【実用的IR分析 #38】 "オリエンタルランド(4661)" のIR情報から、「買うならどのくらい?」を時短で読み解く
Q1 どんな会社?
東京ディズニーリゾートを運営し、テーマパーク事業が売上の8割以上。日本の遊園地市場7,300億円のシェア45%。施設拡張やホスピタリティ重視でリピーター率を維持。2024年に「ファンタジースプリングス」開業、2028年度にディズニークルーズ事業を展開予定。ライセンス契約は最長2076年まで延長可能で事業の安定性を支える。
Q2 どんな状況?
訪日外国人の回復や観光需要拡大が収益を押し上げる一方、少子高齢化や労働力不足、設備投資コスト増が課題となっている。中期経営計画では「ゲスト体験価値の向上」と「財務数値の回復」を掲げ、入園者数の上限引き下げや平準化、新アトラクション導入を進める。財務面ではファンタジースプリングスの投資効果も加わり、持続的成長が進んでいる。
Q3 業績と見通しは?
2024年3月期実績:増収増益
東京ディズニーリゾート40周年イベントの開催が入園者数の増加とゲスト1人当たり売上高の伸長に寄与し、収益を大幅に押し上げた。海外ゲストの回復も追い風。パークチケットの変動価格制の導入や新規アトラクション、ショーの展開が収益最大化に貢献した結果として増収増益。
2025年3月期予想:増収増益
「ファンタジースプリングス」の開業が成長をけん引し、入園者数増加とゲスト1人当たり売上高が向上。訪日外国人旅行者数の回復も収益拡大を支える。ホテル事業も宿泊需要回復と新たな取り組みが寄与する。減価償却費や人件費増加のコスト要因はあるものの成長が見込まれる。
Q4 利益予想の信ぴょう性は?
売上予想は前年比+11%と現実的で、過去5期の上振れ傾向から信ぴょう性は高い。純利益予想は+0%と保守的だが、利益達成度は95%~229%と大きくブレる傾向が強い。減価償却費や人件費増加を考慮しつつ慎重に設定された予想と考えられる。売上成長は期待できるが、利益面では変動の余地が大きく、「利益の要素」に関しては保守的な印象を受ける。
Q5 市場の評価は?
EPS上昇時にPERが低下する逆相関が見られる。市場は利益成長を織り込みつつ慎重な評価を示している。5期前と比較してEPSは2倍に増加したが、PERは低下し、利益成長に対する市場評価は縮小している。直近期のPERは66.1倍と割高感が大きいが、例年の安値PER平均に近づいている。市場の期待は低下傾向で「市場評価の要素」に関しては保守的な印象を受ける。
この先は有料ですが、「買うならどのくらい?」を検討するために、以下の内容をご覧いただけます。
過去の市場評価から、相対的に低い水準を「概ね安い水準」として算出
水準をさらに絞るために、リスク選好に応じた3つのシナリオを提示
どの程度リスクを取るかの参考として、株価を決める利益(EPS)と市場評価(PER)の分析を整理
これにより、現在の株価の位置を把握し、安いと考える水準に達した際に投資を検討する準備ができます。すべての銘柄が読み放題のメンバーシップは初月無料ですので、ぜひご覧ください。
Q6 買うならどのくらい?
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