【要約&実践】インサイト 桶谷功
どうもー、消費財メーカーのマーケターとして働くmotuです。
マーケティングに関する書籍の"理解"から"実践"への架け橋となる記事を投稿していきたいと考え、活動しています。
書籍の内容を"実務"で活かすことができるよう、要約・体系化していくので、ぜひご覧ください。
書評
【再現性】 ★★★
【面白さ】 ★★★★
【おすすめ度】 ★★★★
今回紹介するのは、桶谷功氏著書の「インサイト」です。
この書籍からは、タイトルの通り"インサイト"について詳しく学ぶことができます。インサイトとは、消費者が思わず動く、潜在的な"心のホットボタン"です。このインサイトを探るための方法が具体例を交えて体系的に書かれている点がおすすめポイントです。それではやっていきましょう!
インサイトの見つけ方
1. テーマ(目的)を決める
まず初めに、何のためにインサイトを見つけるのか、目的をはっきりさせることが重要。
①カテゴリーやブランドの問題点がはっきりしない場合(現状把握)
また、競合するカテゴリーやブランドが消費者からどう見られているか探ることもできる。
②ありきたりで消費者を動かす自信がない場合(ポジショニング)
③具体的なアイデアが浮かんでこない(活動案)
製品にしろ、広告にしろ、各々が消費者と接点を持っている。その接点ごとそのときどきの気持ちを探る。
2. ターゲットを絞る
以上のテーマ設定と同じくらい大切なのが、誰のインサイトを探るかである。
3. 仮説を立てる
①インサイトを見つけるためのスイッチを入れる
このとき、最初に設定した目的に沿って、以上の情報をつなぎ合わせる。断片的な情報の中から、一番中心になるもの、他の思いと結びつくものを探す。
②いくつかのインサイトを試す
いろいろな発見を一つのストーリーにつなげていくのがコツ。
③浅い仮説と深すぎる仮説に気を付ける
適切な仮説は、どんどん質問をしていって本音を深く掘り下げていき、それ以上掘り下げるとカテゴリーや商品との接点がなくなる寸前にあることが多い。
4. 本音を引き出す調査方法
5. 使えるインサイトに絞る
ここでインサイトの候補がいくつも上がった場合は、最も使えるキーインサイトに絞り込む。活用の目的が異なるために、複数のインサイトが併存することはあるが、1つの目的に1つのインサイトを対応させ、一貫性のある1つのストーリーにすることが重要。
6. マーケティング活動に落とし込む
このとき、主観的なインサイトを論理的なプランに組み立てなおすことが重要。以下のようなプロセスで、プランニングしていく。
①カテゴリーやブランドの現状把握
定量調査などの分析をもとに、核心となる問題や機会をインサイトから特定する
②ターゲット
定量調査をもとに絞り込んだうえで、ターゲットの深層心理としてインサイトを紹介する
③ポジショニング
インサイトに基づいて、ポジショニングを達成するためのプロポジション(消費者への提案)を出していることを示す
④マーケティング施策(4P)
インサイトに基づき、こういう活動を行うべきということを示す
以上のプロセスで重要なのは、大枠をデータで固めること。ただし、インサイトを量的に検証してはいけない。
インサイトを活用したマーケティングアイデアの創出については、P&G出身である西口一希氏の著書「たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング」に書かれているので併せて読むことをおすすめする。
以上です。長い文章にお付き合いいただきありがとうございました。
本日紹介した書籍は以下のリンクにまとめてあるのでぜひチェックしてみてください。また次回!