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【IR分析 #153】 アニコム ホールディングス(8715)のIR情報から、「買うならどのくらい?」を考える

株式投資を考えたときに、銘柄選びと投資タイミングで迷う方は多いと思います。

そこで、「いい銘柄を、安いときに買う」ために、増益傾向などの「いい銘柄」をピックアップし、「どんな会社で何がいいのか」を整理しました。
また、過去の市場評価より低い水準を「安いとき」として「買うならどのくらいか」を見ていきます。

企業が投資家向けに開示する信頼性の高い情報(IR情報※)を基にしていますが、専門的で量も多いので要点だけをまとめました。
客観的な基準で選定した「いい銘柄」の、まず知っておくべきことだけが、2分ほどで読めるので、投資候補探しの時間と労力を大幅に軽減できます。

ほぼ無料ですが、最後の有料部分で「買うならどのくらいか」をご確認いただけます。読み放題のメンバーシップは初月無料ですので、ご登録の上、効率的な投資候補探しをご体感ください。

(※)有価証券報告書 決算短信 決算説明資料
2024.3期 (2023/4/1~2024/3/31)


Q1 どんな会社?

ペット保険を中心に健康管理や医療支援を展開する業界トップ企業。窓口精算システムの導入で利便性を向上させ、遺伝子検査や腸内フローラ測定などのヘルスケア事業も拡大。保険事業が主力で、資産運用や動物関連サービスも手掛ける。獣医師資格を持つ社員が在籍し、健康データの活用でサービスを強化。販売チャネルの多様化や保険代理店との提携を進め、契約件数の増加と市場シェアの拡大を図っている。


Q2 どんな状況?

ペット業界は、飼育数1,600万頭超と高齢化の進行により健康管理への関心が高まり、ペット保険の需要も拡大している。一方、新規参入の増加で競争が激化し、差別化が必要となっている。物価上昇によりコストパフォーマンスの高い保険商品の提供が求められ、新ソルベンシー規制対応も課題。健康データを活用し、遺伝子解析や腸内フローラ測定を拡大。業界発展に貢献するビジネスモデルを推進し、ROE10%を目標とする。


Q3 業績は?

2024年3月期実績:増収増益
経営成績の向上には、契約獲得の増加が大きく寄与した。ペット保険の需要が高まる中で、販売チャネルの拡大やデジタル化の推進により、新規契約の獲得と既存契約の継続率の向上を実現した。また、業務の効率化により、コスト削減を進めたことも利益の拡大につながった。

2025年3月期予想:増益
引き続きペット保険市場の成長が見込まれる。契約件数の増加を継続させるとともに、新規チャネルの拡充によりさらなる市場シェア拡大を狙う。さらに、データ活用を進めることで、健康管理関連の新規事業の収益化を加速する方針である。損害率の安定化にも取り組み、保険引受の精度向上と予防医療分野の拡大を進めることで、収益基盤を強化する。


Q4 予想の信ぴょう性は?

売上予想は開示されていない。

純利益予想の前年実績比:+14%
異例値を除く過去5期の予想範囲(+9%~+17%)内であり、現実的な水準といえる。過去5期の達成度の平均は92.8%で、直近2年は100%を超えており、信ぴょう性は高いと評価できる。一方、過去の達成度は概ね高水準で推移しており、会社予想は控えめな傾向があると考えられる。


Q5 市場の評価は?

EPSとPERの相関性
EPSが上昇するとPERが低下する逆相関が見られることから、市場は利益成長を慎重に評価していると考えられる。特に、2020年3月期のPERが極端に高かったため、その後の市場評価が修正され、成長に対する期待が抑制された可能性がある。また、5期前と比較してEPSは大幅に増加したがPERは低下しており、市場が利益成長を過小評価している可能性が考えられる。

直近の市場評価の傾向
直近期末のPERは割安感が強い水準にある。さらに、過去5期の安値PERと高値PERの範囲内で推移しており、市場の成長期待が高まっている兆しは見られない。過去の高値PERが徐々に低下していることから、市場の評価レンジが収束しつつあり、大きな変化はないと考えられる。


Q6 リスクをどう見る?

プラスの要素
利益予想は慎重な水準であり、過去の実績から上振れの可能性が高いと考えられる。また、PERが割安であることから、利益成長に対する市場の評価修正の余地がある点も期待材料となる。

マイナスの要素
一方で、市場の成長期待は抑制的であり、利益成長が株価に十分反映されにくい傾向が続いている。さらに、PERの推移は安定しており、評価の大幅な上昇を見込むには慎重な見極めが必要である。


この続きでは、過去の市場評価をもとに算出した「割安水準の目安」がご覧いただけます。ここまでの分析を踏まえ、この目安を知ることで、投資候補に入れるべきかの判断がしやすくなります。

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本記事は開示情報等を基にした客観的な分析を提供するもので特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また期中の業績修正等は反映しておらずリアルタイムの情報ではありません。記載の数値や分析結果は参考情報であり将来の価格や投資成果を保証するものではありません。内容には十分注意を払っていますが誤りが含まれる可能性があります。また情報は予告なく変更・修正される場合があります。有料部分の「買うならどのくらい?」は、過去の業績データや市場評価の傾向を基に理論株価や目安を提示したもので、これらは一般的な投資手法に基づく参考値であり特定の価格や投資行動を推奨するものではありません。また市場環境や業績修正のなどの影響により変動する可能性があります。最終的な投資判断はご自身の責任で慎重に行ってください。投資はリスクを伴いますのでこれらをご理解の上でご利用ください。


Q7 買うならどのくらい?

過去の市場評価の範囲を基に、相対的に低い水準を特定することで、投資を検討する際の有用な目安が得られる。具体的には、直近5期の安値PERの平均から高値PERの平均をこの企業の概ねの評価レンジとし、その中間以下を「概ね安い水準」とみなすと以下のようになる。

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