【コロナ感染記 5】家族が感染してしまった!
陽性確定後、保健所や自宅療養センターと連絡を交わしつつ自宅療養を続けていました。熱はなく、喉の痛みだけが続いています。この頃、ピクルスやマスタードなどが苦くて仕方ありませんでした。後から考えると味覚障害が出ていたようです。
■ 家族
7月16日土曜日。前日から母が咳とくしゃみを繰り返している。熱はなく、かかりつけ医の指示で手元にある抗生剤を飲んだとのこと。同居している両親は、母が80代、父が90代だ。悪い想像をなんとか抑え込みつつ、弟とSMSで相談する。もはや自分の状態に構っていられない。
7月17日日曜日。父が検温したら38度あると言う。慌てて両親のかかりつけ医に連絡し、弟の車に二人が乗って受診、抗原検査をしたところ「陽性」。
同時に測った父の動脈血酸素飽和度(SpO2)の数値が「95」で、これは入院レベルだと言われたそうだ。
このときようやく、世田谷区保健所からのメッセージにあった「パルスオキシメーター」が酸素飽和度の測定器であることを知った。同時にLINEの毎日の質問に出てくる「酸素飽和度」の意味も調べた。
自宅療養中の私は外出できないので、弟にパルスオキシメーターと体温計を買ってきてもらい、常に体温とSpO2を確認できる態勢をとる。これ以降、SpO2の数値を測るたびに一喜一憂することになる。
両親が陽性、と言う事態を受けて、先に陽性になった私のささやかな知見が役立つことになる。あらためて、世田谷保健所と自宅療養センターからのメッセージを見直し、リンク先を一つひとつ確認する。これ、高齢者世帯やインターネットに疎い人たちだったら一体どうするんだろうと思いながら。
同居する家族3人が陽性になったことで、ある意味生活はしやすくなった。一方で弟とは接触を避けることになり、頼んだ買い物や処方薬は置き配で受け取る。義妹がおかずやサンドイッチを作ってくれて、両親はそれを喜んで食べていた。食欲はそれほど落ちてはいない。
というわけで、自宅療養プラス看護という新たな局面に突入しました。私自身の症状はすでに落ち着いていましたが、それでもまだ自宅療養期間が残っているので、療養者が療養者をケアするという老老介護的な日々の始まりです。
(【コロナ感染記 6】に続く)
*パルスオキシメーター
パルスオキシメーターは血液中の酸素飽和度をはかる機器。呼吸により体に酸素が十分とりこめているかどうかの目安となる。
東京都の自宅療養サポートセンター「うちさぽ東京」では、パルスオキシメーターの貸し出しを行なっている。しかし、申し込んでから2日ほどかかると言われ、今回は家電量販店で購入した。貸出されているものと同様、クリップ式のものだ。
パルスオキシメーターの計測は、「深呼吸してから」「軽く動いてから」測る方が良い、と後から聞いたが、説明書には書いていなかった。
父は95から93をいったりきたりで、測るたびに「入院?!」「救急車?!」と心臓がキュッとなる。そもそも、機械の形状からして「これで正確な数値が測れるのか?」と懐疑的になりつつ数値を見ては一喜一憂。
以下は、『新型コロナウイルス感染症 診療の手引き』(厚生労働省)に記載された酸素飽和度の診断基準。95%で呼吸不全なしでも中等症だ。
参考:厚生労働省、千葉県ウェブサイト
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