【実用的IR分析 #62】 "アリアケジャパン(2815)" のIR情報から、「買うならどのくらい?」を時短で読み解く
Q1 どんな会社?
天然素材を使った調味料を製造・販売する国内最大手。主力製品のフォンやブイヨンは国内シェア約6割を誇り、ラーメンスープでもトップシェアを維持。売上は国内市場が75%、アジアが16%を占め。九州第2工場では無人化・自動化を実現し、大量生産と安定供給が可能。プロの料理人と同等の味を再現する技術力も強み。
Q2 どんな状況?
国内市場の成熟化に対し、アジアや欧州の新興市場での需要拡大に注力している。健康志向や環境規制が業界の変革を促している。原材料費高騰や為替リスクが課題。中期計画では総合調味料メーカーへの進化を目指し、国内外で製品ライン拡充や拠点強化を進め、研究開発や技術革新にも積極投資。2030年度に連結売上高1,000億円を目指す。
Q3 業績と予想は?
2024年3月期実績:増収増益
連結売上高、当期純利益で過去最高を記録。国内外での需要拡大や外食需要回復、値上げ効果が売上増加に寄与。海外子会社の売上も好調で、中国や台湾で特に成長した。為替差益も利益増加を下支え。
2025年3月期予想:増収増益
外食需要の持続的回復や海外市場での販売拡大、新製品のリニューアル効果が利益改善に貢献する見込み。コスト上昇への懸念はあるが、価格改定や効率化の推進により、安定成長を目指している。
Q4 予想の信ぴょう性は?
売上予想の前年実績比+5%は、直近5期の変動範囲内に収まり、例年と比較して現実的な水準。過去5期の達成率は94%~101%で安定しており、信ぴょう性は高いと評価できる。純利益予想の+6%も過去の変動範囲内で堅実な水準。達成率には78%から107%までのばらつきがあるが、直近は上振れ傾向があり、控えめながら信ぴょう性は高いと判断できる。
Q5 市場の評価は?
EPSが下落した場合にPERが上昇する傾向があり、市場は短期的な業績変動にも成長期待を反映する慎重な姿勢が見られる。5期前と比較するとEPSもPERも低下しており、利益成長に対する市場評価はほぼ一致している。直近期のPERは割安ではないが、直近5期の高値・安値PERの範囲内に収まり、市場評価は安定的で期待の高まりは見られない。
Q6 リスクをどう見る?
ここまでの分析からリスクを想定すると、利益成長が市場評価に反映されにくく、成長期待が抑制される可能性が考えられる。ただし、売上や純利益の予想達成率が安定して高い点は評価でき、総合的に見て投資対象としてのリスクは中程度な印象を受ける。ただし業績修正や市場環境の変化には注意が必要。
Q7 買うならどのくらい?
異例値を除く直近5期の安値PERの平均(21.4倍)~高値PERの平均(30.6倍)を概ねの評価レンジとすると、
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