見出し画像

【IR分析 #107】 SGホールディングス(9143)のIR情報から、「買うならどのくらい?」を考える

本記事は、株式投資で最も大切な「いい銘柄を、安いときに買う」ことを目的としたものです。

増益傾向など、興味を持つに値する企業を「いい銘柄」として取り上げて、その企業が投資家向けに開示している情報(※IR情報)から、
・「どんな会社で何がいいのか」
・「期待は持てそうか」
・「買うならどのくらいか」(有料)
を読み取って、要点だけを簡潔にまとめています。

無料部分だけでも、知っておくべきべきことが時短で把握でき、投資候補探しに役立ちます。
さらに有料部分では、過去の市場評価を基に割安と判断できる目安がわかるので、「安いときに買う」準備ができます。

また、読み放題のメンバーシップ(初月無料)を、1日あたり約20円(※月額590円)の低コストでご用意しています。
全ての記事が同じ形式で比較しやすく、時短で読めるので多くの銘柄をチェックできます。
これにより、銘柄探しの手間や調べる負担を減らし、情報収集にかかる時間を削減できます。

私自身が初期的な分析に使う手法を整理したものですが、効率的に投資候補を見つける一助になれば幸いです。

(※)有価証券報告書 決算短信 決算説明資料
2024.3期 (2023/4/1~2024/3/31)


Q1 どんな会社?

佐川急便を中心に、国内外で物流サービスを展開し、デリバリー事業が売上の約8割を占める。宅配便ネットワークを基盤に法人向け物流ソリューションを提供し、国際輸送も手がける。広範な物流ネットワークとTMSや3PLなどの付加価値サービスが特徴で、環境対応車両や物流施設の自動化、AI搭載荷積みロボット導入による技術革新に注力。

Q2 どんな状況?

国内では労働人口減少や人件費上昇が課題だが、EC市場拡大により物流需要が増加。海外では地政学リスクやインフレの影響でサプライチェーン再構築が求められる。同社は「2024年問題」への対応として宅配便ネットワーク効率化や脱炭素化、AI・IoT技術活用を推進。中期計画で物流ソリューション高度化や国際事業強化を図る。


Q3 業績は?

2024年3月期実績:減収減益
経営成績の要因として、宅配便の取扱個数減少や、燃料費と人件費の上昇が挙げられる。一方で、適正運賃収受の取り組みが進み、平均単価は上昇している。ロジスティクス事業では、海上・航空貨物の取扱量減少が影響し、不動産事業では売却規模の変動が収益に影響を与えた。

2025年3月期予想:増収増益
業績予想の根拠として、宅配便の需要回復や適正運賃収受の取り組みの継続がある。また、国際輸送取扱量の増加や、エクスポランカ社の業績改善も見込まれている。さらに、TMSや3PLの成長が収益基盤を強化し、物流ネットワークの効率化がコスト削減につながると期待。


Q4 予想の信ぴょう性は?

売上予想の前年実績比:+5%
過去5期の予想範囲(+1%~+4%)をやや上回る水準であり、積極的と評価できる。過去5期の達成度は平均102.4%で信ぴょう性は高い。ただし、直近2期では未達成の傾向が見られる。過去の達成度では上振れ傾向が強く見られるため、会社予想は概ね楽観的な傾向があると考えられる。

純利益予想の前年実績比:+11%
過去5期の予想範囲(-10%~+3%)を大きく上回る水準であり、非常に積極的といえる。達成度の平均値は123.4%と高いが、直近では達成率が低下しているため、信ぴょう性はやや低いと評価される。過去の達成度では上振れが顕著であり、会社予想は全体的に楽観的な傾向があると判断される。


Q5 市場の評価は?

EPSが上昇するとPERが低下する逆相関が見られることから、市場は利益成長を慎重に評価していると考えられる。5期前と比較すると、EPSは74.5から93.0へ増加し、PERは17.3から20.5へ上昇している。この動きから、市場の利益成長に対する評価に過小評価や過大評価の傾向は見られないと考えられる。

直近期末のPERは20.5で、20倍を基準にするとほぼ適正な水準といえる。また、過去5期の安値PERと高値PERの範囲内に位置しているが、直近期は市場の成長期待がやや高まっているようにも見える。


Q6 リスクをどう見る?

利益予想は積極的で、過去の上振れ傾向から予想を超える成果が期待される。また、PERの水準は市場の成長期待が高まりつつあることを示し、成長の可能性が感じられる。

一方、予想達成度が近年低下しており、達成リスクが懸念される。さらに、市場が利益成長を慎重に評価する傾向があり、期待が株価に反映されにくい点や評価の変動幅が大きい点もリスクとして挙げられる。


最後に「買うならどのくらい?」を以下の観点から検討します。

・過去の市場評価から、相対的に低い水準を「概ね安い水準」として算出し、
・さらに水準を絞るために、リスク許容度に応じた3つのシナリオを提示します。

これにより現在の株価位置を把握し、安いと考える水準に達した際に投資を検討する準備ができます。

この先は有料ですが、全銘柄が読み放題のメンバーシップは初月無料ですので、ぜひご覧ください。

本記事は開示情報等を基にした客観的な分析を提供するもので特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また期中の業績修正等は反映しておらずリアルタイムの情報ではありません。記載の数値や分析結果は参考情報であり将来の価格や投資成果を保証するものではありません。内容には十分注意を払っていますが誤りが含まれる可能性があります。また情報は予告なく変更・修正される場合があります。有料部分の「買うならどのくらい?」は、過去の業績データや市場評価の傾向を基に理論株価や目安を提示したもので、これらは一般的な投資手法に基づく参考値であり特定の価格や投資行動を推奨するものではありません。また市場環境や業績修正のなどの影響により変動する可能性があります。最終的な投資判断はご自身の責任で慎重に行ってください。投資はリスクを伴いますのでこれらをご理解の上でご利用ください。


Q7 買うならどのくらい?

過去の市場評価の範囲を基に、相対的に低い水準を特定すると、投資を検討する際の有用な目安となる。同社の場合、直近5期の安値PERの平均〜高値PERの平均を概ねの評価レンジとすると、

ここから先は

490字 / 1画像
この記事のみ ¥ 200
期間限定!Amazon Payで支払うと抽選で
Amazonギフトカード5,000円分が当たる

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?