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「日本人のインドネシア進出について」
今回は、日本企業の駐在員としてではなく、個人でのインドネシア進出について、これまでの変化について考えたことをお伝えします。
<変化する日本人の海外進出>
私が大学生時代に初めて東南アジア旅行に行ってから30年弱、仕事で特にインドネシアに関与してから20年、日本人のインドネシア進出方法は変化していると思いますし、今後も変化すると感じます。
私がインドネシアに来た15年前くらい前までは、主として日本企業の日本人駐在員としてのインドネシア進出が主流であり、それ以外の進出方法は稀だったと思います。10年前くらいから、多少、個人でインドネシアに来て現地採用で就職したり、起業したり、レストラン等を開業する日本人を目にするようになってきました。起業といっても、インドネシアでは外国人や外国企業が株主の会社の設立は、原則資本金が日本円で1億円程度必要です。このため日本人の起業やレストラン開業等は、現地人株主で起業・開業するケースと日本人投資家からの投資で起業・開業するケースと、設立前に多少の準備が必要となってきます。
今のインドネシアの賃金上昇傾向と日本の賃金傾向が続けば、日本人がインドネシアで就職するようなことも増えると思われます。実際、インドネシアの大手企業の部長クラスの給与は、日本企業のそれより上と言われています。
<日本企業の駐在員以外の進出に必要なこと>
駐在員としての進出以外のケースは、よりインドネシアの現地の世界に溶け込んでいく必要があります。
日本企業の駐在員としての進出では、住環境の確保やそのコスト負担等を会社に依存しているのが一般的だと思います。個人やレストラン等の小規模企業の進出においては自分で住環境を確保しないといけませんし、それ以外の生活に関する事の全てを、自分でコントロールする必要があります。
仕事上でも、日本企業の駐在員であれば日本語以外の言語が弱くても親会社とのパイプ役として尊重されます。しかし、個人やレストラン等の小規模企業の進出においては、本人が被雇用者として現場上司の指揮下で働いたり、現場指揮官としてレストラン等の小規模企業を運営することが求められますので、ローカル職員とのコミュニケーションは必須であり、英語やインドネシア語の習得は必要不可欠となります。
日本企業の駐在員はかなり守られた立場にありますが、今後このようなポジションは日本経済や日本企業、特にエンジン自動車業界の縮小にあわせてなくなっていき、日本人もローカル職員と同じ立場でローカル職員と競合する関係になると思われます。簡単に言ってしまうと、駐在はなくなって現地採用になり、さらに現地企業に採用されて働くことが一般的になると思われます。
<優位性のなくなった世界で外国人として働く>
今後のインドネシア進出においては、英語又はインドネシアで能力を発揮できなければ評価されないでしょうし、常に評価され続けることになると思われます。ヨーロッパへ移籍したサッカー選手が実力のみで戦っているように、インドネシアでも日本人が実力を発揮して活躍することは可能だと思っています。
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