Oh!my sisters 第3話
「ぽこ」
三女のぽこはマイペースで好きなことにはまっすぐです。
末っ子ということもあって、わがままで自由ほんぽう。謎の自信に溢れていますが、実は少しさみしがり屋さん。
お姉ちゃんたちの優しさや頼もしさに憧れつつも、心からそうなれない自分にややコンプレックスを感じているようです。
ぽこは髪の毛がたいへん多くとてもつやつやで、何を隠そう、その髪を自由自在に動かせることが特徴であり個性でした。ただ、そのせいか人一倍エネルギー消費もはげしく、とにかくよく食べます。
食べた分だけじょうしつにかがやくぽこの髪には、ビダルもパンテーンも不要でした。
ぽこは今でこそ自分の髪に誇りを持っていますが、むかしはこのヘンテコな特徴を好きになれずにいました。
同級生には笑われるし気味悪がられるし、お姉ちゃんたちみたいに人の役に立つような能力でもないし、唯一の自慢はリズムゲーともぐらたたきがうまいことくらいでした。
それだって卑怯だなんだと言われ、悲しい思いをして帰ってくることもしばしば。
そんな日は、特におやつがよく進みます。
ぽこは悲しいことがあった日には、大好きなおやつで心もお腹も満たしました。
しかし、食べるだけでつやつやになる単純な髪の毛が、なんだかきらくそうに思えて、いやになりました。
そんなある日、食べたものによって髪のつやがびみょうに違うことに気付きます。
味なのか成分なのか、、、何がえいきょうしているのかよく分かりませんでしたが、まじまじとそれを見ている自分に気がつき、きらいだった髪の毛と初めて向き合ったような気がしました。
それからというもの、色々なものを食べては髪を見るようになり、少しずつ理解を深めていきました。
人は誰だって、理解できないものを心からは好きにはなれません。
「理解」と「好き」がぽこの中できゅっと結び付けられました。
誰かに好きになってもらうためには自分を理解してもらうこと。
自分を理解してもらうためには、自分が理解すること。
まずは自分を好きになることを始めなくちゃ。
ぽこは少しずつ少しずつ自分とこのヘンテコな髪のことを理解して、好きになっていきました。そう思うと便利なことは多いですし、なんだか人助けにだって使えそうです。
そんな時、あるアニメが目に入ります。
わがままでほんぽうな魔法使いの女の子が、色々な経験をしながら成長し、最後にはその能力で地球を救う。そんなお話。
ぽこはそのアニメの主人公が成長していく姿に自分を重ねます。
女の子が成長するために必要だったこと。それは人と関わること、そしてその中で心を通わせられる存在に出会うことでした。
そういう存在と出会うためには、、、
ぽこの次のミッションが決まりました。
その日ぽこは、自分にしかないこの個性を隠すことなく、どうどうと人のために使うことを決意し、街にくりだしました。
まずは自分と同じように仲間はずれにされている子を助けてみよう。同じ思いを経験したもの同士、きっと理解し合える存在になれるとぽこは考えました。
そして、、、公園で彼らを見つけました。
そこにはいつもぽこの事を笑っていた子や、気味悪がっていた子もいます。
彼らはどうやら一人の小さな坊やを囲み、いじわるにも謎のステップで坊やの進行をぼうがいしていました。
助けなきゃ。
ぽこは勇気を振りしぼり、髪を鬼のように逆立て近づいていきます。
一人のいじめっこがそれに気付いてひめいをあげました。
すると他の子たちもこっちをみて驚き、みんな同じように腰をついて立てなくなりました。
坊やは驚きはしたものの、嬉しかったのか安心したのか、泣きさぶりながらぽこの後ろに隠れました。
いじめっこたちは、怯えすぎてしばらく何も言えませんでしたが、、声を振り絞って、、、ごめんなさい。二度としません。と言いました。
そして、続けて
僕たちを弟子にしてください。
聞けばどうやら、彼らはぽこのふしぎで特別な力を、実はうらやましいと思っていて、数々の行動はその思いのうらがえしだったようでした。
、、、こういう風に作る関係もあるのか。
ぽこの口から危ない発言が出ました。
それからというもの、ぽこの周りにはたくさんの舎て、、、友だちが集まり、やがて一大勢りょ、、、もうひとりになることはありませんでした。
おわり
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