして紆余曲折ありまして

結局由利徹先生のところへと新宿コマ劇場へと
向かいなんだかんだと有りましで
由利徹一門のはな太郎師匠に弟子入りと相成りました

西田敏行さんのことを書いていたつもりが
何だか脱線してしまいすいませんが
兎にも角にもワタシの役者修行の創成期にはなくてはならないほどの大俳優さんでした

勿論今でも…
生意気ながら共演させて頂きたかっだです

まだまだ御活躍を拝見したかったです
西田敏行さん76年の人生
そして
56有余年の役者人生お疲れ様でございました
そして
今更ながらワタシ自身の役者人生を鑑みる時間を頂きました

感謝しかありません
ありがとうございました

お疲れ様でございました

            合掌


#エッセイ
#西田敏行さん

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