マスコミは本当に終わったのか?
新聞TVの凋落が凄まじい。実際、テレビの視聴も新聞の購読も右肩下がり、どころか急降下。いくつかの雑誌の取材によればいよいよ終焉が見えてきたそうだ。
かつて、ネットはバカと暇人のもの、巨大掲示板2ちゃんねる(現5ちゃんねる)を、“便所の落書き”と揶揄してきたマスコミ。十数年前まではネットは暗く寂しげな裏通りの路地のような存在で、TV新聞はおしゃれお店が軒を重ねる華やかなメインストリートのようであった。今やメインストリートはシャッター街になりつつある。
ところが少し立ち止まってみてみよう。マスコミの影響力はもうないのか?
わかりやすいのが小池百合子都知事の学歴詐称疑惑。エジプト大使館が正式に声明を出しても騒いでいるのは、やはりマスコミの力。それとは反対に、東京都が情報開示請求に関わる住民訴訟での奇跡の敗訴についてはあまり騒がれていない。暇空茜なるインフルエンサーが起こしたものだが、マスコミは無視。ほぼ行政側が勝つ裁判である住民訴訟で負けたこと、小池都知事が情報開示の公約を反故にして文書黒塗りを続けているということ、で大きなニュースになるはずだった。
なので、実はマスコミの影響力はいまだに大きい。普段はともかく、ひとたび大手マスコミ、とりわけテレビが声を上げて咆哮すれば世の中の流れは一気に変る。ビックモーター然り、統一教会然り、ジャニーズ然り。ネットで燃え盛っていても組織をゆるがすには至らなかった。ジャニーズも、英国BBCという国際的に信用も権威もあるメディアが報道し、ネットのインフルエンサーが騒いでもびくともしない。日本のテレビ局、新聞が動いて事態が急変。流行に敏感な?!立憲民主党などが便乗し、国を上げての騒動になった。そう、日本の大手マスコミは日本においては王であり絶対的権力者なのだ。
ではなぜ日本の大手マスコミはいまだに巨大な権力をもつのか?それは4つの要因が考えられる
★ 人口のボリュームゾーンを占める高齢者がTV新聞を強く支持している
★ 政治家や経営者など行政や企業を動かす源となる層も圧倒的多数が高齢者であり、TV新聞を支持している
★ ネットの個人ジャーナリストと違い取材力(資金ふくめ)がある
残りの一つは、ここにきてマスコミもなりふり構わずプライドを捨てた捨て身の戦いを始めたこと。これが未だにマスコミが影響力をもつ4つめの要因のひとつ。
どういうことか。数年前からネット媒体に朝日新聞など大手メディアが乗り込み自身の主張を展開し始めた。つまり、ネットに手を突っ込んできたのである。
ひとつの例がYahooで、新聞社などがニュースを提供している。そうしたなかでファクトチェックなるものが導入された。デマに対するパトロールである。これ自体は問題ないのだが、そのファクトチェック自体が既存の大手新聞の息のかかったもの。大手メディアに対するファクトチェックは行わないという茶番劇なのだ。Yahooニュース自体の中立性は危うくなり、事実、Yahooの編集に対する疑念はあちこちで起きている。
次回はTVなどメディアとネットの関係をさらにえぐっていきます。