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「意識」とは何か

 私たちは人間の脳であり意識である。「私」という人間全体ではないし、脳全体というわけでもない。

 私たち意識は「私」という人間の主要な意思決定を任されている。私たちが考え、判断した行動を「私」という人間に取らせることができる。

 だが「私」という人間の行動すべてを担っているわけではない。心臓は勝手に動いているし、怪我をしたら身体は勝手に修復される。そもそも私たちが認識している感覚は私たち意識が自分でつくり出したものではない。

 お腹が空けば空腹感におそわれるし、身体が疲れれば疲労感におそわれる。私たちは勝手につくり出されたそれらの感覚に対処するために存在している。

 私たちにとってはそうした感覚はない方がいいはずである。空腹感も、疲労感も、痛みも悲しみも苦しみも、すべてない方が私たちにとっては喜ばしい。だが人間の脳は自分でわざわざそうした感覚、感情をつくり出している。

 そうしている理由はそれが生存競争上有利だったからだと考えられる。空腹感や疲労感がなければ食べ物も食べずに活動し続けてしまうし、痛みがなければ自分の身体の異常に気付けない。

 人間は脳を発達させてこうした感覚や感情、意識をつくり出している。あらかじめすべての行動をインプットしておくのではなく、私たちが認識できる多くの感覚や感情を情報として読み取り、意識的に考えることでさまざまな状況に対応している。

 私たち意識は本能的な感覚や感情よりも優位に存在しており、それらを制御する役割を担っている。

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