お師匠様のターン③

「お師匠様のターン②」の続きです。

宇宙からは「気」が降り注いでいる。

そういうものである。(大前提)

…お師匠様の勉強会は、先生と復習しないとついていけない。

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宇宙、つまり、地球の外から降ってくるものは色々ある。

・太陽の光、熱

・紫外線

・月の光、引力

・星の光

調べれば色々あると思いますが、思い付くものはこれくらい。

↑これらと同じノリで、「気」も宇宙から普通に地球に降ってきているらしい。

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お師匠様は続けて話す。

「西洋医学と東洋医学という言葉があるのは分かる?」

「はい」

西洋は、アメリカやヨーロッパの方。
東洋は、日本や中国などのアジアの方。

「医者の世界、主に西洋医学では、『気』は信じられていない」

「へー」

「信じられてはいないけど、『気』に興味はあるみたいでね」

「俺のところに聞きに来るお医者さんもいるんだ」

「へぇ…(すご)」

街中とはいえ、こんな小さな診療所に聞きに来るということは、お師匠様が只者ではないと感じるのには充分。

でも何故、そんなすごい「気功」があまり世の中に浸透しないのだろう?

調べたら、気功はまだ「民間療法」扱いみたいで、健康保険は適用されないとのこと。

高いところは高いし、安いところは安い。

値段の設定は、気功を行う人に任せられている。多分。

「なかなかね、『気』って難しくてね」

「『気』のエネルギーを測ることが出来ないんだよ」

「測ることが出来ない?」

よく分からない顔をしていたら、お師匠様が続けて話してくれた。

「例えば、ものの重さは㎏(キログラム)で表すだろ?気温だったら『℃』で表せるね」

「はい」

「その、宇宙から降ってくる『気』を、具体的に『今、ここにこのくらいありますよ』ってことの数値化が出来ないの」

「はー」

「だから、医療現場では実用化が難しいんだ」

「はい(よく分かった)」

「証明が困難なだけなんだよね」

「もったいないですね」

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続けてお師匠様は色々話し始めたけれど、もう自分はお腹いっぱいになってしまった。

ぼけーっと聞いていたら、勉強会の最後にお師匠様はこんなことを言った。

「俺は気功もやってたけど、今はもう神様に頼んでいるから気功師じゃないかもね!」

流石ドクターブライスを操るネフェルピトー。

つづく(不定期になります)