どうもー、消費財メーカーのマーケターとして働くmotuです。
マーケティングに関する書籍の"理解"から"実践"への架け橋となる記事を投稿していきたいと考え、活動しています。
書籍の内容を"実務"で活かすことができるよう、要約・体系化していくので、ぜひご覧ください。
書評
【再現性】 ★★★★
【面白さ】 ★★★
【おすすめ度】 ★★★★
今回紹介するのは、P&Gマフィアの一人である音部大輔氏の書籍です。
この書籍からは、戦略策定の手順について詳しく学ぶことができます。戦略についての記述は、他の書籍によく書かれている程度の内容でしたが、戦略を立てる上で必要となる、"資源"について細かく書かれている点がおすすめポイントです。それではやっていきましょう!
1. 目的の設定
戦略を組み立て、戦略的に考えるにあたっては、目的を明らかにする必要がある。
1-1. 良い目的
SMACあるいはSMARTという要素を満たしていて、かつなるべく単一の目的に的を絞っているといい。
以上の条件に加えて、Focus(焦点、集中)も重要である。
1-2. 目的の再解釈
目的を再解釈することで、以上で設定した良い目的をより深く理解し、戦略をさらに効果的に使うことができるようになる。
難しい問題であっても解決しやすい角度からとらえる。
2. 資源の把握
資源とは、目的の達成のために使えるすべての有形無形の資材、資産、人材である。
2-1. 内部資源
内部資源とは、社内、組織内、そして自社で保有している資源であり、随時直接的に利用可能なものである。
2-2. 外部資源
ブリーフに、達成したい目的を明示しつつ、提供できる資源を明確にし、専門性を鼓舞することが重要。
ブリーフについては、同著の「The Art of Marketing マーケティングの技法」に詳しく書かれている。
2-3. 内部資源になりそうなもの
埋もれた資源を見出すのに有効な手段の一つは「比較」。製品や組織構造、組織の構成要素などを過去や競合と比較してみる。その違いが強みになる状況を想定する。
競合と比較した時の違いが、潜在的な消費者ニーズと一貫性を持っていれば、資源として活用し、既存の評価基準を変えることができるかもしれない。
コアコンピタンスにも注目。
2-4. 外部資源になりそうなもの
ここで、観察可能性は、新商品普及のために必要な要素の1つである。
したがって、SNSでいかに語ってもらえるかは重要。
3. 資源の運用
効果的な目的達成のためには、通常複数の資源を組み合わせて使う。
ここで、資源間の相互作用は、①補完、②相乗、③代替、④相殺、の4つの関係性がある。
①補完
それぞれの資源が固有の特徴を、それぞれに割り振られた局面でうまく発揮できているか考える
②相乗
それぞれの資源の効用を最大化するためには、どのような補助的資源を追加すべきかを考える
③代替
もし現在想定されている資源が入手不可能になったら?と考える
④相殺
達成すべき目的を明確にし、どの資源を組み合わせられるか考え、明確な方針として戦略を書き表し、共有することで回避できる
4. 戦略
戦略とは、「目的」達成のための「資源」利用の指針である。この指針に基づいて、具体的な実行計画が立案される。
このとき、①目的を再解釈して戦略の候補案とし、②それぞれの候補案に対して投入可能な資源をリストアップし、③目的に対して「資源優勢」となる選択肢を選ぶ。
4-1. 戦略の構築
拡散的思考によって生まれたアイデアを取捨選択し、論理に従って積み上げていく。
このとき、いかに競合あるいは過去とは違うことをするか、もしも同じことをするのであれば、いかに違うようにするか、が重要である。そのためには、意識的にいろいろな角度から注意深く視ることが重要。
4-2. 不測の事態への対処方法
一方で、達成すべき目的と投入可能な資源に大きな変化がない限り、当初の戦略に固執することは論理的に正しい。目的と資源に変化が生まれたとき、戦略も変更する。
以上です。長い文章にお付き合いいただきありがとうございました。
本日紹介した書籍は以下のリンクにまとめてあるのでぜひチェックしてみてください。また次回!