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みっきーのリアル登山者の端書き#652『指定管理鳥獣』

今朝のニュースで、クマが指定管理鳥獣として追加が決定されたということが伝えられていました。

指定管理鳥獣とは、鳥獣保護管理法によって特に獣害の被害が大きいものに指定されるものです。
現在はシカとイノシシが指定されています。

農水省による令和3年での獣害調査によると、シカは約60億円、イノシシは約40億円とされています。
クマは農業被害額としては約4億円となっています。
https://www.maff.go.jp/j/press/nousin/tyozyu/attach/pdf/221202-1.pdf

クマの場合は農業被害というよりは、昨年クマによる人身事故件数が増えたためだと思われます。
令和5年での被害人数は218名と、環境省が平成20年から行っている調査では最多です。
https://www.env.go.jp/nature/choju/effort/effort12/injury-qe.pdf

指定管理鳥獣となったときのポイントとして、駆除した場合に国からお金がもらえることがあるとニュースで指定されていました。
それによって各自治体の駆除活動の促進を図ることになるのでしょう。

鳥獣保護管理法は以前は鳥獣保護法という名称でした。
「管理」という箇所が追加されたのは、保護が行き過ぎて動物が増えすぎ、獣害の額が非常に大きくなったため、保護とは全く反対の駆除の要素が追加されたことによります。
結果としてシカ・イノシシが絶滅するよりもそれらによる獣害のリスクが高い状態が続いています。

その根本として、正確な観察が欠けていたことがあるように思います。
保護政策は当時は確かにシカの絶滅を避けるためには必要だったのでしょう。
しかしながら、保護が進んでからの温暖化などの環境の変化に伴う鳥獣の生息数の変化を正確に認識していなかったために、現在の多すぎる頭数にシフトしてしまったことが考えられます。

事例として動物の生息数の検証は難しい課題ではありますが、行なったことへの検証はどのような場面でも重要だということは変わりはないと思います。

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