【実用的IR分析 #54】 "広済堂ホールディングス(7868)" のIR情報から、「買うならどのくらい?」を時短で読み解く
Q1 どんな会社?
エンディング関連事業を中心に、情報ソリューションや人材サービスを展開。葬祭公益事業は都内23区の火葬件数の約70%を占め、効率性を追求した最新火葬炉を導入。情報ソリューション事業では印刷やBPO、デジタルサービスを手掛け、多様な収益源を持つ。人材サービスは地域密着型で展開し、資産コンサルティング事業も拡大。
Q2 どんな状況?
多死社会の進展により葬祭需要の長期的な増加が見込まれる中、燃料費特別付加火葬料の導入などで課題に対応。一方で、印刷需要の減少が情報事業に影響を与えている。既存火葬場の拡充や新規施設設立、相続相談事業の強化のさらなる強化を図り、中期経営計画では2026年度までに売上高440億円、営業利益94億円が目標。
Q3 業績と予想は?
2024年3月期実績:増収増益
葬祭収益セグメントが新規施設の稼働率向上により大幅な増収を達成し、全体の営業利益が前年同期比で43%以上増加した。情報セグメントでは印刷需要の減少が続くものの、固定費削減により収益性を維持している。
2025年3月期予想:増収増益
式場の増設による稼働率の改善と、相続相談業務を軸とした資産コンサルティング事業の成長が見込まれる。累進配当政策を維持し、配当性向35%を確保する計画で、安定した株主還元にも注力。
Q4 予想の信ぴょう性は?
売上予想の前年実績比+12%は、例年の範囲を上回る積極的な水準。過去5期の達成度は平均98.8%だが、直近では未達成が目立つため、信ぴょう性はやや低いと評価できる。純利益予想の+21%は例年の範囲内で現実的な水準。過去の達成度にはばらつきがあり、特に下振れのリスクが見られるため、信ぴょう性は中程度と判断できる。
Q5 市場の評価は?
EPSが上昇するとPERも上昇する正相関が見られ、市場は成長をやや積極的に評価している。5期前と比較してEPSは大幅に増加し、PERも回復傾向にあり、過小評価の緩和が進んでいる。直近期のPERに割高感はないが、直近5期の高値平均PERに近い水準に位置し、市場の期待が高まりつつあることが示唆される。
Q6 リスクをどう見る?
ここまでの分析からリスクを想定すると、市場評価の変動幅が大きく不安定な点、純利益予想の達成度にばらつきがあり下振れリスクが高い点、印刷需要の減少による情報事業の構造的な課題がリスクとなる。市場評価は改善傾向だが予想の信ぴょう性に不安が残るため、リスクは中程度と想定されるが、業績修正や市場環境の変化には注意が必要。
Q7 買うならどのくらい?
異例値を除く直近5期の安値PERの平均(10.1倍)〜高値PERの平均(22.2倍)を概ねの評価レンジとすると、
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