一番的世界 -負け犬にアンコールはいらない-
俺は負け犬である。
いきなり何言ってるんだという話だろうが、俺は負け犬だ。
3年間浪人して受験勉強を必死にやっても日大程度にしか受からない人間なのだから、負け犬を名乗る権利はあると思う。
世間では一番の人が注目されやすい。顔がよくて一等賞、勉強できて一等賞、スポーツできて一等賞。目立ってちやほやされていい気分そうである。自己肯定感も高そうだ。でも人は老いる。技術はすり減るし、頭の回転は鈍るし、顔に皺が増える。ああ、わかっているとも。やっかみだ。俺はやっかみだとわかってこれを書いている。
今年で23になって十分思い知ったが、自分の実力を全面的に頼って生きていくことは困難だとわかった。ツラは大してよくないし、中途半端にしか頭は回らんし、スポーツも大してできない。加えて、陽キャグループに入れるようなコミュニケーション能力もない。それが23年生きて得た、今のところの自分に対する結論。
小学校のサッカークラブではいつもドベでベンチで、馬鹿にされていた。そして、クラスの女子にそのことをばらされて馬鹿にされた。あの嘲笑。ニヤニヤが口に張り付いたような顔。その後、とても傷つくようなこと、多分気持ち悪いとかそういうのの言い換えだと思うけど、言われたような気がする。底辺の俺を感情のゴミ箱だとでも思っているようだった。
中学校。ごめん結構楽しかった。
高校。ぼっちと、楽しいを行ったり来たりしていた。多分部活に入っていたからだと思う。今思えば、この時に周りの目線が気になりすぎて、行動していなかった。
浪人時代。地獄。
大学1年。ぼっちだった。食堂で一人で食べていると、周囲の目線が痛い。だれも見ていないはずなのに、一人でいるのが気味悪がられているようで。
そして、今。
そんな人間。凡人だ。いや、もっと酷いのかも。
絶望感がないと言ったら嘘になる。
でも、思う。この苦しさは。その源泉となっている一番になれ、という要請はどこからきたのか。この資本主義社会からである。徒競走で一番になると、みんなからチヤホヤされる。受験でいい大学に入るとみんなからチヤホヤされる。就職でいい企業に入るとみんなからチヤホヤされる。では、俺は本当にそれを望んでいたのだろうか。俺自身が望んでいた面もある。けど、心の底から本当に求めていたものなんだろうか。
なんだか違う気がする。気がついたら、僕はこんな所に立っていた。困惑して。こんなこと望んでいない、腹の底からと叫びながら。
世界は一番を求めてくる。一番になると気持ちがいい。けど、一番になるには当たり前だが一握り。じゃあ、一握りの側に回れるようにこの教材を買ってください。それが資本主義。ああ、クソだ。
チヤホヤされたいし、愛されたいし、金が欲しいし、名声も欲しい。
でも、それは一部のエリート、面のよくて容量のいいやつのもの。
ああ、クソだ。
Q.このクソッタレなゲームはいつまで続けりゃいいんでしょう。
A. 死ぬまで。
いやだ、俺はもう降りる!
衝動的に書き殴ってきたが、一旦落ち着こう。ちいかわでもみて。
プシュッ、とぽとぽとぽ。コン。ごきゅごきゅごきゅ、かぁぁぁ!!!!(くりまんじゅうの真似)。ちいかわみないで、酒飲んでんじゃねーか。
閑話休題。
ここから破天荒にデカダンスな人生を坂口安吾みたいに展開していけたら、そもそもこんな場所に立ってない。俺はそもそも地味な人間なんだ。人の顔色とか伺うし、怖いことできないし、女の子に告白すらできない。そんな自分が嫌だ。変えたいと思ってきたが、その機会を逃してきた。というか、逃げてきた。
つまり、ここがスタート。俺は人間としてのレベルは低いが、環境は悪くない。食べ物に困らないし、一応大学にいるし、仲が良い友達の数はちょっと頼りないけど、いるにはいる。両親も片方だけだが、健在。あと彼女も欲しいです(願望)。
一番的人生を目指すと絶望する。それを回避しながら、この人生ゲームを攻略する。難易度はどれくらいなんだろう。そもそもの目標設定は?正直わからん。
たぶん問題は一番的世界というよりも、一番的世界に飲み込まれてしまうことなんだろう。一番的世界で一番は難しい。じゃあ、2番は、難しい。3番は、うーん難しい。そもそも、俺この競技(知性勝負)向いてんのかな。
断っておくが、ここから安易に「自分らしい人生!」みたいなフワフワした方向に流れる気持ちはさらさらない。その先には地獄しかなさそうだし。大して実力のない人間が逃げた先は、もっとレベルの低いところでしかない。
だから、安易に降りるつもりはない。勉強はちゃんとしなきゃだし、プランナーになるための勉強もせなアカン。ああめんどい。バランスの問題だ。一番になるためにコミットしすぎると、一番的世界の中ではそもそも実力が足りないから勝てない。一番的世界を本気にしちゃいけないってことだ。
一番を目指さないんだったら、何を目指せばいいんだろう。あなたはどうですか。一番になんてほとんどの人はなれないのに、何を生きがいにして生きているんですか。なぜ絶望していないんですか。絶望しているのを隠しているんですか。それとも、何も感じないふりをしているんですか。謎である。だって、勝ち組になれる奴って当たり前だけど一握りだから。
そもそも俺の人生、目指してるものってなんだ。ゲームプランナーにはなりたい。否、俺はなるんだが、その先は?
俺は自分のビジョンを実現するのが今のところの目標。頭の中で燻っている二つの世界。これをどうしても形にしたい。できればビジュアル的に。だいぶ壮大な計画だ。人の協力もいる。だから、まだ生きてる。抽象的な話ですまん。構想はある。いま書いているSmall World.がその例だ。今はまだ風前の灯火みたいな、小さな炎だ。さらに言えばよちよち歩きだし、正直今のところクソみたいな文章だ。だが、狼夏ルートだけは絶対に完結させて作る。だって、今のところ自分が誇れるものなんて今のところこれぐらいしかないから。あと、もう一つ目標。友達と彼女をちゃんと作ることだ。今のところ友達は、すんごい深い関係ではないもののいる。彼女はいない。というか、できたことがない。人生で。これを書いていると怖い。じゃあ、お前いままでなにやってきたのと言われそうで。確かにそうとしか言いようがない。俺の行動不足だし、救いようのない意気地なしだ。だから、いま取り返そうと少しずつ自分のできることからやっている。負債はでかい。大変。でも頑張っている。バーとか行ったり、大学で話しかけたりして。そんな感じ。
だいぶ自分をさらけ出して書いた。読んでいるあなたに少しでもなにか届くといいと思う。