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⑦愛のドイツ留学3週間🇩🇪機内での独り言/0日目
タイ空港からミュンヘン空港までの記憶は、寝てたからほとんどない。
飛行機内や夜行バスの中は通常、寝れない。所々で寝ているんだろうけど、所々で起きてしまうので、終始目が覚めている感覚に陥り、身体よりもメンタルのほうが先にやられてしまう。
「寝なきゃ、寝なきゃ」という、寝れなくなる呪いを自分にかけ続ける。プレッシャーに弱い。
だから今回は、徒手空拳ではなく、気圧調整機能付きイヤホンを具備して乗り込んだ!
周囲の音は皆目聞こえない。はは。凱歌を揚げよう。
寝れた。
だから記憶がない。夢、、も思い出せない。
夢と言えば、夢ってなんであんなにすぐ消えてしまうんだろう。目覚めてから10分後には、特に意識していない限り頭から消えてしまう。前にそれを防ぐために、見た夢をすぐメモ帳に書いていたことがあった。いささか低俗な夢も多かったので、嫌気が差してすぐやめてしまったが。多分、夢を覚えておくことに、意味はない。
前に、脳が勝手に数ある記憶の中からランダムに抽出し、それらをつなぎ合わせて夢を作っている、という話を読んだ。だから毎回、荒唐無稽で理解に苦しむ夢ばかり見るのだろう。
他方で、強烈に覚えている夢もいくつかある。
特に子供の頃見た夢に多い。また、夢の中でこれは夢だと喝破してみせたものはよく覚えている。親が頭に角を生やして居間に座っていた時は、すぐに夢だと分かった。
「ねえ、これ夢だよ。どう考えてもおかしいでしょ。」
と夢の中で親に言ったのを覚えている。
夢は時に残酷でもある。昔好きだった子の夢を見ると、起きた時に絶望感と虚無感によって胸を滅多刺しにされる。見た夢によって、目覚めた時の精神状態が左右されるのは、あまり好ましくない。
夢から話を戻す。
機内食が配られた時には起きた。
飛行機旅の唯一の醍醐味は機内食だと言っても過言ではない。正直、うまいかうまくないかは問題ではない。機内で食べる食事に胸が躍るのだ。
トイレに行った時にも起きた。
機内のトイレは好き(?!)
水を流すと、暗闇に吸い込まれていく。どこに行ってるんだろう。
流される先が真っ暗だから、真空の宇宙に放り出されてるのかな、なんて考えた。
ああ、浅慮も甚だしい。
私は何を喋ってるんだ。暇なのか。
着陸1時間前くらいからは起きていた気がする。
確か、今まで書き溜めたドイツ語のフレーズノートを見返していた。えらっ。5分でやめたけど。
10時間のフライトを凌いだあと、ようやくミュンヘン空港に到着した。時刻は現地時間で早朝だった。確か、太陽が照っていた。
(本日フランス語済み)