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【IR分析 #105】 セリア(2782)のIR情報から、「買うならどのくらい?」を考える

「いい銘柄を、安いときに買う」ために、増益傾向など、興味を持つに値する企業をピックアップし、「どんな会社で何がいいのか」と、「買うならどのくらいか」を考えます。

これらは企業が開示するIR情報(※)から読み取れますが、専門的で量も多いので要点だけまとめました。多くの銘柄を時短で知り、ピンとくる銘柄を見つけて、安い時があれば検討することが目的です。

私自身が初期的な分析に使う手法を整理したものですが、効率的に投資候補を見つける一助になれば幸いです。

(※)有価証券報告書 決算短信 決算説明資料
2024.3期 (2023/4/1~2024/3/31)


Q1 どんな会社?

全国で100円ショップを展開。直営・フランチャイズ含め2,000店舗以上を運営し、100円商品特化の低価格戦略で幅広い顧客層に支持されている。POSシステムや発注支援システムの導入を通じた効率化と、生活雑貨やオリジナルデザイン商品に注力した独自のラインナップが特徴。セルフレジ導入や物流最適化で業界内の競争優位を確立。

Q2 どんな状況?

国内100円ショップ市場は競争激化や飽和状態に直面しつつ、未出店地域の開拓やスクラップ&ビルド戦略を展開。店舗収益性や物流効率化を課題とし、原材料コストの上昇に対応した商品仕様の見直しや低コスト商品の開発を推進。セルフレジ導入による効率化と利便性向上も図り、中期計画では売上高営業利益率5%を目指す。


Q3 業績は?

2024年3月期実績:増収減益
売上高は前年同期比で増加したが、光熱費や原材料費の上昇が利益を圧迫し、当期純利益は減少。既存店売上高は下期にプラスに転じたものの、営業利益率は前年より低下。コスト管理と効率化への取り組みが進展したが、外部要因の影響が大きかった。

2025年3月期予想:増収増益
売上増加は、全国的な新規出店の拡大と既存店売上高の増加によるもの。利益の増加は、原価抑制策の効果と店舗運営の効率化によるものと見込まれている。一方で、依然としてコスト高の影響が残る可能性があるため、慎重な収益予想を立てている。


Q4 予想の信ぴょう性は?

売上予想の前年実績比:+4%
過去5期の予想範囲(+4%~+7%)内であり、保守的な水準といえる。過去5期の達成度の平均値は100.6%で、信ぴょう性は高いと評価できる。一方、上振れと下振れが発生しており、全体的に予想は現実的で慎重な傾向があると考えられる。

純利益予想の前年実績比:+1%
過去5期の予想範囲(+2%~▲17%)の下限を下回り、非常に保守的な水準といえる。達成度の平均値は106.0%で、信ぴょう性は高いと評価できる。過去には大きな上振れ(130%)が見られ、予想が控えめで慎重な傾向にあると考えられる。


Q5 市場の評価は?

EPSが下落しているにもかかわらずPERが上昇する逆相関が見られることから、市場は利益減少より成長期待を評価していると考えられる。また、5期前と比較してEPSは減少している一方、PERは上昇しており、市場が利益成長をやや過大に評価している可能性が考えられる。

直近期末のPERに明確な割安感はないが、過去5期の高値PER平均に近い水準で推移しており、市場の成長期待が高まっている兆しが見られる。


Q6 リスクをどう見る?

利益予想は慎重で安定した達成度があり、上振れの可能性が期待される。PERの高水準は市場の成長期待の高さを示し、ポジティブな評価が続いている。

一方で、EPS減少中のPER上昇は市場評価と実際の成長にギャップがあり、過大評価のリスクが懸念される。さらに、高い成長期待に依存する状況は、期待が崩れた場合に評価が急落するリスクを伴う。


最後に「買うならどのくらい?」を以下の観点から検討します。

過去の市場評価から、相対的に低い水準を「概ね安い水準」として算出し、さらに水準を絞るために、リスク許容度に応じた3つのシナリオを提示します。これにより現在の株価位置を把握し、安いと考える水準に達した際に投資を検討する準備ができます。

この先は有料ですが、全銘柄が読み放題のメンバーシップは初月無料ですので、ぜひご覧ください。

本記事は開示情報等を基にした客観的な分析を提供するもので特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また期中の業績修正等は反映しておらずリアルタイムの情報ではありません。記載の数値や分析結果は参考情報であり将来の価格や投資成果を保証するものではありません。内容には十分注意を払っていますが誤りが含まれる可能性があります。また情報は予告なく変更・修正される場合があります。有料部分の「買うならどのくらい?」は、過去の業績データや市場評価の傾向を基に理論株価や目安を提示したもので、これらは一般的な投資手法に基づく参考値であり特定の価格や投資行動を推奨するものではありません。また市場環境や業績修正のなどの影響により変動する可能性があります。最終的な投資判断はご自身の責任で慎重に行ってください。投資はリスクを伴いますのでこれらをご理解の上でご利用ください。


Q7 買うならどのくらい?

過去の市場評価の範囲を基に、相対的に低い水準を特定すると、投資を検討する際の有用な目安となる。同社の場合、直近5期の安値PERの平均〜高値PERの平均を概ねの評価レンジとすると、

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