私立小教師が語る「良い子」の弊害
試験の前になり、ご相談の中でも多いのが
「子どもがお行儀よくできない」
「親のいう事を聞いてくれない」
なんていうお子様のお悩み。
癇癪は起こさなかったとしても
しーんとした待合室で大きな声でずっと話していたり、
「帰りたい」と愚図ったり、足を広げて、ぶらぶらしている。
なんてことがあると正直ひやひやしますよね。
ああ、なんでうちの子は、大人しく親のいう事を聞かないのだろう。
どうして他の子のように、お行儀よくできないのだろう。
私もずっとそう思っていました。
だけど
「親のいうことを聞かせる」ことの意味を間違えると
成長してから問題が起こる可能性がある、と
中学生の娘や同級生や、高校生をみて感じます。
----------------------------------------
実は長女が小学校高学年の時、
ちょっとしたトラブルがあり、学校の先生と面談をしたことがあります。
そのトラブル自体は、長女が悪かった事なので親として謝罪をしたのですが
その時に先生が気になる一言をおしゃいました。
「○○さん(長女)は、ご家庭でも学校でも、素直に自分の気持ちを
表現できるお子さんだから、心配していません。
でも問題なのは、家では良い子のふりをしていて
その反動が学校で出てしまうお子さんなのです。」
これ、別にうちの子がどうのとか
そういう事を言いたいわけではありません。
でも先生のお話しを聞いて
素直に心を開いて表現できる場所があることって
大切なのだなと思いました。
実は私はそれができない子だったので、特にそう感じるのかもしれません。
どんな有名校でも、伝統校でも
不登校、いじめ、学級崩壊など大なり小なり問題を抱えています。
これらは色々な原因があるので「コレ!」とはいいきれない
と思うのですが
良い子を求められていることへの弊害って大きそう。
人間関係を育むための基礎は、乳幼児期にあります。
乳幼児期に、親にいかに
自分の気持ちを受け止めてもらったか、理解してもらったか
はめちゃくちゃ重要です!
だから力で押さえつけたり、
目先のご褒美や称賛で子どもをコントロールしようとすると
その場は良くても、成長してから問題が出てくる可能性もあるのです。
とはいえ受験では、
子どもの「遊びたい」「自由にしたい」という気持ちを
受け入れられない場面も多いですよね。
じゃあどうすれば良いかと言うと・・・
気持ちは受け止めるけれど
行動はリクエストする
そして受験関連以外の時に
たっぷり子どもの話しに耳を傾け、愛情を注いであげる。
このバランスが重要なのかなと思います。