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【ND最高レート1760】暗黒神羅鳳ゼロ・フェニックス【デスザロストカップ最終6位】



1. はじめに


 赤黒ゼロフェニはカードの単体性能の高さがリリース前から注目されており、実際にリリース後も様々な構築が試されていった。その中でも赤単色を採用しない、いわゆる準黒単と呼ばれる構築に近いものがテンプレとして広まり、環境で最もよく見かけるデッキであるところのニューゲイズに分の良い戦いができることからシェアを伸ばしていったが、緑単をはじめとする五分~不利寄りのデッキに対する回答が一般論としては浸透せず、徐々に立ち位置が下がっていった。
 しかし、私はゼロフェニのカードパワーとデッキ単位の対アグロ性能に惹かれ、シーズンを通してこのデッキを使い続けた。
 本記事では私がゼロフェニを調整した過程と各対面のプレイング、ゼロフェニの強みについて解説する。ランクマッチでは最高レートND1760、最終順位は6位であった。余談として、ADも全く同じデッキで挑み、最高レートは1678だった。


最高レートND1760,AD1678
ND最終6位

2. 構築経緯


 クロニクルパックで追加された新カード、暗黒神羅鳳ゼロ・フェニックス/羅月デス・フェニックスがフィニッシャーとして優秀な性能を持つことに着目した。シールド焼却という安定した詰め筋を持ち、かつ場に出たときに相手のクリーチャーを破壊しながら殴れるので着地ターンに隙を作ることがない。盤面コントロールから詰めまでのタイムラグがないことはコントロールデッキとして稀な性能である。また、墓地から召喚することが可能なのでゼロフェニを4枚失う負け筋を生みにくい。したがってデッキ内のフィニッシャーをゼロフェニ4枚に集約することが出来る。さらには羅月の面で序盤の盤面コントロールに寄与できるので4枚入れても腐らない。
 以上の通り、神羅ゼロフェニはフィニッシャーとして最高の性質を有している。取り巻きも、同時に追加されたファイアーバードが優秀だったために最低限の基盤があったので、新弾をまずはゼロフェニから組むことにした。

新弾初日構築


実際にゼロフェニを組んでみると、以下の欠点が見えてきた。
・相手の先攻ブン回りに対応する術がない
・盤面処理に弱い
・アグロに間に合わない

特に後手から相手の展開を止められないことが致命的に感じられたので妨害に特化したリストも試した。しかし結局こちらの詰めも遅れてしまうことからあまり強くなかった。

コントロールしたとて何もできない

 また、ここまでの調整で、タイガマイト→ブラックサイコ→ゼロフェニ進化という詰め筋が最も強力であることが分かりつつあったが、デザイナーズの赤単色ファイアーバードとタイガマイトの噛み合いが悪いこととの折り合いをつけられなかった。
また、ジェニーでは盤面が並ばないのでトップ勝負になりがちで勝率が不安定だった。ブラッドレインは2ターン目以降に引いたバリューの低さを懸念して不採用としていた。

ND1681 エヴォルメラッチは偉かったが…

 あれこれ試行錯誤しているうちに、以下の動画で紹介されているリストにたどり着いた。

 確かに準黒単ならタイガマイトを強く使うこうことができる。ゼロフェニは赤マナが少なく多色が多い割にマナカーブ通りに動きたい試合が多いため多色の処理に困りがちだが、ブラッドレインは多色を埋めるターンを作り出せる。また、多色処理のために初手のゼロフェニは埋めざるを得ないことも多いが、最速ヴェイダーなら2枚目以降のゼロフェニも探しに行ける。赤マナの少なさがネックだがハンデスとヴェイダーで探しに行けるだろう。
ノワール、ゼロフェニ、ジャックより多く赤マナを増やすためには多色か赤単色を採用しなければならず、どちらにせよマナカーブ通りの動きにもマナ武装にも邪魔になる。これが構築上の大きな欠点だったが、赤を最小限にして他の動きを意識するのは目から鱗だった。
 このリストを基盤に調整したリストをしばらく使い続け、感触が良かったのでこのまま大きくは変えないことを決意した。NDは別のデッキで1700まで上げてしまったのでADを主戦場に調整した。ADは不利なモルネクが多いこと以外はNDとさほど変わらなかったので調整環境としては悪くなかった。

 ちょうどこのあたりでシーズンが終盤に差し掛かり、各デッキのテンプレが固まりつつあった。また、新たに巨大天門、べアフガンなどのデッキも台頭してきた。巨大天門は手札を多く抱えるのでサイコのハンデスでは間に合わず、べアフガンは盾を割り切られてしまうとキリンソーヤをサーチされて負ける。いずれもやや分の悪い対面であり、ここでゼロフェニの構造上の欠点が新たに浮き彫りになった。すなわち、ハンデスできる枚数が高々数枚なので手札を抱えられるとリソース勝負で負ける点、詰めに数ターンかかるので盾を割り切られてから数ターンは猶予を与えてしまう点だ。後者については、盾を割り切られた後に相手の盤面が4、5面並んでいると処理しきれずに押し切られてしまうという点でも致命的だった。
 これらの弱点を解決するためにデスザロストを採用した。デスザロストは手札を抱えられても一撃で全て叩き落とせる上、割り切られてからのカウンターにもなる。すなわち、ゼロフェニの構造上の欠点を埋めてくれるカードなのだ。
 ただ、デスザロストはカウンターとして用いるなら早めに引かなければならないので少なくとも2枚は採用したいが、素のコストが8と高く腐りやすい。そこで、盾を削ってデスザロストを軽減しながら盤面展開のできるヤットパウルも併せて採用した。ヤットパウルは手札を減らさずに展開できるので序盤の動きとして優秀、かつ盾を1枚残された場合にもデスザロストが発進できるようになる優れたカードであったので汎用性を欠かないコンボパーツであった。ヤットパウルの他にコダマダンスチャージャーも試した。こちらは実質デスザロストを2軽減してくれる点で優秀だったが呪文であることはこのデッキと噛み合わず没になった。
こうして完成したのが最終的なリストである。

次元はチャブルより赤黒のクリーチャーがよさそう?

 今期は終盤に一位争いできるほどの時間を確保できなかったので、最終日前に少し上げておいてから最終日の24時前にギリギリで上げ切って一位を取る戦略を立てた。戦略通り最終日前に1723、最終日の22時に1755まで上げて瞬間1位を取ることが出来たが、そこからの1位争いにしっかり敗北した。構造上バイクに強く、ニューゲイズにもハンデスでやや有利と環境には噛み合っていたのが良かった。しかしジェニーを不採用としたので順調な緑単に弱く、実際最後は緑単に2連敗して夢が潰えた。NDの1位争いは22時に瞬間1位を取ってから最低でも4~5連勝しなければならない厳しい戦いであることを改めて思い知らされた。

3. 採用カード解説

ブラッドレイン


2ターン目に出せるカードの中で最も強い。2ターン目に出せれば多色処理も最速ヴェイダーも狙えるようになりデッキの出力が大きく上がる。2ターン目に引いていたいので4枚。2ターン目以降に出すのが強くないが、進化元になるので極端に腐ることはない。

ノワー・ルピア


ゼロフェニの進化元として最も優秀。墓地を肥やしてゼロフェニの探しに行きながら、軽減によってゼロフェニの着地も助ける。
赤黒多色なので1ターン目に多色を埋めなければならないが、このデッキはどのみち初手の多色を埋めざるを得ないことが多いので出しにくさはあまり感じなかった。色マナとしても優秀なので4枚。

ラヴァール


4ターン目にブラックサイコを出す動きを補強するカード。進化1軽減、神羅2軽減によりデスフェニ面ともゼロフェニ面とも相性が良い。ノワール、ラヴァールを複数立てるとゼロフェニが計4コストで出せるようになり、これも強力。ただ、直接の利益が他の2コスト獣と比べて少ないので2枚をヤットパウルに譲った。
ゼロフェニデッキは2コスト、3コストとクリーチャーを展開し4ターン目にサイコを出す動きが強いので進化軽減ならびに2、3コストのクリーチャーは多めに採用したい。ラヴァールはその枠である。

ヤットパウル


クリーチャー並べ要員。盾回収はいつでも強いが、特に盾送りになったクリーチャーを回収するのが最も強い。ゼロフェニは墓地に送られても蘇り、マナに送られても2マナ増えた分で次の動きを狙えるが、盾送りだけはどうしようもない。ヤットパウルはその弱点を埋めてくれるカードでもある。
ただし、盾1枚回収は場合により致命傷となりうるので、むやみに出していいわけではない。盾回収のリスクとリターンを考え、2枚採用。

タイガマイト


タイガマイト→ブラックサイコの3枚ハンデスを狙う。2ターン目に軽減獣、3ターン目にタイガマイトと出すとタイガマイトを進化元にサイコを出せるのが大きな強み。ゼロフェニは進化クリーチャーなので進化元となるクリーチャーをなるべく序盤に並べたい。タイガマイトは序盤に出して一番強いクリーチャーとも言える。赤単色を抜き、構築をタイガマイトに寄せる価値のあるカードであり、いつ出しても強いので4枚。スレイヤーも強い。

闇鎧亜ジャック


赤黒多色、トリガークリーチャー、4コスト、4コスト以下のカードを破壊というテキストすべてがゼロフェニに噛み合っている。赤黒多色はタイガマイト中心のゼロフェニデッキで色マナとして重要、トリガークリーチャーは殴られた返しにゼロフェニ進化するなどに重要。4コストなので手札からプレイできでき、カード破壊効果は手出しで盤面を取るのにもトリガーでドラグハートを破壊するのにも使う。ゼロフェニは赤黒クリーチャー1体さえ盤面にあれば蘇生できるので手出しできる赤黒は大事である。トリガーのスレイヤーが非常に強く、殴ってきた大型クリーチャーと相打ちが取れる。闇ジャックを自然に採用できることがこのデッキのバイクに対する優位性を担保している。色マナなので初手にきてほしく、トリガーにもいてほしいので4枚。

ヴェイダー


本デッキ最大のリソース源。墓地を肥やしながらドローできるのでゼロフェニを倍速で探しながらコントロールするための手札補充を行える。ゼロフェニが墓地にあればよいのでリソース源をヴェイダー4枚に圧縮できることはゼロフェニの大きな強みである。ブラッドレインから最速で出したい、リソース源として必要不可欠なことから4枚。

リバイヴホール

メガマグマを出された後に復帰するためのカード。呪文でありブラッドレインやヴェイダーとの噛み合いが悪いこととコストがやや重いことから枚数を抑えているが、プレイできた場合のリターンは大きい。また、勝利ガイアール&ブラックサイコの組み合わせももちろん強く、ブラックサイコ4枚採用を肯定する要素の一つである。サイコ4枚は2枚目以降が腐りがちだが、リバイヴホールがあれば2枚目以降や墓地に落ちたサイコを有効活用できる。ブロッカーを並べたりと、デッキの細かい弱点を補完してくれるカードである。

ブラックサイコ


中盤の要。ハンデスでの妨害からゼロフェニ進化が綺麗に繋がるようになるので、ゼロフェニデッキはサイコ→ゼロフェニを目指すのが基本となる。ただ、進化の上に重ねてもハンデスできないので4枚採用すると2枚目以降が腐りがちなカードでもある。4ターン目サイコのために多く入れたいが2枚目以降は腐りがち。この矛盾を今回はリバイヴホールによる侵略先の用意とヤットパウルによる盤面形成で解決した。リバイヴホールがあれば乱雑な墓地肥やしで落とされたサイコを有効活用できることもあり4枚採用が綺麗にハマった。

ゼロフェニ/デスフェニ


本デッキの軸。序盤にデスフェニで盤面を取りながら後半にゼロフェニ進化して詰めにいける、フィニッシャーとして最高格のカード。場から離れた時にも破壊効果が起動するので処理されても相手に損させることができ、一度着地すれば試合は大きく有利に傾く。したがって問題はゼロフェニをどのように着地させるかであり、本デッキではなるべく場にクリーチャーを残しつつハンデス、サイコの上にタイムラグなく進化させる方針を取った。他にはジュヴィラを用いて墓地の進化クリーチャーに直接進化させる方法もあるが、ジュヴィラは4コストもかかる多色なので出しにくく、生存しなかった場合の損失が大きいので今回は不採用とした。デスマーチによる最速進化は上振れルートを増やしているだけだと感じたので今回不採用としたが、デスマーチ自体は汎用性の高いカードなのでデスザロストの枠に入れてもよいカードである。

デスハンズ


本デッキにおけるデスハンズの採用理由は一般にシールドトリガーを採用する理屈とかなり近い。したがって、まずシールドトリガー全般について考え、それからデスハンズ採用理由を述べる。
大抵の場合、トリガーの採用枚数を増やせばゲームプランの再現性を下げてカウンター性能を上げる。したがってデッキを組む際、トリガーを入れる枚数は動きの安定とカウンターの重要度を天秤にかけて最も高い勝率が出るよう工夫する。このことを赤青バイクを例に考える。赤青バイクのテンプレではクロック4枚と吸い込む4枚をトリガーとして採用し、他のカードをバイク関連のカードやホール呪文に充てる。これはトリガーとして吸い込むクロック8枚あれば十分にカウンターを狙え、バイクとしての動きも弱くならないと判断されていると解釈できる。ここから例えばボルシャックホールを減らしてトリガーを採用する場合、ボルシャックホールという強い動きを失う代わりにミラーなどでトリガーから勝てる確率が上がる。すなわち環境にトリガーを必要とする対面が多ければデッキの動きを多少弱くしてトリガーを増やす方が勝率は上がり、逆にトリガーを使わない対面が多いならばトリガーをわざわざ増やさない。つまり、デッキの動きとトリガーのどちらがどのくらい重要かを考えながら微妙なバランスでトリガーの枚数は決められている。また、トリガー枚数はその質にも左右される。緑単サソリスはボアロパゴス龍解を目指すために必要なカードが多いので動きのためのカードを多く採用しなければならず、サーチ札まで入れるとなるとトリガーに割く枠は本来ほとんどないが、エウルブッカがカードとして強すぎるので4枚採用されがちである。一昔前の青単ジャバジャックでは色が合うという点以外にシナジーのなかったクロックが、トリガーしたら強すぎるという理由でデッキの安定性を下げて4枚採用されていた。強すぎるトリガーは多少デッキの歪めているように見えても多く採用した方がデッキの強度を高める場合が往々にしてある。
以上より、トリガーは基本的にデッキの動きを阻害しない範囲で採用するが、強すぎるトリガーについてはその限りではない、と整理できる。この理屈に基づくと、ゼロフェニデッキにおけるデスハンズは強すぎるから4枚入れたい&デスハンズ4枚の枠を他のカードにして動きはそこまで強くならないという2要素をみたすので4枚採用されている。デスハンズはどの対面でもトリガーして嬉しく、特に勝ちたい対面であるバイク対面で重宝する。また、デスハンズは黒単色なので序盤に引いてもマナに置けるので最低限邪魔をしない。デスハンズの枠を他の2コストや他のカードにしてみたこともあったが、その枠に入れたカードがトリガーデスハンズを期待できる以上の強さを発揮しなかった。初動を引ける確率が数パーセント上がることより4割でデスハンズがトリガーすることの方が有効である盤面が多かった。
したがって本デッキではほぼ手出しできないデスハンズをトリガーのためだけに4枚採用している。一応、対天門など手出しが強い場合もときたまあり、4枚入れて損はしないカードでもある。
デスハンズは初め入れていなかったが、きょうプレ!チャンネルの調整動画を観て真似して入れてみたところ強かった。皆さん、きょうプレ!チャンネルで日々勉強しましょう

https://www.youtube.com/live/rlehBw36ryM?si=KlbfEY2odGYbMvhF

https://www.youtube.com/live/4pAW2z5sNhw?si=FOqvTdaXOsnujg_O

デスザロスト


補完枠。手札を抱えられた場合と先に盤面を作られた場合のカウンターになるカード。特にバイク・べアフガンに重宝し、べアフガンはデスザロストなしに有利と言い難い。序盤に引くと損するので多く入れたくはないがバイクとべアフガン相手に間に合わせたいので2枚採用。

4.不採用カード解説

本項では多くの構築で採用されているカードを不採用とした理由と、調整過程で抜けていったカードを解説する。

デスマーチ
ノワールから繋いで最速ゼロフェニ進化が狙え、そうでなくともゼロフェニの着地を簡単にする。また、軽量ブロッカーとしても役に立つのでデスザロストより汎用性が高く、一般にはこちらの採用が推奨される。デスマーチは本デッキの長所を伸ばして短所を埋めないカードであり、デッキの穴をなるべく埋めたい自分の理想に適さなかったので不採用とした。

ジェニー
場にクリーチャーが並ばないのが致命的であり、ハンデスがうまくいってもこちらの盤面が弱くトップ解決させる余地を作ってしまうのが懸念だったので不採用。ハンデスはマイトとサイコに任せることにした。ジェニーを不採用にしたことで緑単に先攻ジャスミンされるとほぼ負けになってしまうが元々不利なので割り切った。実際1760までに2回当たった緑単には2回とも勝てた。ただ1760から緑単の先攻ジャスミンにちゃんと負けたので検討の余地がある。

学校男
サリアや姫ギャルがつらすぎて採用していた時期があったが、ジェニー同様こちらの盤面が並ばない故に結局押し負ける展開が多かった。

ヴァーク・ゼルデ
ゼロフェニを引けていないとドロー効果が使いにくく、またタイガマイトを中心にする上で赤単色が極めて邪魔だったので不採用。同じ枠でエヴォルメラッチも試したが、回収できない場合の損と赤単色である点がメリットを上回らなかった。サイコをサーチできるので一見4tサイコの安定に寄与しているようにみえるが、メラッチの上にサイコを進化させられないので隣の軽減獣に進化させなければならず、そうするとゼロフェニに繋がらない。

ガツン・ピルッチ
トリガー、ゼロフェニサーチ、1000以下破壊のどれも強いが赤単色のデメリットを上回らなかった。サーチできても手札が増えない上にドローが多色固定になるのでサイコを出しにくく、1000の火力が嬉しいのはトップギア程度しかない。

ホネンビー
このデッキは墓地にあってうれしいカードがゼロフェニのみであり、墓地を肥やすこと自体にメリットがあるわあるわけではない。墓地にコンボパーツを落としたいわけでも、墓地から蘇生するカードを入れているわけでもないので、ホネンビーよりもヴェイダー及び低コストで進化に貢献するカードを優先した。

ジュヴィラ
4コストで出して生き残って墓地に進化クリーチャーがあってゼロフェニを出せる場合にのみ絶大に強いが、強い場面が限定的な上に多色を増やすことになる。自分の試した範疇ではメリットに対するデメリットが極めて大きかったので不採用とした。

他にもカレイコやグレンモルトなどゼロフェニで最速1700を取ったデッキにのみ入っているカードがあるが、あちらはそもそもビートデッキでありコンセプトが異なるので比較はしない。

5. 各対面の相性関係・立ち回り

有利:バイク、ベアフガン

やや有利:メカオー(2tサリアなし)、ニューゲイズ、ジュヴィラ入りデッキ

五分:メカオー(2tサリアあり)、サムライ、ミラミス系、ミラー

やや不利:緑単サソリス、巨大天門

不利:モルトNEXT、ワラシベイベー

各対面の解説に入る前に用語を導入する。
・最低保証:各デッキに用意されている対策不可能なブン回り。勝率の最低保証。トップギアレッドゾーン、サリアピラミリ、姫ギャルタイショウなどがこれにあたる。
・ハンデス保証:キーカードをピンポイントでハンデスすることで不利盤面を打開すること。ハンデスによりもたらされる最低保証。

有利
バイク
ハンデスも盤面破壊も刺さり、バイク側の最低保証に対してもトリガーで返せるので最低保証&ノートリ以外は勝てる。意識すべきはデスザロストによるカウンターを見据えること、ブロッカーを建て続けること、場のパワーラインをなるべく散らすこと。逆に言えば先攻ブン回りを返すにはトリガーが必要なので、後手の場合はトリガーを前提とした立ち回り(ブロッカーを手札に残しておく、ヤットパウルを出さないなど)を意識する。1点刻んだりはせず、なるべくコントロールしてゼロフェニで詰めることを考える。トップSAで負ける場合はなるべくブロッカーを建てたいがゼロフェニの着地が遅くなるなら先にノワールを出した方が良い場合もあり、この辺は練習するしかない。

ベアフガン
先行の場合、ハンデスで進化先を抜くか場の進化元を除去すればよいので非常に楽。問題は後手で、先に盾を割り切られるとキリンソーヤで負ける。ベアフガンが破壊してもマナに行くので、ベアフガン破壊→増えたマナでサーチ&キリン特攻で負ける。したがって盾を割り切られた場合は速やかにデスザロストで勝ちにいくか、キリンを諦めるにしても6打点揃えてのジャスキルを目指す。

やや有利
メカオー(2tサリアなし)
サリアが2tに出てこなければこちらの動きを優先する猶予が生まれるので、そのまま盤面と手札を取りつつゼロフェニが着地して勝てる場合が多い。意識すべきは何を取ってコントロールするかの方針決めである。多くの場合は盤面を取ってパトロールファンクションのドロー数を減らしにいくが、ピラミリオンで多く展開されすぎて除去が追いつかない場合はハンデスでファンクションを落とさなければならない。除去を吐き続けて手札がなくなり猶予を与えると一気に巻き返されるので、ヴェイダーを出すタイミングも考える。例えばサリアがいない4マナなどファンクションが出てこない場合には除去ではなくヴェイダーを優先する。弱い動きのターンを作ると負ける。

ニューゲイズ
ハンデスが大きく刺さる対面であり、マイトとサイコを絡めた基本プランを通しに行く。ニューゲイズ対面で有利寄りだと主張できるのはデッキの基本プランがニューゲイズに刺さっているためである。ゼロフェニ側の負け筋は複数のニューゲイズから対処不可能な盤面を作られることとネバーエンド&ニューゲイズを処理しきれないことであり、ハンデスによってニューゲイズ1体出したところで手札が尽きるようにすればトリガーやゼロフェニにより対処が可能になる。逆に言えばトップニューゲイズやこちらの下振れ次第で十分に負けるので、なるべく猶予を与えずに詰めることを意識する。盾4枚焼却してリーサルに行くのがよい。ネバーエンドに除去を当ててゼロフェニ2点で4枚削れることは覚えておく。

ジュヴィラ入りデッキ
ジュヴィラを取れば勝ち。デスゲートなどの蘇生手段に注意すること。ハンデスよりも盤面形成を優先し、ゼロフェニとジャックの両方を活かしてジュヴィラを取り続けられるようにする。

五分:
メカオー(2tサリアあり)
サリアピラミリガトリンガーの最低保証は負けなのでこちらもハンデス保証で対抗する。相手のガトリンガーを回避できない場合、下手に盤面を取らずサイコを優先し、ハンデスで詰めの手段を叩き落としながらゼロフェニの着地を目指す。NDメカオーは結局スパルタンJで素朴に殴る以上の詰め筋を持たないので、ハンデスしながらブロッカーを建てることができれば相手のブン回りからもトリガーで返せる可能性が出てくる。また、相手の面が埋まった場合はゼロフェニを横にせず自分のブロッカーを建て相手の面が埋まった状態を維持するようにする。相手は現状の盤面を横にせざるを得ないので、ブロッカーで凌ぎながら横になったクリーチャーを一斉に取って勝てる可能性が出てくる。このプランではマティーニをヴェイダーで覚醒させるのが重要になる。

サムライ
ジャックでザンゲキを取れるので一見有利だがタイショウの手札補充が重い。こちらもメカオー同様盤面を取るか手札を取るか考えながらプレイする。手札が多すぎる場合は盤面を壊し、展開されたなら手札を取る。紫電武者をハンデス保証しなければならない場合もある。ザンゲキを壊しさえすれば盤面のクリーチャーが召喚酔いで殴れなくなるようになるので、盤面を取り続けて召喚酔いのクリーチャーのみに殴らせ、トリガーからザンゲキ(またはザンゲキをクロスしたクリーチャー)を破壊して召喚酔いさせるのが基本の勝ち筋。

ミラミス系
ハンデスによりミラミスの試行回数をサイクリカ込み高々2回まで抑え込めるので、そこでヴィルが出なければ勝ち。ヴィルで負け。こちらも4点焼却→普通のリーサルを目指す。

ミラー
ヴェイダーを先に建てた方の勝ち。ミラーは進化元の潰しあいになるので、除去を継続的に撃たなければならない。また、ミラーにおいてヴェイダーを取る手段は基本的にジャックのみであり、一度建てたヴェイダーは生き残りやすい。ゆえに先にヴェイダーを出し、手札を稼ぎ続けた方が勝つ。ハンデスより盤面を優先する。

やや不利
緑単サソリス
リソース勝負惨敗、過剰打点にもなす術がない。したがってハンデスおよびハンデス保証を狙うしかないが、意外とハンデスが刺さるのでド不利とまではいかない。エウルブッカによるゼロフェニ枯らしがきついので極力ゼロフェニはマナチャージしない。サイコなどによりキーカードを落としてもつれこませ、2コスを並べてジャスキルを狙うも一考。

巨大天門
タイタニスと巨大設計図によりハンデスで追いつかないリソースを稼ぎヘブンズヘブンで毎ターン打点を並べてくるので、ゼロフェニ側の処理が追い付かない。したがってハンデス保証でうまいことドラゴンズサインを抜き、もつれこませるしかない。打点の数が必要になるのでゼロフェニはマナチャージしない他、除去としてデスハンズを抱えておきたい。

不利:
モルトNEXT
7マナあればデッキトップのほぼすべてが当たりなので理論上追いつかない。またメガマグマも辛くなかなか勝てない対面である。一応、NDならマナ加速が遅いのでハンデスが間に合う場合もある。

ワラシベイベー
マナに全てを蓄えられて一気に盤面を取られるので理論上不可能。仕方ない。〇小糸ch許さない

6.終わりに


ゼロフェニは盤面と手札のどちらを取るか考えながら動くのが楽しく、詰める際はトリガーに左右されないので、ハマった時の興奮は忘れがたいものになるはずです。ただ、取るのが盤面にせよ手札にせよ裏目は常に付きまといますし、最低保証のようなブン回りにはやはり勝てません。相手の回りや引きに感情を左右されず正しい動きを模索し続ける謙虚さが肝要です。

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