自民の善戦だった⁉静岡県知事選
先に行われた静岡県知事選挙、自民候補の大村氏が敗北し立憲民主が推した鈴木氏が勝利。この結果を受け、立民の勢いがついた、との報道を見るが実はそうではない。まずは前回の知事選と比較してみよう。ちなみに、今回も前回も投票率は50%強でほぼ同じである。
<前回> 順に得票数、得票率
川勝平太 957,239 60.5%
岩井茂樹 624,967 39.5%
<今回>
鈴木康友 728,500 47.4%
大村慎一 651,013 42.4%
森大介 107,979 7% (共産より出馬。参考として記載)
前回、自民が推した岩井氏は参院議員、国交省副大臣を経て立候補した。政治家としては一線級。今回、自民が推した大村氏は政治未経験。それでも大村氏は岩井氏より3万票、得票率3%上乗せした。善戦である。ズブの素人がここまで得票した事実、これは無視できない。
しかも、対する野党陣営の鈴木氏は浜松市長で政治のプロ、強固な地盤がある。ところが大村氏に得票率で5%にまで迫られた。川勝氏は政治の玄人である岩井氏に対し30万票以上、得票率20%以上の差を付けて超圧勝。さらに言えば、今回、仮に、仮想野党共闘として共産票10万を鈴木陣営に足したところで80万強。95万票を取った前回の川勝氏に遠く及ばない結果である。
結論として、前回の選挙と比べ自民の評価が上がり、野党(立民)の評価が下がった。
更に検証をすすめよう。先月行われた衆院補選島根1区の結果。立民候補に自民候補は17%の得票率をつけられた。裏金問題の逆風が要因というのは大方の見方だがそれには同意できる。で、もしそうであるのなら、この逆風が弱まらなければ静岡知事選でこれだけ得票率が縮まることはないだろう。
最後に、静岡県知事選で工業地帯浜松を中心とした静岡県西部の票がごっそり鈴木候補に入った。労働組合の貢献が勝利に結びついたと言えるだろう。そう、立憲・鈴木氏の勝利は民意ではない。
風向きがかわりつつある。
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