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【IR分析 #4】買うならどのくらい?を読み解く "帝国繊維"(3302) 2023.12期
はじめに
有価証券報告書や決算説明資料など、IR情報を読み解くことが、投資成功への近道だと考えています。重要なポイントはほぼ網羅されているからです。ただ専門的で難解で情報量も多いので、要点だけ簡潔にまとめました。
「いい銘柄を、安いときに買う」ために、増益予想などの銘柄に絞って、投資水準を探ります。株価は「利益(EPS)×市場評価(PER)」で決まるため、それぞれの要素を読み解きます。
多くの銘柄についてざっと読んで、ピンとくる銘柄を効率よく見つけてください。
帝国繊維(3302)
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「増益予想」であることを根拠に、この企業をざっくり「いい銘柄」として取り上げ、投資水準を探っていきます。この情報は以下のIR情報を基にしています。
2023.12期 2023/1/1~2023/12/31
・有価証券報告書 決算短信 決算説明資料
Q1 どんな会社?
【概要】防災事業、繊維事業、不動産賃貸事業を展開。1907年に設立され、繊維事業からスタートし、防災事業に特化したリーディングカンパニーとして成長。消防ホースや防災車両などを提供し、官需・民需の両方を支える。1995年の阪神・淡路大震災を契機に防災事業へ転換。
【特徴】災害増加や技術革新に対応し、防災業界で確固たる地位。送排水ビジネスや防災特殊車両、セキュリティ事業の拡張で収益基盤を強化。
Q2 どんな状況?
【経営環境】災害の多発と防災意識の高まりで国内需要が増加。自治体や官公庁だけでなく、民間企業にも自主防災の必要性が拡大。インフラ老朽化対応が課題。
【取組】防災特殊車両や救助機材の開発を推進し、シェア拡大を目指す。下野・鹿沼工場の機能強化により生産性と品質を向上。中期経営計画で送排水やセキュリティビジネスを拡充し収益基盤を多角化。目標は連結営業利益50億円以上、配当性向40%程度。
Q3 業績は?
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2023年12月期実績:減収減益
大口高収益案件の減少や円安、原材料費高騰、設備投資の償却費増加が減益要因。防災部門は減収減益だが、空港化学消防車の受注残が過去最高水準で成長見通しがある。繊維部門は官公庁向け受注増で安定成長が期待される。
2024年12月期予想:増収増益
新規顧客の開拓や市場シェア拡大を通じて収益力の向上が見込まれている。特に、高収益案件の売上増加や前期に実施した価格改定が業績に寄与すると考えられ、持続的な成長の基盤を強化する見通し。
Q4 会社はどう見てる?
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【予想の積極性】今期の売上予想は、直近5期の予想範囲を大きく上回り積極的な水準。純利益予想も例年の予想を上回る成長を見込んでおり、会社の利益見通しには積極性が見られる。
【予想の信ぴょう性】売上の達成度は例年安定して高く、純利益の達成度も概ね高い傾向にあるため、予想の信ぴょう性は高いと考えられる。
【予想の傾向】会社は控えめな予想を出す傾向にあり、純利益は実際には上振れすることが多い。
Q5 市場はどう見てる?
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【利益と評価の相関性】期末EPSが変動してもPERに明確な反応が見られないため、EPSとPERには明確な相関性はない。市場は成長に対して慎重に評価している。
【評価のギャップ】5期前と比較してEPSは減少傾向にある一方、PERはやや高い水準で推移しているため、市場は利益減少にも関わらず高い評価を保っている過大評価の傾向が見られる。
【直近の水準】直近期のPER水準はやや割高感があるが、直近5期の平均PERを超えているため、市場の期待が以前よりも高まっている可能性がある。
最後に「買うならどのくらいか」を、ここまでの分析を基に想定します。多くの銘柄を同じ形式で見ていきますので、初期的な分析や投資候補探しに役立ちます。
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Q6 買うならどのくらい?
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