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ジムクレイマーの投資哲学を庶民サラリーマンの自分にあてはめる。

 株式投資はギャンブルだ。とアメリカの株式投資番組MADマネーの司会者であるジムクレイマーさんは「株式投資大作戦」という本の中で自身の投資に関する考え方を述べています。スキンヘッドの怖そうなお爺さん(60代?)というイメージですが、番組を見てる分には感情豊かで人間味のある方という印象です。
 そもそも新聞記者として働き始めた彼は、初任給は週約178ドルの給料を貰いながら、車内で寝泊まりするような生活を続けていた。このような状況から抜け出すにはどうしたら良いか?父親に相談したところ、ほんの少しずつで良いから継続的に投資をしなさいと言われたため、無理やり費用を捻出して10ドルずつ投資をしていった。
 彼は後にヘッジファンドを立ち上げ、敏腕マネージャーとしてウォール街で一目置かれます。彼が注目されたのは、2000年のドットコムバブルの時に潮流の変化に気がつき、バブル崩壊直前に株式から完全撤退し、現金に換えており、市場がマイナスリターンとなる中、ジムクレイマーのファンドは+15%のリターンを出したことです。その前年まで1億ドル、1.5億ドルと利益を出していたのに、急に方向転換しピタっと現金に変えたのはもはや神業です。
 なぜバブルの崩壊に気づけたのか?それは彼の投資哲学である「バイアンドホームワーク」で気がつくことができた。カンファレンスコール(決算発表後の企業の業績見通しの発表)で明らかに変化の予兆が出ており、景気の転換点に思えたとのことです。
 株式投資は残酷な世界であり、無知な者は搾取され続ける世界です。その点で言えば奥野一成さんも「株式投資は知の総合格闘技」とおっしゃっています。

 それでも人は株式投資をすべきだともジムクレイマーは言っています。何故なら、一生懸命働くだけでは報われないこともあるという事実から目を逸らしてはいけないからです。人は何故お金を稼ぎたいのか?一つは老後の蓄え、もう一つは今ある生活を豊かにしたいというこの2点です。それは労働収入だけでは限界があり、自分が稼いだ資本は投資で増やす必要がある。過去の歴史で最もリターン成績の良い株式投資をするべきなんだと。
 あまり時間がとれない。株式投資がよく分からない人は投資信託でSP500にでも突っ込んでれば過去平均で年10%はプラスにはなっているのだから、そこに定額で積立てていけば複利の力で増え続けるし、老後となる頃には十分な資産に育っている。
 ただそれ以上のリターンを求めるには「バイアンドホームワーク」で銘柄をしっかり研究して、株式を買っていく必要がある。市場の鉄則みたいなものに、バイアンドホールドがあるが、ジムクレイマー曰わく「永遠に安心して保有できる銘柄なんてない」ので、含み益は利益確定するまでは利益ではないとのことです。欲をかいて保有し続けて暴落したことは数知れず、大事なのは「現在の価格」で買い増したいか?売りたいか?買い値バイアスをなくしてクリーンな目線で毎回株価を見ることでリターンは飛躍的に伸びたそうです。前の奥さんであるカレンさんもヘッジファンドのマネージャーであり、その投資哲学は2人の夫婦の中で醸成されていったのだそうです。
 それと資産形成は年齢的な部分を考慮して計画すべしともおっしゃっています。30歳と60歳では老後までの時間に差があり、そうなってくれば当然とれるリスクも変わってくるのです。老後資金を作る投資は絶対失敗できない手堅い投資を行いますが、リターンを求めるなら投機も必要です。あなたが年齢が30歳なら、積極的にリスクを取っていくべきだと、何故ならあと何十年も働いて取り戻すことができるから。投資は投機ではダメだと市場が言うことと真逆のことを言っています。しかしジムクレイマーは、投機が良いことだと何か理論を持って強く言える訳ではないが、少なくとも自分は投機で大きな資産を掴んだから今がある。大きく増やす機会がなければ人生大して変わってなかったはずだと自身の経験を交えてリスクを取りに行く必要性を記しています。
 彼の中で短期売買でのルールと長期売買でのルールはそれぞれ違いますが、利確をしっかり行うことがジムクレイマーの特徴だとも思います。前の奥さんのカレンさんが勝手に株を売り払って利確や損切りを行い、それでも彼が同じ銘柄を買い戻すかを試すこともあったそうです。
 ここまで述べたことを自分に当てはまると、30代の自分はコアサテライト投資で言うところのコアが30%守りの投資、70%が高配当、値上がり益を狙いに行く投資をすべきだと思います。実際にですが、投資信託が約30〜40万円、米国株190〜200万円、日本株110〜120万円くらいの割合で投資しています(米国株と日本株の中にETFがあるので、コア割合的には30%に近いと思います)。
 今年は特に日本株を増やしていきたいと思っています。「ドル」をたくさん持っていれば米国株をゴリゴリ攻めていきたいと思うのですが、日本人なので資産ベースが「円」です。為替も簡単に読めないですが、少なくとも米国の利上げは最終局面であり、インフレ率も米国経済が強い関係で利下げも中々来ないと思いますが、数年の間に利下げはいつか来ます。そのタイミングで円安から円高にトレンドが転換すると思うので(日銀がまさかの政策金利上げてきた場合は別)、そうなれば米国株に再度投資を行っていけば良いと考えています。
 おそらく海外投資家も、米国株が失速しているがドルが強いので、円安で無難な経済大国である日本でインカムを得つつ、円高時に利確していけばプラスリターンとなると考え、先物主導で上昇し、大型株が上昇し続けている現状と捉えています。
 円安が長く続けば続くだけ輸出企業にとっては基本的にはプラスの効果が働くと思い(輸入産業にとっては辛いが)、グローバル展開する大企業、上昇している都市圏の不動産業は数年は見通しは明るいと思って投資しています。
 ジムクレイマー曰わく、ブルの投資家もベアの投資家もトレンド次第でどっちも勝てるが、ピッグ=欲豚だけは勝てないので、利確のタイミングと現金比率にはこだわっていきたいとも考えています。具体的には、投資していた企業の暗雲を捉えること。市場全体の流れの変化に気がつくこと。自分の考えていることから前提条件が変更になった際に躊躇なく撤退すること。などを大事にして、結局はコツコツ追加投資&配当再投資をして、とりあえずは一千万円の資産を築きたいと思います。
 資産が増えてくる段階で、「借金」=レバレッジをかけて、不動産投資もやろうと考えています。賃貸に暮らしているので、その点でローンを組める自分の信用力は(普通のサラリーマンなので)使いたいと思っています。
 ウォーレンバフェットさんの「ゆっくり金持ちになりたい人はいない」は長期投資家の規律という点で重要な考え方ですが、時間の価値は「命」が有限である限り、とてつもない価値があります。そんな大切な時間をかけて、インデックス投資に少しずつ投資して、人生の何十年も我慢して無難なリターンを得ることに疑問を持ちませんか?老後資金のために一定の額をインデックスに積み立て、残りの余力を全力で考え抜いた株式に入れて資産を拡大していくことが大切なのではないか?
 反対している訳ではありませんが、当たり前にインデックスや分散や長期投資と盲目的にスタイルを決めずに、正しく試行錯誤(無謀なリスクをとり破滅することではない)していくことで、洗練された投資家になれるのでは?と、だらだら意見を述べてみました。

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