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【実用的IR分析 #47】 "日本セラミック(6929)" のIR情報から、「買うならどのくらい?」を時短で読み解く

この記事は、「いい銘柄を、安いときに買う」ために「増益傾向の中小型銘柄」をピックアップし、知っておくべき「どんな会社で何がいいのか」と、最も知りたい「買うならどのくらいか」をまとめたものです。

これらは上場企業が開示するIR情報(※)から読み取れますが、専門的で難解で量も多いので、要点だけを時短で読めるようにしました。ざっと読んで、ピンときた銘柄をストックしておき、安いときがきたら投資を検討することが目的です。私自身が初期的な分析に使う手法を整理したものですが、効率的に投資候補を見つける一助になれば幸いです。

(※)有価証券報告書 決算短信 決算説明資料
2023.12期 (2023/01/01~2023/12/31)


Q1 どんな会社?

超音波センサや赤外線センサを中心とした電子部品の製造・販売。焦電型赤外線センサで世界No.1のシェア。自動車向けセンサが主力で、全体の売上の大部分を占め、家電向けや省エネ関連分野も重要な柱となる。高精度で耐久性のあるセンサ製品を提供し、省エネや自動車安全分野など持続可能性が求められる領域で競争力を確立。

Q2 どんな状況?

防犯向け・家電向けセンサは在庫調整で減少する一方、自動車生産回復に伴い車載向けセンサの需要は堅調。課題は原材料価格高騰や新製品開発サイクル短縮、為替への対応強化。業界では省エネ分野や電気自動車市場の成長に期待。中期経営計画では自己資本比率60%、経常利益率20%、ROE9%を目標として財務健全性を確保。

【図表1】※は作成時点、その他は期末現在。
有価証券報告書等から作成


Q3 業績と予想は?

2023年12月期実績:増収増益
売上、営業利益、経常利益は過去最高を記録。当期純利益の減益要因は、前年の一時的な特別利益がなくなったため。売上の増加は、自動車生産台数の回復を背景に車載向けセンサの需要が堅調に推移したことが寄与。営業利益については、売上高の増加と円安の影響がプラス要因。

2024年12月期予想:増収増益
自動車安全分野や電気自動車向け製品、省エネ関連分野の需要が引き続き拡大すると予測。また、顧客の在庫調整が一巡することで、防犯向けセンサや家電向けセンサの売上回復も期待。1ドル=145円を想定しており、円安の追い風が業績に寄与すると見込まれている。

【図表3】決算短信等から作成 (単位:億円)


Q4 予想の信ぴょう性は?

売上予想の前年実績比+6%は、例年の範囲内に収まり現実的な水準。過去5期の達成率は平均100%付近で安定しており、信ぴょう性が高い。会社予想は現実的な傾向。純利益予想の前年比+6%は、通常範囲の上限に位置し、やや積極的な水準。過去5期の達成率には上振れ傾向が見られ、会社予想は控えめながら信ぴょう性は高いと考えられる。

【図表4】予想は期初予想の前年実績比。
達成度は期初予想の達成率。決算短信等から作成


Q5 市場の評価は?

EPS上昇時にPERが低下し、下落時に上昇する逆相関が見られる。市場は成長期待に慎重な傾向がある。また5期前と比較してEPSは大幅に増加したがPERは低下。利益成長が市場評価に十分反映されておらず、過小評価の傾向がある。直近期のPERは割高感はないが過去5期の高値PERと同水準、市場の期待に大きな変化は見られない。

【図表5】高安値PERは各期の高安値÷各期EPS。
平均は異例値を除く。有価証券報告書等から作成。


Q6 リスクをどう見る?

株価を決める「利益(EPS)×市場評価(PER)」の要素からリスクを想定すると、予想は控えめで信ぴょう性が高いが、EPSとPERの逆相関や市場評価のギャップから成長期待は慎重。リスクを抑えた投資対象と考えられるが、成長を重視した積極的な投資には注意が必要。全体として中立的な印象を受ける。ただし業績修正や市場環境の変化などには注意を要する。


ここからは、「買うならどのくらい?」を以下の観点から検討します。

過去の市場評価の相対的に低い水準を「概ね安い水準」として算出し、さらに水準を絞るために、リスク許容度に応じた3つのシナリオを提示します。これにより現在の株価の位置を把握し、安いと考える水準に達した際に投資を検討する準備ができます。

この先は有料ですが、全銘柄が読み放題のメンバーシップは初月無料ですので、ぜひご覧ください。

本記事は開示情報等を基にした客観的な分析を提供するもので特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また期中の業績修正等は反映しておらずリアルタイムの情報ではありません。記載の数値や分析結果は参考情報であり将来の価格や投資成果を保証するものではありません。内容には十分注意を払っていますが誤りが含まれる可能性があります。また情報は予告なく変更・修正される場合があります。有料部分の「買うならどのくらい?」は、過去の業績データや市場評価の傾向を基に理論株価や目安を提示したもので、これらは一般的な投資手法に基づく参考値であり特定の価格や投資行動を推奨するものではありません。また市場環境や業績修正のなどの影響により変動する可能性があります。最終的な投資判断はご自身の責任で慎重に行ってください。投資はリスクを伴いますのでこれらをご理解の上でご利用ください。


Q7 買うならどのくらい?

異例値を除く直近5期の安値PERの平均(17.7倍)〜高値PERの平均(26.1倍)を概ねの評価レンジとすると、

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