
【実用的IR分析 #40】 "JMホールディングス(3539)" のIR情報から、「買うならどのくらい?」を時短で読み解く
この記事は「利益、市場評価ともに安定の中小型銘柄」のIR情報(※)を時短で読み解き、効率的に投資候補を見つけることが目的です。私自身が初期的な分析に使う手法を整理したものですが、ご活用いただければ幸いです。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
有価証券報告書、決算短信、決算説明資料
Q1 どんな会社?
関東圏を中心に精肉を核としたスーパーマーケット事業を展開し、外食やイベント関連事業も手掛ける。業務用スーパー「肉のハナマサ」や地域密着型「スーパーみらべる」が売上を支える。強みは「単品大量販売」とジャンボパックによる競争力ある価格戦略。自社物流センターで安定供給体制を構築し、PB商品や直輸入品で差別化を図っている。
Q2 どんな状況?
物価高や物流費・人件費の上昇が収益を圧迫する中、来店客数は回復傾向。消費者の節約志向が続く中、安価で高品質な商品の提供が不可欠。物流効率化や再生可能エネルギー導入を進める一方、中期経営計画で「スーパーマーケット事業の拡大」「売上高経常利益率4%以上の確保」を掲げ新規出店やM&Aを計画。

Q3 業績と見通しは?
2024年7月期実績:増収増益
過去最高の売上高を達成。スーパーマーケット事業では、既存店売上高が順調に推移し、新規出店やスーパーみらべるのグループ化が売上拡大に寄与した。また、外食事業も堅調に推移。販売管理費の増加は増収により吸収され、利益率も改善された。
2025年7月期予想:増収増益
業績予想の根拠としては、既存店売上高の前期比100.4%の伸長、新規出店の通期寄与、大阪エリア進出による肉のハナマサの売上拡大が挙げられる。また、コスト管理の徹底やPB商品・直輸入商品の拡大を通じて、利益率の向上を図る方針。

Q4 見通しの信ぴょう性は?
売上予想の前年比+4%は過去5期と比較してやや保守的だが、達成率100%以上の上振れ傾向が続いており信ぴょう性は高い。一方、純利益予想の前年比+13%は過去5期平均を上回り、積極的な水準。達成率も100%以上が続き、上振れ傾向が強いことから確度の高い見通しと評価できる。ただし売上成長の控えめであることや、大幅な増益見通しではないことから、「利益の要素」は中立的な印象を受ける。

Q5 市場の評価は?
EPSが上昇してもPERは低下傾向にあり、市場は利益成長に慎重な姿勢を見せている。成長期待は抑えられており、収益の継続性に疑念が残ると考えられる。 また5期前と比較してEPSは大幅に増加した一方、PERは低下している。利益成長が評価されておらず、市場は過小評価の傾向にあると考えられる。 直近のPER14.1倍に割高感はないが、市場の成長期待は徐々に反映されている可能性がある。「市場評価の要素」に関しては中立的な印象を受ける。

この先は有料となりますが、「買うならどのくらいか?」を検討するために、以下の内容をご覧いただけます。
過去の市場評価から、相対的に低い水準を「概ね安い水準」として算出
水準をさらに絞るために、リスク許容度に応じた3つのシナリオを提示
どの程度リスクを許容するかの参考として、株価を決める利益(EPS)と市場評価(PER)の分析を整理
これにより、現在の株価の位置を把握し、安いと考える水準に達した際に投資を検討する準備ができます。すべての銘柄が読み放題のメンバーシップは初月無料ですので、ぜひご覧ください。
ご注意・免責事項
Q6 買うならどのくらい?
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