今日、ケンタッキーにしない?
久々に姉の家に遊びに行った。
姉の家に遊びに行くということは私の中では合法的デリバリーパーティーの開催も意味していた。
チキン、ピザ、ハンバーガー、はたまた丼もの。デリバリーは無限の可能性を秘めている。その魅力に魅せられているのは私だけでない。勝手に開催地に決定されている姉もまた心躍らせていたはずだ。
パーティーを開催すると決まったは良いものの、何が目的の宴かは決まっていなかった。選択肢がありすぎるとなかなか決まらない、贅沢な悩み。
姉は初めからうっすらとピザを推していた。私もそれを知っていたがどうしても言いたいことがあった。
「今日ケンタッキーにしない?」
人生で言うことはないだろうと思っていたが、その日は突然訪れた。なんだかとても清々しかった。
うっすらピザ派の姉もケンタッキーには勝てなかったようで、すぐに4ピースか6ピースかそして、サイドメニューをどうするか検討し始めた。切り替えの早い姉でありがたい。
結局、1人三つ食べる計算で6ピースと各々サイドメニューを注文した。注文を待つと同時に、開催地では保温された米まで用意されていた。チキンと米という家でしか見られない光景を想像しながら、パーティーの成功を祈った。
思ったよりチキンは早く来た。まだかなとだれる余裕すら与えないカーネルサンダースの心意気。チキンを見て一つリアクションした後、すぐに米をよそった。
着席してからの時間はあっという間だった。久しぶりの姉とのパーティー、なんか食べにくい部位に苦戦するあの時間、太めのポテト、みんな大好きビスケット、そして新参者の米。四方八方からくる久しぶりと今回参戦の米に圧倒されるがままパーティーは静かに終了した。
今回も大成功に終わった。こういうことはたまにやるからこそ輝く。またいつかあの言葉で宴を賑やかしたい。