【実用的IR分析 #46】 "クスリのアオキホールディングス(3549)" のIR情報から、「買うならどのくらい?」を時短で読み解く
Q1 どんな会社?
地域密着型の「かかりつけ薬局」を目指し、石川県を中心にドラッグストアと調剤薬局を展開。「フード&ドラッグ」の形態で食品48.4%が主軸。北信越を拠点とするドミナント戦略で高いシェアを持ち全国展開を推進。医薬品から日用品、食品までワンストップで買える利便性を強みとし、生鮮食品の取り扱い強化で差別化を図る。
Q2 どんな状況?
少子高齢化や医療費抑制政策でセルフメディケーションの需要が拡大するが、異業種の参入や業界再編により競争が激化。調剤薬局併設店舗の拡大や効率的な運営で対応。2026年5月期までに売上高5,000億円を目指す中期経営計画を掲げ、食品部門の強化や既存店改装、地域密度を高める新規出店を計画。
Q3 業績と予想は?
2024年5月期実績:増収増益
調剤併設店舗の増加と食品スーパー事業の展開が寄与。調剤部門の売上成長に伴い全体収益が底上げ。効率的な店舗運営とコスト管理により収益性が向上。一方、株式報酬費用が利益迫要因。
2025年5月期予想:増収増益
「フード&ドラッグ」の利便性向上とともに、ローコストオペレーションの推進で利益率を改善。新規出店70店舗、調剤薬局70薬局を予定。全店舗で青果・精肉・惣菜の取り扱いを完了させる計画。
Q4 予想の信ぴょう性は?
売上予想の前年実績比+11%は、例年と比較してやや積極的な水準。直近5期の達成率は高く上振れの傾向。会社予想は控えめな傾向があり、信ぴょう性は高いと評価できる。純利益予想の前年比+47%は、例年より非常に積極的な水準。一方で、過去5期の達成率にはばらつきがあり、下振れする年も見られ、信ぴょう性は高いとは言えない。
Q5 市場の評価は?
EPSが上昇するとPERも上昇し、逆にEPSが下落するとPERが低下する相関性が見られる。市場は利益成長に対し敏感な傾向。 5期前と比較してEPSは変化が小さいがPERは上昇。利益成長以上に市場評価が先行しており、やや過大評価の傾向。 直近のPERに割安感はなく、高値PERの平均付近に位置するため、市場の期待はやや高まっていると考えられる。
Q6 リスクをどう見る?
株価を決める「利益(EPS)×市場評価(PER)」の観点からリスクを想定すると、安定的な売上成長と積極的な市場評価を背景に投資対象としての魅力がある一方で、純利益予想の信ぴょう性や市場期待の先行によるリスクには留意が必要で、全体としては中立的な印象を受ける。ただし業績修正や市場環境の変化などには注意を要する。
Q7 買うならどのくらい?
直近5期の安値PERの平均(16.6倍)から高値PERの平均(25.6倍)を概ねの評価レンジとすると、
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