
【実用的IR分析 #41】 "じげん(3679)" のIR情報から、「買うならどのくらい?」を時短で読み解く
この記事は「増益傾向の中小型銘柄」のIR情報(※)を時短で読み解き、効率的に投資候補を見つけることが目的です。私自身が初期的な分析に使う手法を整理したものですが、ご活用いただければ幸いです。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
有価証券報告書、決算短信、決算説明資料
Q1 どんな会社?
ライフメディアプラットフォーム事業を中心に求人、不動産、旅行、リフォームなど生活密着型サービスを展開。独自のマッチングテクノロジーと蓄積データを活用し高い競争力を有する。M&Aを通じ事業拡大とシナジー創出を実現し、法人顧客数と単価増加で安定成長。データドリブン経営と高精度なマッチングが強みで差別化を図る。
Q2 どんな状況?
インターネット広告や求人の需要が堅調な一方、リフォームや引っ越し市場は低迷しているが、エネルギーや不動産取引市場で成長のチャンスを見つけている。課題は収益拡大や人材確保だが、中期計画で2026年3月期に売上350億円、利益100億円を目指している。主力事業「Z CORE」の創出やM&Aを活用し、成長を進める方針。

Q3 業績と見通しは?
2024年3月期実績:増収増益
売上収益、当期純利益ともに過去最高を記録。経営成績の要因は、Vertical HRのタイズやリジョブが安定的に成長したことに加え、Life Service分野では旅行需要の回復が寄与した。広告宣伝費の効率化や生産性の向上も利益率改善に貢献した。
2025年3月期予想:増収増益
成長の根拠は、Vertical HR分野における採用需要の継続と、PMIの進展による収益基盤の強化が挙げられる。Life Service分野では旅行市場の回復が続き、Living Tech分野では不動産売買や電力切替など新規事業の成長を見込んでいる。

Q4 見通しの信ぴょう性は?
売上予想の前年比+18%は過去5期と比べて控えめだが、直近2年は100%以上の達成率で信ぴょう性が高く、慎重ながら成長期待を維持している。純利益予想の+13%も例年より保守的だが、過去2年は上振れ傾向が続き、特に2023年3月期は111%と大幅達成。会社予想は控えめだが信ぴょう性は高く、外部環境やコストを考慮した慎重な姿勢が見られる。「利益の要素」は中立的な印象を受ける。

Q5 市場の評価は?
EPSが上昇してもPERは大きく変動せず、市場は成長を慎重に評価していると考えられる。 5期前と比較してEPSは52%増加したが、PERの上昇は限定的。利益成長に対して市場評価は追随しておらず、やや過小評価の傾向が見られる。 直近期のPERは17.0倍で割高感はないが、大きな期待の高まりは見られない。「市場評価の要素」に関しては中立的な印象を受ける。

この先は有料となりますが、「買うならどのくらいか?」を検討するために、以下の内容をご覧いただけます。
過去の市場評価から、相対的に低い水準を「概ね安い水準」として算出
水準をさらに絞るために、リスク許容度に応じた3つのシナリオを提示
どの程度リスクを許容するかの参考として、株価を決める利益(EPS)と市場評価(PER)の分析を整理
これにより、現在の株価の位置を把握し、安いと考える水準に達した際に投資を検討する準備ができます。すべての銘柄が読み放題のメンバーシップは初月無料ですので、ぜひご覧ください。
ご注意・免責事項
Q6 買うならどのくらい?
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