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【IR分析 #22】買うならどのくらい?を読み解く "文化シヤッター"(5930) 2024.3期

【この記事の要約】

シャッターやドア、エクステリアなどの建材を提供する総合建材メーカー。特に物流倉庫や商業施設向け製品で高いシェアを誇る。
2024年3月期は物流倉庫向け製品の需要が好調で増収増益。2025年3月期も堅調な非住宅投資を背景に増収増益を見込む。

利益見通しは慎重で、予想の信ぴょう性やや低い。市場評価は過小評価気味で、成長期待も控えめ。
例年の市場評価を基に●円〜●円を「概ね安い水準」とし、利益見通しと市場評価の傾向からさらに絞ると●円以下が検討の目安となり得る。

本文では専門的で量も多いIR情報から、この流れで簡潔にまとめています。

「いい銘柄を、安いときに買う」ために、増益などの銘柄に絞り、株価を決める「利益(EPS)×市場評価(PER)」を読み解く実用的な内容です。

まずはざっと読んで、ピンとくる銘柄を効率よく見つけてください。

2024.3期 2023/4/1~2024/3/31
・有価証券報告書 決算短信 決算説明資料

期中の業績修正等は反映されておらずリアルタイムの情報ではありません。あくまで客観的な参考情報で、投資判断や銘柄推奨ではありません。投資は自己責任で行ってください。内容には注意を払っていますが、誤りが含まれる可能性があります。また予告なく変更・修正されることがあります。




Q1 どんな会社?


2024.3期末現在 ※は作成時点

【概要】シャッターやドア、パーティション、エクステリア製品など、多岐にわたる建材を提供する総合建材メーカー。シャッター関連製品事業と建材関連製品事業が主力であり、特に物流倉庫や商業施設向けの製品が堅調に推移している。シャッター関連製品事業が全体の主要部分を占める。

【特徴】強みは、「技術の文化」を象徴する独創的な発想と開発力にある。施工力を持ち味としており、一連のバリューチェーンを支える技術力を活かして建物空間に最善の価値を提供し続けている。重量シャッター、軽量シャッター、窓シャッターなどの分野において高い市場占有率を誇る。


Q2 どんな状況?


【環境】ウクライナ問題の長期化や中東情勢の不安定化、建設コストの高騰など、依然として不透明な状況が続いている。同社が直面している課題としては、建設コストの高騰や労働力不足が挙げられる。これらの課題に対応するため、防災・減災や環境対応製品の販売強化、業務プロセスの見える化と効率化を進める。

【取組】2024年度から新たな中期経営計画を開始し、防災対応や効率化に向けた施策を推進している。具体的な数値目標としては、2026年度に売上高250,000百万円、営業利益18,800百万円、営業利益率7.5%の達成を目指している。


Q3 業績は?


(単位:億円) 有価証券報告書、決算短信等から作成

2024年3月期実績:増収増益
経営成績の要因として、物流倉庫向けの重量シャッターの需要が好調であったこと、新規連結子会社の増加が増収に寄与したことが挙げられる。

2025年3月期予想:増収増益
個人消費や設備投資が堅調に推移し、景気は緩やかな回復が続く見込みである。非住宅投資が引き続き堅調に推移すると予測されており、同社は防災対応や効率化に向けた取り組みを進めることで、既存市場でのシェア拡大や新規顧客の獲得を目指している。


Q4 会社はどう見てる?


予想は期初予想の前年実績比 達成度は期初予想の達成率
決算短信等から作成

【予想の積極性】売上予想は+4%と例年より控えめな水準。利益予想は+19%から-17%と年ごとの変動が大きく、今期の+8%は現実的な範囲に抑えられている。売上・利益ともに例年より慎重な姿勢と言える。

【予想の信ぴょう性】売上予想の達成度は常に100%を超えており、実績から高い信ぴょう性がうかがえる。一方、利益予想は達成度が88%から153%とばらつきがあり、信ぴょう性はやや低い

【予想の傾向】売上予想は毎年ほぼ達成、時には上振れる傾向が見られる。利益予想については、期初からの変動が激しく、特に達成度が年により大きく異なる。明確な上振れ傾向は見られない


Q5 市場はどう見てる?


高値・安値のPERは、各期の高値・安値÷EPSで計算
有価証券報告書等から作成

【評価の傾向】EPSが上昇した年にPERも上昇する傾向は見られるものの、強い相関は認められない。市場の成長期待が一定の範囲で反映されており、一貫性には欠けるため、成長期待は保守的と評価できる。

【評価のギャップ】5期前に比べ、EPSとPERは共に上昇しており、利益成長に対する市場評価は概ね適切。しかし、PERの上昇幅が控えめなため、利益成長に対してやや過小評価の傾向がある可能性がある。

【直近の評価】直近期のPERは11.1で割高感はない。過去5期のPERの範囲に収まり、成長に対する市場評価は高まってはいない。


最後に「買うならどのくらいか」を、ここまでの分析を基に想定します。多くの銘柄を同じ形式で見ていきますので、初期的な分析や投資候補探しに役立ちます。

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Q6 買うならどのくらい?


有価証券報告書、決算短信等から作成

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