金がないからVライバーになってみた
大学院生。博士課程。女。人文。
なにか辛いことがあると、生理か気圧のせいにしてきたが、こればっかりは生理にも気圧のせいにもできない。
金がない。
大学院生はそういうものである。貧困とのチキンレース。精神衛生を保ちながら貧困するルートを選んでいる時点で、金がないのはある意味当たり前なのである。
少しばかりの給付型奨学金。気を紛らわすためのインターン。思いきって研究に振り切るための学会発表。すべて、将来の見通しを少しでも良くするために始めたものばかり。将来のために今を削るか、今を生きて将来を削るか。そんな戦いを強いられている研究者の卵は少なくないだろう。
かといっていわゆる「社会」に出たらどうなるのか自分でよくわかっているし、社会に出るための人生ではないと自負している。これこそが自分で自分の首を絞めているのではないだろうか。
大学院生の最も魅力的な点は自由であることだ。もちろん、コアタイムが決められている研究室があるのは知っている。しかし、大学院生をやりながら、インターンなどの兼業をしたり、趣味のイラストを描いて売っていることも明言できる。副業禁止な会社からすると、大学院生はやりたいことを無限にできる業種だ。副業OKの会社からすると、大学院生の自由さは嘲笑に変わるのだろうか。笑っていればいいさ。
貧乏暇なしである。
金が欲しい。
そのためにある大学院生はVライバーになることにしたのだ。
(続く)
※ライバーは稼げません。