初めての貸切。〜上り詰めるまで〜
*センシティブな内容を含みますので苦手な方はGOバック!
さてさて、前回久しぶりのバー待機で久しぶりに新規のお客さんに着いた後の話から。
自分以外のJとHとIは夕方5時になってもまだぐっすりとしてました。
自分はと言うと、毎日のリズムを体が覚えてたのか嫌でも夕方5時には起きてしまった。
この頃は泊まり(ロングコース→夜10時〜朝10時までのコース)の指名のお客さんが殆どだったので予約前は大体仮眠取って、夕方5時になって特にショートの予約がなければバーに待機してあわよくばショートの指名を貰えたらって感じで待機して予約前には捌けてを繰り返す毎日でした。
例の1件があった翌日、夕方5時までぐっすり寝て事務所に確認したら特にその日も予約が無かったのでRと一緒にバーへ出勤しに。
開店と同時くらいに昨日のお客さんが。
昨日とは違うマネージャーさん(こちらもTさんとしときます。)が接客をし始め、早々にまた席に呼ばれた。
(こちらのTさんも入店以来ずっとお世話になってるマネージャーさんで強面イケメンTさんとは全然タイプが違うマイペースでふんわりしている感じのマネージャーさんでした。)
席に着くなり、昨日のお礼を伝え当たり障りのない会話。
指名になりそうな席ではあまり口数が多くないので(俗に言う綺麗売り(笑)、プライベートと180度くらい接客の時はガラリと変わるので他のボーイの子からよく女優って言われてたのはどうでもいい話。)場を和らげようとTさんはこの日も天然で面白い会話を展開してくれました。(笑)
そして、このTさんはべらぼうにお酒も強い(笑)
気づけばキープのボトルのヘネシーが凄いペースで減っていってました(笑)前日はマネージャーさん合わせて5人も着いてたのにそのペースの倍くらいのペース。
しばらくすると、J、I、Hも続々と出勤してきました。そして案の定席に呼ばれ、その日はJと自分がまた前倒し3時間の3Pロング。
Jは優しくいい子だったので特に接客も問題なく翌日の10時にはお客さんを見送って終了連絡→寮に戻りました。
次の日も昼間のショート以外特に予約がなかったので夕方5時にRと準備してまたバーへ。
また開店と同時に例のお客さん。
席に着くなり強面イケメンTさんが接客しに→案の定席に呼ばれ。
しばらくお酒を頂いた後、何やら店長とお客さんがゴソゴソやっていた。バー店長はおそらく事務所の方に連絡をしており、予約状況を確認してたんだと思う。
しばらくすると店長からバーカウンターの裏に呼ばれ、
バー店長「ポンちゃん、今から貸切(24時間コース)2日間。事務所に確認したら3日後に○○さん(いつも来てくれてたリピートの方)の泊まりの予約があるから最初貸切1週間て言われたんだけど、上手く断っておいたから話し合わせておいてね✩.*˚」(売れ始めるとそのボーイが着いているお客さんといざこざが起きないようにする為に《予約満了》とかを使わず、《実家で大事な用があるみたいで》とか色々説明するそう。⟵今回は実家の用事ということで話を合わせてくれとの事だった。)
自分「貸切、初めてなんですけど不安でたまらないです。。。。。。」
バー店長「ポンちゃんなら大丈夫。いつも通りにすればいいだけよ。内容のクレームは一度もないんだから自信持ちなさい!」
って、背中を押してもらいました。
初めての貸切。
今まで泊まりで夜をお客さんと長く過ごす事はあっても日中過ごす事は無かったので何をしていいか頭が真っ白でした。
前日までは他の子も一緒だったので長い時間でも何とか乗り切れてました。
が、まだよくわかっていないお客さんと2人きり。しかも2日間。
戸惑いながらも貸切が始まりました。
いつも通りに夜はHしてお客さんが眠りにつくまで起きていて→眠りについたら一緒に寝る。
問題はその後でした。
起きてからどう進めていいか分からなかった。
もうなるようにしかならないと思い、
不意に
お客さん「どっか行きたいとこある?」
って。
自分「一緒に過ごせればどこでもいいです」(テンプレ)
お客さん「(ニヤニヤ)可愛いなぁ。じゃあ、服見に行こうか✩.*˚」
こんな流れだったと思います。
その後タクシーで原宿へ。
お客さんはアパレルのブランドに詳しく、よく分からない事を言っていたが、笑顔で相槌をうちながら乗り切りました。
元々ファッションに無頓着だった自分に色々あてがってくれた。(服に興味は無かったので全部やんわり断ったのですが、気づけば両手いっぱいの買い物袋(苦笑))
その後、1回荷物置いておいでって言われて事務所の方に預けに行きました。
その後は映画を新宿で一緒に見たり、游玄亭でディナーを頂いたり。美味しそうに食べるらしく、しかもかなりの量食うのでお客さんが目ん玉丸くしてニヤニヤしながら
お客さん「凄い量食べるね✩.*˚」
って、言ってきたので
自分「少食なのであんまり量食べれないんです(小声)」
って、冗談で言ったら爆笑されました。
まぁ、なんやかんやあって無事に貸切2日間を終えて事務所へ帰宅。
終わるなり、
店長「ポンちゃん、疲れたやろ。風呂入ってゆっくり休んどき。夜は○○さんの泊まり入ってるから頑張りや〜」
って。
その後の泊まり指名も難なく終え、事務所に終了連絡。
すると、突然事務所から電話。
何事かと思って電話に出ると
店長「ポンちゃん、ちょっと話せるか?ちょっと事務所来て。」
自分「はい、わかりました。」
事務所に着く。
開店前なので誰もおらず、当然自分と店長だけ。
店長「あのな、バーに来てるお客さんから貸切5日間の問い合わせ入った。18時からバー待ち合わせで。これから大事な事言うからしっかり聞いてな。まず、太いお客さんが現れてそれをポンちゃんが今掴みかかってる状態。○○さんと○○さん(どちらもお茶引き明け時代くらいからずっと泊まりで月4回以上ずつは指名してくれてるお客さん。)、切る覚悟ある?ここからはポンちゃんの意思に任せる。」
しばらくの沈黙。
店長「もし△△さん(最近現れたバーの太いお客さん)を取るのであれば、○○さんと○○さんは切る覚悟が必要よ。ボーイは身ぃ1つしかないからな。でも、もし△△さんがつぶれてしまった時・・・・・・汚い言い方すると保険が無くなってしまうんよ。ポンちゃんはどうしたい?」
しばらく考えた。
しばらく考えて、
自分「○○さんも○○さんも切りたくありません。自分が売れてない頃から支えてくれてるお客さんなので。でも、△△さんも切りたくありません。どうしたらいいですか?(半泣き)」
店長「わかった。まぁ、ポンちゃんならそう言うと思ったわ。あたしらも頑張ってみるけど、色がかかったお客さんはワガママやから上手くいかんかもしれん。でも、最大限フォローはする。まず、△△さんの指名は続けて貸切5日間までにしとくわな。今まで見て来た子、どんなボーイでも大体耐えれて5日間までなんよ。それ以上続くとボーイとしての寿命が縮まるからな。あと、お客さんと離れた瞬間見計らって(お客さんの前ではケータイいじりはご法度)必ず○○さんと○○さんのメールのやり取りで上手くフォローはしとく事。色かけとかな離れてしまうからな。何かあったらすぐに相談する事。これで行こか。やれるだけやってみてダメだったらまた頑張ればいい(*ˊ˘ˋ*)」
自分「それでお願いします。できる限り頑張ります。」
そこから死にものぐるいで打ち合わせ通りこなしていった。
○○さんも○○さんも切れることはなく、△△さんがおさえて来ない空いた日に予約を入れてくれた。
その月、入店以来初めての総合トップを取った。
吉原で言うところの花魁。
売り専業界ではミリオンボーイなんかって呼ばれていた。
そしてこの頃から指名が途切れず、また途切れさせてはいけないプレッシャーがのしかかって来て病みはじめた。
お茶引き時代にはあれほどまでに見たかった景色の筈だったのに、何故か虚しかったし孤独だった。
つづく。
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