【実用的IR分析 #47】 "日本セラミック(6929)" のIR情報から、「買うならどのくらい?」を時短で読み解く
Q1 どんな会社?
超音波センサや赤外線センサを中心とした電子部品の製造・販売。焦電型赤外線センサで世界No.1のシェア。自動車向けセンサが主力で、全体の売上の大部分を占め、家電向けや省エネ関連分野も重要な柱となる。高精度で耐久性のあるセンサ製品を提供し、省エネや自動車安全分野など持続可能性が求められる領域で競争力を確立。
Q2 どんな状況?
防犯向け・家電向けセンサは在庫調整で減少する一方、自動車生産回復に伴い車載向けセンサの需要は堅調。課題は原材料価格高騰や新製品開発サイクル短縮、為替への対応強化。業界では省エネ分野や電気自動車市場の成長に期待。中期経営計画では自己資本比率60%、経常利益率20%、ROE9%を目標として財務健全性を確保。
Q3 業績と予想は?
2023年12月期実績:増収増益
売上、営業利益、経常利益は過去最高を記録。当期純利益の減益要因は、前年の一時的な特別利益がなくなったため。売上の増加は、自動車生産台数の回復を背景に車載向けセンサの需要が堅調に推移したことが寄与。営業利益については、売上高の増加と円安の影響がプラス要因。
2024年12月期予想:増収増益
自動車安全分野や電気自動車向け製品、省エネ関連分野の需要が引き続き拡大すると予測。また、顧客の在庫調整が一巡することで、防犯向けセンサや家電向けセンサの売上回復も期待。1ドル=145円を想定しており、円安の追い風が業績に寄与すると見込まれている。
Q4 予想の信ぴょう性は?
売上予想の前年実績比+6%は、例年の範囲内に収まり現実的な水準。過去5期の達成率は平均100%付近で安定しており、信ぴょう性が高い。会社予想は現実的な傾向。純利益予想の前年比+6%は、通常範囲の上限に位置し、やや積極的な水準。過去5期の達成率には上振れ傾向が見られ、会社予想は控えめながら信ぴょう性は高いと考えられる。
Q5 市場の評価は?
EPS上昇時にPERが低下し、下落時に上昇する逆相関が見られる。市場は成長期待に慎重な傾向がある。また5期前と比較してEPSは大幅に増加したがPERは低下。利益成長が市場評価に十分反映されておらず、過小評価の傾向がある。直近期のPERは割高感はないが過去5期の高値PERと同水準、市場の期待に大きな変化は見られない。
Q6 リスクをどう見る?
株価を決める「利益(EPS)×市場評価(PER)」の要素からリスクを想定すると、予想は控えめで信ぴょう性が高いが、EPSとPERの逆相関や市場評価のギャップから成長期待は慎重。リスクを抑えた投資対象と考えられるが、成長を重視した積極的な投資には注意が必要。全体として中立的な印象を受ける。ただし業績修正や市場環境の変化などには注意を要する。
Q7 買うならどのくらい?
異例値を除く直近5期の安値PERの平均(17.7倍)〜高値PERの平均(26.1倍)を概ねの評価レンジとすると、
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