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【実用的IR分析 #54】 "広済堂ホールディングス(7868)" のIR情報から、「買うならどのくらい?」を時短で読み解く

この記事は、「いい銘柄を、安いときに買う」ために「増益傾向の中小型銘柄」をピックアップし、知っておくべき「どんな会社で何がいいのか」と、最も知りたい「買うならどのくらいか」をまとめたものです。

これらは上場企業が開示するIR情報(※)から読み取れますが、専門的で難解で量も多いので、要点だけを時短で読めるようにしました。ざっと読んで、ピンときた銘柄をストックしておき、安いときがきたら投資を検討することが目的です。私自身が初期的な分析に使う手法を整理したものですが、効率的に投資候補を見つける一助になれば幸いです。

(※)有価証券報告書 決算短信 決算説明資料
2024.3期 (2023/4/1~2024/3/31)


Q1 どんな会社?

エンディング関連事業を中心に、情報ソリューションや人材サービスを展開。葬祭公益事業は都内23区の火葬件数の約70%を占め、効率性を追求した最新火葬炉を導入。情報ソリューション事業では印刷やBPO、デジタルサービスを手掛け、多様な収益源を持つ。人材サービスは地域密着型で展開し、資産コンサルティング事業も拡大。

Q2 どんな状況?

多死社会の進展により葬祭需要の長期的な増加が見込まれる中、燃料費特別付加火葬料の導入などで課題に対応。一方で、印刷需要の減少が情報事業に影響を与えている。既存火葬場の拡充や新規施設設立、相続相談事業の強化のさらなる強化を図り、中期経営計画では2026年度までに売上高440億円、営業利益94億円が目標。

【図表1】※は作成時点、その他は期末現在。
有価証券報告書等から作成


Q3 業績と予想は?

2024年3月期実績:増収増益
葬祭収益セグメントが新規施設の稼働率向上により大幅な増収を達成し、全体の営業利益が前年同期比で43%以上増加した。情報セグメントでは印刷需要の減少が続くものの、固定費削減により収益性を維持している。

2025年3月期予想:増収増益
式場の増設による稼働率の改善と、相続相談業務を軸とした資産コンサルティング事業の成長が見込まれる。累進配当政策を維持し、配当性向35%を確保する計画で、安定した株主還元にも注力。

【図表3】決算短信等から作成 (単位:億円)


Q4 予想の信ぴょう性は?

売上予想の前年実績比+12%は、例年の範囲を上回る積極的な水準。過去5期の達成度は平均98.8%だが、直近では未達成が目立つため、信ぴょう性はやや低いと評価できる。純利益予想の+21%は例年の範囲内で現実的な水準。過去の達成度にはばらつきがあり、特に下振れのリスクが見られるため、信ぴょう性は中程度と判断できる。

【図表4】予想は期初予想の前年実績比。
達成度は期初予想の達成率。決算短信等から作成


Q5 市場の評価は?

EPSが上昇するとPERも上昇する正相関が見られ、市場は成長をやや積極的に評価している。5期前と比較してEPSは大幅に増加し、PERも回復傾向にあり、過小評価の緩和が進んでいる。直近期のPERに割高感はないが、直近5期の高値平均PERに近い水準に位置し、市場の期待が高まりつつあることが示唆される。

【図表5】高安値PERは各期の高安値÷各期EPS。平均は異例値を除く。有価証券報告書等から作成。


Q6 リスクをどう見る?

ここまでの分析からリスクを想定すると、市場評価の変動幅が大きく不安定な点、純利益予想の達成度にばらつきがあり下振れリスクが高い点、印刷需要の減少による情報事業の構造的な課題がリスクとなる。市場評価は改善傾向だが予想の信ぴょう性に不安が残るため、リスクは中程度と想定されるが、業績修正や市場環境の変化には注意が必要。

最後に「買うならどのくらい?」を以下の観点から検討します。

過去の市場評価から相対的に低い水準を「概ね安い水準」として算出し、さらに水準を絞るために「リスク許容度に応じた3つのシナリオ」を提示します。これにより現在の株価の位置を把握し、安いと考える水準に達した際に投資を検討する準備ができます。

この先は有料ですが、全銘柄が読み放題のメンバーシップは初月無料ですので、ぜひご覧ください。

本記事は開示情報等を基にした客観的な分析を提供するもので特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また期中の業績修正等は反映しておらずリアルタイムの情報ではありません。記載の数値や分析結果は参考情報であり将来の価格や投資成果を保証するものではありません。内容には十分注意を払っていますが誤りが含まれる可能性があります。また情報は予告なく変更・修正される場合があります。有料部分の「買うならどのくらい?」は、過去の業績データや市場評価の傾向を基に理論株価や目安を提示したもので、これらは一般的な投資手法に基づく参考値であり特定の価格や投資行動を推奨するものではありません。また市場環境や業績修正のなどの影響により変動する可能性があります。最終的な投資判断はご自身の責任で慎重に行ってください。投資はリスクを伴いますのでこれらをご理解の上でご利用ください。


Q7 買うならどのくらい?

異例値を除く直近5期の安値PERの平均(10.1倍)〜高値PERの平均(22.2倍)を概ねの評価レンジとすると、

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