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【IR分析 #10】買うならどのくらい?を読み解く "富士紡ホールディングス"(3104) 2024.3期
はじめに
有価証券報告書や決算説明資料など、IR情報を読み解くことが、投資成功への近道だと考えています。重要なポイントはほぼ網羅されているからです。ただ専門的で難解で情報量も多いので、要点だけ簡潔にまとめました。
「いい銘柄を、安いときに買う」ために、増益予想などの銘柄に絞って、投資水準を探ります。株価は「利益(EPS)×市場評価(PER)」で決まるため、それぞれの要素を読み解きます。
多くの銘柄についてざっと読んで、ピンとくる銘柄を効率よく見つけてください。
富士紡ホールディングス(3104)
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「増益予想」であることを根拠に、この企業をざっくり「いい銘柄」として取り上げ、投資水準を探っていきます。この情報は以下のIR情報を基にしています。
2024.3期 2023/4/1~2024/3/31
・有価証券報告書 決算短信 決算説明資料
Q1 どんな会社?
【概要】百年超の歴史を基盤に、IT関連の超精密加工用研磨材や医薬・機能化学製品の受託生産を行う化学工業品事業、生活衣料事業を柱に展開。長期的な成長戦略により、特に研磨材事業や化学品事業で多角的な展開を進め、企業価値向上を図る。国内中心の売上だが、台湾やタイなど海外市場にも展開。
【特徴】高精度な超精密加工技術と幅広い事業ポートフォリオを持つ点が特徴。研磨材事業での半導体需要対応力が強み。
Q2 どんな状況?
【経営環境】エネルギー価格の高騰や物価上昇の影響を受けつつ、国内外の経済不透明感が増す中でも成長を持続。課題は、グローバル競争への対応と生産体制の強化、コスト削減の最適化。
【戦略】中期経営計画「増強21-25」に基づき、収益基盤の強化と事業ポートフォリオの最適化を図る。「圧倒的なニッチナンバーワン企業」を目指し、研磨材事業や化学工業品事業に積極投資。2025年度には売上高600億円、営業利益100億円を目標とする。
Q3 業績は?
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2024年3月期実績:減収減益
研磨材事業は半導体やシリコンウエハー需要の減少で減収減益。化学工業品事業も中国経済停滞や電子材料市況悪化により厳しい状況。生活衣料事業は行動制限解除で店舗販売は改善するも、残暑や暖冬の影響で秋冬商品の売上は伸び悩む。
2025年3月期予想:増収増益
半導体市場の需要回復を背景に、研磨材事業の回復を見込む。化学工業品事業や生活衣料事業は厳しい状況が続くが、医薬中間体や農薬中間体の需要増加、インバウンド需要の拡大が支えとなる見通し。また、医療機器用部品の需要拡大に伴い、生産体制の強化も図る予定。
Q4 会社はどう見てる?
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【予想の積極性】今期の売上予想は直近5期の範囲を上回る積極的な水準。純利益予想も例年より積極性が見られる。
【予想の信ぴょう性】売上予想は概ね安定して達成されているが、純利益の達成度はばらつきがあるため、純利益予想の信ぴょう性はやや低いと考えられる。
【予想の傾向】会社の純利益予想は控えめとは言えず、やや下振れの傾向が見られる。
Q5 市場はどう見てる?
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【利益と評価の相関性】EPSが増加するとPERは低下し、EPSが減少するとPERが上昇する逆相関の傾向が見られる。市場は成長に対して慎重に見ている傾向がある。
【評価のギャップ】5期前と比較すると、EPSはほぼ横ばいまたは減少傾向であるが、PERは大幅に上昇しており、市場には過大評価の傾向が見られる。
【直近の水準】直近期のPERはやや割高感があり、5期平均を超える水準に達しており、市場の期待は高まっている。
最後に「買うならどのくらいか」を、ここまでの分析を基に想定します。多くの銘柄を同じ形式で見ていきますので、初期的な分析や投資候補探しに役立ちます。
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Q6 買うならどのくらい?
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