代わりに得たもの。
起きたら11時をすぎていて、
美容室の予約時間に間に合わない。
「PERFECT DAYS」を観に行こうと思ったらちょっとしたトラブルで
また
間に合わない。
そんな昨日。
なにもせずぶらぶらして家に帰り
先週買った、
「角野栄子 水平線の向こう」
という文藝別冊を手に取った。
「魔女の宅急便」をジブリ映画で何度も観たことはあったけれど
表紙の水色と角野栄子さんの
笑顔に惹かれて
なんとなく購入しておいたものだった。
ぱらぱらと見ていたら、
ドキュメンタリー映画をやっているらしい。
鎌倉の海の近くに居を構えた、とか
骨董市、カラフル眼鏡、とか
好きなワードがたくさん出てきてる!
今日、映画を観に行くことにした。
行きの電車のなかで…
ドキュメンタリーって映画じゃなくて
テレビで見るものか?とちょっと思ったけれど。
映画館は人は少なくて
ゆったりと観れる…
映画を見始めて…
ご自宅の色のピンクがかわいくて
生活が楽しそう。
そして88歳という年齢を
まったく感じさせない
おしゃれで活発で
かわいらしいひと。
波打ち際で
波の音がなんとも言えない、
と少女みたいに、裸足で海に入ったり
砂から骨董のかけらを見つけて
たくさん集めている。
うつくしい。
なんだか涙が出た。
栄子さんのことばの
ひとつひとつに哲学がある。
戦争が終わったあとの開放感。
ブラジルで出会ったこどもとの
一生のご縁。
目に見えるもの、見えないもの。
すべてを宝物みたいに
たいせつに感じていて
つなげていく。
栄子さんの人生が物語みたいだと思った。
なんだか
宇宙からもらった児童文学作家という
役割を
果たすためのエネルギーが
どんどん出ている感じ。
生き物や自然が話しかけているのを
キャッチして
もっとユニークな姿にしてしまう。
あ、魔女だ。
「自分で書いたものを
自分が好きでないとだめなの。」
と強く言っていたのが
私には印象的だった。
栄子さんにとって
書くことは魔法。
使える魔法はひとつでいい。と。
私も何か、魔法があるかな…。
目にうつるものをひとつひとつ拾って
話かけるように
話かけられているように
命を与えていく。
そんな生き方がすてきだなあと思って
私は涙が出た。
それって私もそうなりたいと
どこかに
憧れをもっているということ
なんだと思う。
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