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【IR分析 #149】 東海旅客鉄道(9022)(9022)のIR情報から、「買うならどのくらい?」を考える

株式投資を考えたときに、銘柄選びと投資タイミングで迷う方は多いと思います。

そこで、「いい銘柄を、安いときに買う」ために、増益傾向などの「いい銘柄」をピックアップし、「どんな会社で何がいいのか」を整理しました。
また、過去の市場評価より低い水準を「安いとき」として「買うならどのくらいか」を見ていきます。

企業が投資家向けに開示する信頼性の高い情報(IR情報※)を基にしていますが、専門的で量も多いので要点だけをまとめました。
客観的な基準で選定した「いい銘柄」の、まず知っておくべきことだけが、2分ほどで読めるので、投資候補探しの時間と労力を大幅に軽減できます。

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(※)有価証券報告書 決算短信 決算説明資料
2024.3期 (2023/4/1~2024/3/31)


Q1 どんな会社?

東京・名古屋・大阪を結ぶ東海道新幹線を運行し、高速輸送を担う鉄道会社。昭和62年に旧国鉄の分割民営化により設立され、平成3年に「のぞみ」を導入し、輸送時間短縮と競争力向上を実現した。鉄道運輸事業が売上の81.3%を占め、流通・不動産・ホテル事業も展開する。新型車両N700Sの導入やEX予約の拡充で利便性を向上。リニア中央新幹線の建設を進め、輸送能力強化と将来需要の拡大を図る。


Q2 どんな状況?

ビジネス・観光需要が増加し、特に訪日外国人の利用が回復している。これに伴い、外国人向けのプロモーションやサービスの強化が求められる。一方で、原材料費や人件費の上昇、燃料費や電力費の高騰が続き、運行コスト管理が重要課題となっている。航空業界や他鉄道会社との競争が激化する中、利便性・快適性を向上させる施策が必要。安全輸送の確保と収益拡大を軸に、リニア新幹線建設やEX予約拡充を進める。


Q3 業績は?

2024年3月期実績:増収増益
東海道新幹線の旅客需要が回復し、流通・不動産事業も堅調に推移した。燃料費や電力費の上昇があったものの、収益の伸びがそれを上回り、安定した増収増益を達成した。中央新幹線の建設による投資負担は続いているが、安定的なキャッシュ・フローの確保により財務基盤の維持を図っている。

2025年3月期予想:増収減益
東海道新幹線の旅客需要は堅調に推移し、訪日外国人の増加を見込んでインバウンド施策を強化する。EX予約の拡充や価格戦略の最適化で収益基盤を安定化させる。一方、燃料費や人件費の上昇、リニア中央新幹線の建設投資が利益を圧迫。コスト増加の影響により売上は増加するが、純利益は減少する見通しとなっている。


Q4 予想の信ぴょう性は?

売上予想の前年実績比:+2%
異例値を除く過去5期の予想範囲(+1%~+42%)の下限に位置し、保守的な水準といえる。過去5期の達成度の平均は96.6%であり、おおむね安定しているため、信ぴょう性は高いと評価できる。一方、直近2期で達成度が100%を超えており、上振れ傾向が見られることから、会社予想は控えめな傾向があると考えられる。

純利益予想の前年実績比:▲1%
異例値を除く過去5期の予想範囲(▲5%~+14%)内であり、現実的な水準といえる。過去5期の達成度の平均は89.4%で、変動が大きく未達成の年度もあるが、直近2期は達成度が100%を超えていることから、信ぴょう性は高いと評価できる。過去の傾向から上振れしやすい傾向があり、会社予想は控えめな傾向があると考えられる。


Q5 市場の評価は?

EPSとPERの相関性
EPSとPERの間に明確な相関性は見られない。2023.3期ではEPSの回復とともにPERが上昇したが、2024.3期ではEPSが高水準を維持しているにもかかわらずPERは低下している。このことから、市場は利益成長を慎重に評価していると考えられる。また、5期前と比較してEPSはほぼ同水準であるが、PERは依然低水準にあり、市場が利益成長を過小評価している可能性がある。

直近の市場評価の傾向
直近期末のPERは割安感が強い水準にある。また、過去5期の安値PERと高値PERの範囲内にあり、市場の成長期待が高まっている兆しは見られない。


Q6 リスクをどう見る?

プラスの要素
利益予想は保守的であり、過去の実績から上振れの可能性が期待できる。さらに、純利益の達成度が直近2期で高く、市場の過小評価により割安な投資機会となる可能性がある。

マイナスの要素
一方、市場の成長期待は慎重で、EPSが回復してもPERの上昇が限定的となるリスクがある。また、評価の変化が乏しく、株価の上昇余地が短期的には限られる可能性がある。


この続きでは、過去の市場評価をもとに算出した「割安水準の目安」がご覧いただけます。ここまでの分析を踏まえ、この目安を知ることで、投資候補に入れるべきかの判断がしやすくなります。

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本記事は開示情報等を基にした客観的な分析を提供するもので特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また期中の業績修正等は反映しておらずリアルタイムの情報ではありません。記載の数値や分析結果は参考情報であり将来の価格や投資成果を保証するものではありません。内容には十分注意を払っていますが誤りが含まれる可能性があります。また情報は予告なく変更・修正される場合があります。有料部分の「買うならどのくらい?」は、過去の業績データや市場評価の傾向を基に理論株価や目安を提示したもので、これらは一般的な投資手法に基づく参考値であり特定の価格や投資行動を推奨するものではありません。また市場環境や業績修正のなどの影響により変動する可能性があります。最終的な投資判断はご自身の責任で慎重に行ってください。投資はリスクを伴いますのでこれらをご理解の上でご利用ください。


Q7 買うならどのくらい?

過去の市場評価の範囲を基に、相対的に低い水準を特定することで、投資を検討する際の有用な目安が得られる。具体的には、直近5期の安値PERの平均から高値PERの平均をこの企業の概ねの評価レンジとし、その中間以下を「概ね安い水準」とみなすと以下のようになる。

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