決意とはかくも簡単に崩れ去る
B型作業所を3月末で卒業し、今月から就労移行支援に通い始めた。
一人暮らしを始めて半年、毎月支出の方が収入を上回ってしまっている。今は障害年金と、貯金を切り崩しながらの生活だが、そんな生活がいつまでもできるはずはない事は重々承知している。
作業所とは違い、就労移行支援は費用こそかからないものの工賃は出ない。つまり今までよりさらに財布の紐を引き締める生活にしないとならない。もう無駄遣いや浪費はしない、と心に決めて就労移行支援に通い始めた。
なのに自分でもいけない、ダメだと分かってはいるのだが、私は目に入るとどうしてもそれが気になって頭から離れなくなってしまって、どうしても食べたくなったり、趣味に走ってしまいついついそれらを買ってしまうのだ。
"見たもの乞食"という言葉があるが、まさにそう。そして後から苦労したり後悔する。
この性格は障害特性ゆえの視野狭窄(それしか見えなくなって突っ走る)もさることながら、幼少期の貧乏体験によるところが大きい。
私は第一子長女であるにもかかわらず、お下がりの服ばかり着せられていた。しかも従姉妹や親戚、知り合いの服ならまだマシで、叔母や母の子供時代のナフタリン臭い時代遅れの服まで着せられており、クラスメイトの笑い物になっていた。保育園のお昼寝布団も祖母の古い布団の仕立て直し、枕はおんぼろ風呂敷から祖母が作った物でシミだらけ。
恥ずかしくて仕方なかったが、子供のそんな感覚を分かってくれるような家庭ではなかった。ウチの家族は必要な物を最低限与えていさえいれば大丈夫だろうとしか考えない大人ばかりだった。
当たり前に与えられるはずのものが自分だけ与えられなかった貧乏生活は、何とか工夫して理想に近い物をアイデア次第で創作する力にはなったものの、次の機会はもうないかもしれないという思考や、物欲がやたらと強くもなってしまった。
どうしたら無駄遣いや浪費体質がやめられるのだろう…この経験や記憶を消さない限り無理な気がする。