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アートを楽しむウィーン旅① 美術史美術館は皮肉のきいたオーディオガイド必須

芸術の都、ウィーン!

建築の野外博物館とよばれるプラハから電車で約4時間半。
チェコの田園風景を楽しんでいると、あっという間に到着!

人生4回目のウィーン。
でも、アートをめぐる旅は今回がはじめて。
いつもは、クリスマスマーケットめぐりだったり、仕事関係だったりで、なかなか美術館を訪れる機会を作れなかった。

日本からはるばる来てくれた母といっしょに、美術館めぐりの旅へ。


初日は、美術史美術館へ。

ネオ・ルネッサンス様式の美術館

マリア・テレジア広場の真ん中に堂々とたつのは、マリア・テレジアの像。その像をはさんで向かい合って建っている壮麗な建物が、美術史美術館と自然史博物館。

双子の建物同士、見た目では見分けがつかない。

マリア・テレジアの向こうに見えるのが、見た目そっくり対の自然史博物館

美術史美術館の入場料は1人21ユーロ。

チケットを手に館内に一歩足を踏み入れただけで、目の前に広がる光景に感嘆の吐息がもれてしまう。

大理石で覆われた床と柱、壁一面に施された豪奢な装飾、そしてクーポラ天井。宮殿と見まがうほどの内装に、思わず足を止めて見入っていた私は、間違いなくマヌケに口をポカーンと開けていたにちがいない。

気のすむまでエントランスホールを満喫し、オーディオガイドを借りにさらに中へと進む。

オーディオガイドは日本語も対応していて、1台6ユーロ、2台で8ユーロ。もちろん母と私、それぞれ一台ずつレンタル。

そのまま奥に進み、階段ホールへ出ると、また豪華絢爛な内装が目に飛び込んでくる。

階段をのぼると、目の前にはテセウスとミノタウロスの巨大な彫刻。上を見上げれば、今まさに女神や天使が目の前に舞い降りてくるかのような迫力満点の天井画『ルネッサンス賛美』。

圧倒的圧倒。
思わず足が止まる。目が離せない。

エントランスホールに引き続き、階段でもまたマヌケに口をポカーンと開けていたにちがいない。

ハプスブルク家のコレクションを展示するためだけに建立したという美術史美術館。
ハプスブルク家、いったいどれだけお金つかったんだ…

豪華なのは建物だけではなく、言うまでもなくコレクションも素晴らしい。

0.5階は、「美術収集室」、「古代ギリシャ・ローマコレクション」そしてオリエント好きにはたまらない「古代エジプト・オリエントコレクション」。


展示室にある石柱は本物なのだとか。
古代の世界に浸ったあとは、1階へ。

1階は絵画コレクションで、「オランダ・フラマン・ドイツ絵画」と「イタリア・スペイン・フランス絵画」と、2つのギャラリーに分かれている。

展示室は、広々とした空間に、壁一面に絵画が。
ソファも設置されていて、ゆったり座って鑑賞できるのが嬉しい。

絵画ギャラリーで絶対に聞いてほしいのは、オーディオガイドの説明!
「絵になんか恨みでもあんのか?」というぐらい、皮肉のきいた解説が盛りだくさん。
中学時代、こんな風に美術の時間を受けたかったなぁ。

絵の画像がいっしょに出てくるのがありがたい。

美術史美術館は、ルネサンスとバロックの絵画が中心。

ルーベンス、ラファエロ、フェルメール、カラヴァッジョ、ブリューゲルたちの絵を、心ゆくまで堪能。

木曜日は開館時間が21時までなので、時間を気にせず鑑賞できたけれど、他の曜日だと絶対見きれなかった。
オーディオガイドを借りると時間がかかっちゃうから、時間管理が本当に大変。
でも、これが21ユーロ。
ウィーンだけでなく、欧米は基本的に、芸術が安くて身近にある。
この値段で、世界の絵画の至宝を1日中堪能できるなんて信じられない。

館内には、ソファに腰かけ、小さなスケッチブックに名画の模写をしている人が何人もいて、なかには、大きなイーゼルを立て、大画面のカンヴァスに絵を描いている人まで。

芸術を愛する人が足を運ぶ美術館。
好きなだけ、好きな絵の前で、時間が過ごせる空間。

長時間の滞在になるので、館内のカフェで休憩するのがおすすめ。
素晴らしい芸術品に目がチカチカしたのを落ち着かせるのにぴったり。

世界で最も美しいカフェとまで称される、『カフェKHM』。

クーポラ天井の真下にあるカフェは、吹き抜け部分を囲むようにデザインされていて、周りを見渡せば絢爛と装飾された壁や天井が美しい。


2階の廊下から見たカフェ

重厚な内装の中、ナイフとフォークを使って食べるのはすこし緊張する。カチャっと音を立てたら皆に見られそうな雰囲気だ。

でも美術館の入場者しか利用できないカフェなので、美術館を訪れるならぜひここで休憩してほしい。
この空間を味わわないのはもったいない。

丸一日を美術館で過ごし、20時頃に退館。
夏のヨーロッパは日が長いので、ちょうど外がうっすらと赤く染まるころだった。
ゆっくりと夕方の(時間的には夜だけれど)ウィーンの街を散策してホテルへと戻った。

翌日は、シェーンブルン宮殿と、アルベルティーナ美術館へ。



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