ポッドキャスト的なもの



これを書き始めているとき、フジテレビの会見が始まって、9時間が経っていた。メディアの恐ろしさを感じる。こんなに会見して何が変わるのだろうか、どうせ部分的につまみ出して時が流れて終わるのになにがしたいのだろうか。フジテレビがなくなれとも思わないが、マスメディアの信頼性はここ数年で著しく低くなったと思う。

だからこそ、「ポッドキャスト」の時代になるのかもしれない。アメリカの大統領選でトランプの勝利に一役買ったポッドキャスト、いわゆる「ポッドキャストポピュリズム」であるが、誰でも出来て、誰でも聞けるという媒体の面白さ、便利さというのは素晴らしいと思う。政治に限らず、カルチャー的にも人の考えや中身を知るには話を聞くと言うことが大事だと思う。その中で、会社という業態に縛られないものであるからこそ、面白みが増すと考える。

完全にポッドキャストのカルチャーはアメリカ文化に迎合される。
車社会のアメリカにおいて、長時間運転する人がBGMがわりに聞くことで拡散されていく。そこまでではない、日本で広まるかはわからないがとても盛り上がっている界隈ではあると思う。

前置きが長くなったが、今聞いているポッドキャストを紹介していく。ただ単に聞いている物に対しての感想を書きたかっただけなのであるが。

奇奇怪怪

HIP HOPトリオ「Dos Monos」のラッパーでクリエイティブディレクターのTaitanさんと、MONO NO AWAREというバンドのフロントマンの玉置周啓さんの2人が話しているポッドキャスト。毎週水曜日の朝に更新している。
基本的には、Taitanさんが話すネタを持ってくるが、そのネタがとても秀逸である。現代社会の現象やカルチャーの対してのクリティカルな内容が上がってくる。その内容も、個人的な感想だけでなく、多角的な視点で話しているのがとても面白い。

割と難しい言葉だったり、二人特有のノリがあるので、好き嫌いは激しいかも知れない。長尺でもあるので内容が豊富であるから、自分にとってはうれしいが、初めて聴く人にはビビってしまうかも知れない。

<おすすめの回>

人は対面だといい人なのにSNS上や特定のコミュニティだとやばい人になるのだろうか。嫌いだと思っていた人が、会ってみると意外といい人と思ってしまうのだろうか。そこに対して、2人が考えながら兵庫県知事選の内容を交えながら、話している。その感覚、わかるなということが面白かった。

上坂あゆ美の「私より先に丁寧に暮らすな」

もともと広告代理店に勤めていたが退職して、歌人をしている上坂あゆ美さんと京都のお寺で僧侶をしながら、お寺でDJイベントなどを開催している鵜飼ヨシキさんが主にリスナーからのお悩み相談をしているポッドキャスト。
更新頻度が高く、比較的1回の時間も短いことから、聞きやすいと思う。

2人ともなかなか面白い人で考えも面白く、自分がある人たちなので、聞いていて参考になることも多い。人間同士のつながりや社会的な不満についてのお話が多いので、そのような気持ちがある人にはフィットすると思う。鵜飼さんが僧侶であることから、仏教的な視点も出てくるところが最近、仏教に興味がある自分にとって面白い部分でもある。


<おすすめの回>

面白くない悪口は公害という思想のもと、お嬢様言葉で悪口を言っていく回。お嬢様言葉に中和されている?ことでマイルドになりながら、本質を突く時はするどく刺していくのはとても面白かった。お嬢様なのにクソとか出てしまうのが人間だなと思った。公開収録で西武渋谷店でこれやっているの大分カオスだなと思う。

#120の最新回は、#90、#115のお話を受けてのお話となっているが、とても面白い内容であった。特に#115の相談者のエピソードは天才過ぎておなかが痛くなるほど笑うと思う。また、そこで最後の方に話された内容がとても興味深く心に残った。考えられることに快感を感じ、考えられることを喜ぶというモンスターがいるのは面白いし、自分もそちら側だと共感してしまった。この2回を聞いてから、最新回を聞くと、とても面白いと思う。

また、Taitanさんと上坂あゆ美さんのお話もあるので、これを聞いてみても面白いと思う。タイトル論だったり、短歌とラップの言葉の感覚の違いについて考えていて、そこのつながりがあるのかと驚かされる。

流通空論

奇奇怪怪のTaitanさんが、クリエイティブディレクターの一面を遺憾なく発揮している。毎回、流通にまつわるゲームチェンジャーの方を呼んで、お話ししているポッドキャスト。

本当に多業種の方がゲストとして参加して企業の内情やプランを話しているのは面白い。文フリが盛り上がる理由を話したと思えば、つまらなさについて考えたり、東京チカラめしはなぜ急拡大して衰退したかなどジャンルが多岐にわたって面白い。知らない単語が飛び交うときもあるが、知らない世界が見えてきて勝手に体験している気分になる。概要欄の部分には用語解説もあるので、すぐに内容を理解することが出来る。

<おすすめ回>

ドンキホーテの社長が赤裸々にドンキのブランディングについて、話しているのが面白い。ドンキ特有の空間の作り方だったり、特有のカルチャーの作り方のお話があるのが興味深い。そして、成功例だけでなく、コロナ禍で失敗した話など何でも話しているのがとても面白い。

まとめ

他にも音楽フェスの内容を扱う「Festival Junkie Podcast」、終わってはしまったが、アーティストのクロストークが聞ける「ハナシはこれから。」、女優の松岡茉優と伊藤沙莉がやっている「お互いさまっす」など面白い番組が大量にあるので、色々なのを試しに聞きながら、好きなのを発掘していってほしい。
人の話を聞く、人の考えを知れるということはとても面白いことであり、あることについて考えるのが好きとか新しい世界を見たいという人には、うってつけの媒体だと思うので、是非聞いてほしい。

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