ランダム戦で考えていること vol.1
この記事全体は5回に分けて投稿します。この記事は一章目だけを書いています。続きはお楽しみに。
自己紹介
IGN: PonSkwi
大会経験: JPL優勝1回準優勝1回,WCI2大会連続出場,クランショーダウン優勝2回
戦績は以下の通り。Tier10だと安定して4000ダメージは出せるくらいの実力です。
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この記事で学べること
本記事では、ランダム戦でダメージを稼ぎながら安定した勝率を取るための考え方を解説します。よく「ダメージ(優等)を狙うと勝率が下がる」と言われがちですが、必ずしもそうとは限りません。本記事を通じて、その理由と実践法を学べるようにまとめました。
ダメージと勝率の関係
一般的に「ダメージを取ること」と「勝率」は反比例すると言われますが、実際には考え方や立ち回り次第で、ダメージと勝率を両立させることが可能です。勝率70%を安定して出すためのポイント
記事の内容を理解し、実践できるようになれば、ソロプレイでも勝率70%程度までは安定して出せるようになるでしょう。勝率70%以上の壁と小隊の力
ただし、70%を超えるような高勝率を常時キープするには、やはり小隊プレイが必要になります。さらに、小隊のメンバー各自がソロで65%以上の勝率を取れる実力を持っていないと、90%以上の勝率を安定して出すのは難しいでしょう。実際、私と同程度の実力を持つプレイヤーと組む小隊では、90%を超える勝率を維持することも可能です。ソロ派・小隊派、どちらにも有益
普段、ソロでランダム戦をしている方はもちろん、小隊で連携している方にも役立つ考え方があると思います。具体的な立ち回りや意識づけの方法を知りたい方は、ぜひ続きを読んでみてください。
想定しているプレイヤー層
Tier8以上を1万戦以上プレイしているものの、戦績がなかなか伸びずに悩んでいるプレイヤー
WN8が黄色以上(中級レベル)の実力を持つプレイヤー
必要な前提知識
ランダム戦でよく見る主要車両のおおまかな装甲配置
大体の単発ダメージと、オートローダー車両か否かの把握
マップの知識(特に初動で偵察ポジションに入るLTの動向や、相手が「出待ち」をしやすいポジションを把握)
覚えておいてほしいこと
初動でLTが入ってくる偵察ポジを把握しておくと、通行料(相手からの初弾)を最小限に抑えやすくなります。
過去の試合で痛い目にあった「通行料ポジション」を思い出し、自分がどのルートを選べば被弾を避けられるか考えましょう。
考えていることの要点
ダラダラと文章を書いていきますが、先に要点だけまとめて書くと以下の通りになります。
戦闘開始までに考えた内容でその試合のダメージ量を大きく左右する
"割りに合う撃ち合い"を心がける
自分が前に出て撃ち合えばそこが最前線になる
あなたが「されたら嫌だな」と思うことは、相手も普通にやってくる
ポジションを取るのは、割に合う撃ち合いをするため
5つの内容をこれから順番に解説しますが、基本は文章だけで進めます。もしかすると気まぐれで画像を入れて分かりやすくするかもしれませんが、あまり期待はしないでください。
プレイ方法は人それぞれ
そもそも、プレイ方法や考え方は人それぞれです。唯一の正解があるわけではありませんし、人によって得意・不得意も違うでしょう。私が自然にできていることでも、他の人にはできない場合があります。この文章を読んで「完全に理解した」と感じても、残念ながらすぐに戦績が上がるとは限りません。
上達への道
結局、一番効率よく上達するには、上手い人に直接プレイを見てもらい、フィードバックを受けることが重要です。たとえばDiscordの配信機能を使いながら、自分の欠点や癖を指摘してもらうのが最速の近道でしょう。Twitterで考え方をつぶやいたり、嘆いたりしても、実践の場で具体的に教わらなければ大きな成長にはつながりにくいです。この文章を読んだとしても同じこと。最終的には、上手なプレイヤーに直接アドバイスを求めるのがおすすめです。
1,戦闘開始前に考えている事
以下の画像を見て一度自分で試合の方針を30秒で決めてみてください。
使用している車両はVK72.01K(Tier10クランウォーズ報酬車両,E100と似た感じの車両)
https://tomato.gg/tanks/VK-72.01-K-58641/ASIA?tab=specs
マップは山間の港湾東スタート
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多分何も考えられなかったと思います。「そもそもVKKとは何なのか。とりあえず敵のHTと撃ち合おう」という程度だったのではないでしょうか。そう考えてしまう原因は、自分の乗っている車両の知識不足と、相手との車両相性を理解していないことにあります。結果として、せいぜい敵の60TPやMinotauroと撃ち合っても、良くて2500ダメージほどで撃破されてしまうでしょう。
戦闘開始ボタンを押す前に、先ずは“自分の戦車”を理解する
tanks.ggやtomato.ggなどで装甲配置を確認し、弱点や砲性能をしっかり理解しておく。https://tomato.gg/tanks/VK-72.01-K-58641/ASIA?tab=specs
対面に同じ車両が来たとき、その知識量の差で撃ち合いの勝敗が大きく左右される。
戦闘開始前に考えること
敵の戦車の確認
今回は大口径HT(60TP)が1枚、快速重戦車(IS-7)が1枚、格下の重戦車が2枚いる構成でした。さらに、駆逐戦車が4枚いて、それらは前線で撃ち合いに参加してきそうな車両ばかり。MTについては、重戦車が来る場所にはいないだろう、と予想できます。敵と撃ち合った場合を考える
このマップでHT同士が主にぶつかるのはDラインかBラインですが、最も激しいのはDラインです。ただしDラインの地形は平坦なので、ハルダウン(砲塔以外を隠す)しにくく、車体をうまく隠して戦うのも難しいと言えます。相手も同じ条件ですが、相手の戦車は大口径砲を備えていたり、車体装甲が硬かったりするため、中距離戦では1発交換の撃ち合いに陥りやすく、有利になりにくいのです。その結果、試合の終盤まで体力を温存できない可能性が高まります。どう立ち回るかを考える
序盤から相手のHTと積極的に撃ち合うのは避け、「通行料ポジション」で相手が通ってくるところを狙うことを目標にするのが得策です。Bラインは通行料を取れる可能性が低いものの、逆にこちらも大きくHPを消耗するリスクが小さいため、中盤以降に敵のHTがHPを減らしたり、不利な場所で戦っているタイミングを狙って有利に立ち回れば良いでしょう。
リプレイを載せても仕方ないので結果だけ書くと、最終的には2vs5の状況になりましたが、HPを温存しておいたおかげで8500ダメージを出して勝利することができました。運が良かっただけと思うかもしれませんが、直近のVKK平均与ダメが5000を超えているので、これは少し上振れした程度と言えます。十分に再現性がある数字です。
具体的に考えていること
上の例を読んで気付いた方もいるかもしれませんが、最も重要なのは「自分の戦車と敵の戦車との相性を考えること」です。具体的には、車両の装甲配置・単発火力・機動力などを、マップ構造や有利なポジションの知識と組み合わせ、どのくらい有利に撃ち合いができるかを戦闘開始前に想定します。
これは机上の理屈だけではなく、実際にそのポジションで撃ち合った経験値(勝った/負けた理由)の積み重ねが必要になるため、経験不足で分からない部分はどうしても出てきます。しかし、これからあなたが積む実戦の中で「この撃ち合いは有利だった」「あの場面は不利だった」という記憶をしっかり残しておくと、上達が早くなるでしょう。
一方、味方の車両と敵車両の相性については、戦闘開始前の時点ではほとんど考えていません。なぜなら、ランダム戦で味方がどこへ行くかは正確に予測できませんし、自分自身のダメージ稼ぎや勝利への貢献は、最終的に自分だけで完結させるべきだからです。ランダム戦で味方に連携を求めるのはリスキーです。「じゃあいつ考えるのか?」というと、戦闘中にマップ上で味方に対峙している敵車輌やHPバーを見ながら把握していきます。これも理屈だけでなく、多くの車両を乗りこなしてきた経験からくる勘が重要になります。
試合中に守るべき2つのルール
不利な撃ち合いは絶対にしない
序盤から撃ち合わないと「他の戦線が負ける」と考えたり、「味方にダメージを取られてしまう」などの焦りから、不利な交換に踏み切ってしまう人がいます。しかし、そうした不利な撃ち合いは結果的に自分のHPを減らし、負けを加速させます。試合の方針を壊すようなリスキーな撃ち合いは避けましょう。
「自分はこれがしたい」という先入観で方針を決めない
たとえば「俺はここで撃ち合う。異論は認めない」や「積極的にプレイしたいから突っ込む」など、最初から強い信念を持っているタイプのプレイヤーです。もちろん否定はしませんが、その考えが前提にある限り、柔軟に試合方針を組み立てることは難しいでしょう。上手くなりたいなら、一度その先入観を脇に置いてみることも大切です。
試合の方針=その試合のプレイスタイル
試合の方針とは、その試合での自分のプレイスタイルを決めるものです。普段のあなたのスタイルが「突撃型」であれ「芋る型」であれ、初動の立ち回りでその試合の自分のスタイルはほぼ決まってしまいます。
一番最悪なのは、中盤まで芋っていたのに、我慢できず突然前に出て撃破されるパターンです。よく見かけるでしょう? 何もしていなかった駆逐戦車が急に突っ込み、HPをすべて使い切って犬死にしていく様子を。そうならないためにも、基本的には一度決めたプレイスタイルを途中で大きく変えないのがおすすめです。
いつ強気に動けばいいのか
一つの目安として、相手の総HP量が7000程度(HPが6割ほど残っている車両が5~6両程度)に落ちてきたあたりで、やっと強気に動ける場面が増えてきます。単にHP差があるだけではなく、敵の車両数や配置によって勝敗が左右されるため、「ここならいける」という状況を見極める練習を積むと良いでしょう。
このように、「自分と敵の車両相性を理解する」「不利な撃ち合いを避ける」「先入観を捨てる」「プレイスタイルを前もって決めておく」などの要素が組み合わさって、試合の方針が確立されます。何事も経験の積み重ねですが、その経験を活かして毎試合ごとに考えていけば、徐々に結果はついてくるはずです。
実際に自分で考えてみよう
上の例では、相手の車輌編成的に有利に撃ち合うことが難しかったです。以下の例では、逆に相手の車輌編成に対して有利に撃ち合うことができる場合に、どういった方針で立ち回れば良いのかを示している良い例です。まずは自分で考えてみてから試合を見てみてください
あとがき
全体で4000文字くらいで収めるつもりが、一章までで4000文字に到達してしまったので、流石に記事を分割します。明後日あたりくらいに次の章は投稿してそう。