10年に一度! 川崎大師の大開帖奉修(赤札授与)に詣でた話
川崎大師さんでは十年に一度ご本尊である厄除弘法大師大開帳奉修の年に当たるとのことです。期間は令和6年の5月1日から31日までの一か月間、特別な護符である「赤札」が授与されます。
10年後に前回はどんな塩梅だったかなと自分が忘れないため、記事を書いてみます。
なお、参拝方法等はいただいたパンフレットと公式サイト(大本山 川崎大師平間寺)を参考に書かせていただきますが、あくまで個人の感想であることをご了承ください。
赤札とは
弘法大師ご直筆と伝わる「南無阿弥陀佛」の六字名号を版にして一枚一枚貫首様が手刷りされる「護符」のこと。赤色は伝承される阿弥陀如来のお身体の色にちなんでのことだそうです。(パンフレットより)
私が赤札の存在を知ったのは10年前。前回の大開帳の事でした。以前勤めていた職場に、川崎大師が地元の人がいて赤札について熱く語られ興味を持ったからです。彼女曰く、
・10年に一度しか配られない!
・並んだ人だけが、一枚ずつ授与していただける(並ぶのも修行の一環)
・配られるタイミングは決まっていない。むしろいつ配られるのかは分からない。「貫首様の感得」にて授与のタイミングが決まる。
・地元ではピンチの時や体調が悪い時等おじいちゃんおばあちゃんに「護符をちぎって飲み込めば治る」と信じられている。
あくまで個人の意見なのですが、パンフレットにも「罪障消滅して遍く利益が得られるばかりでなく、一旦危急に面した場合にも、あらたかな霊験の不思議があらわれる」とあります。
他にも前回並んだ際に隣にいた方が話した、まことしやかな伝説として、
・妊婦さんはお子さんの分と二枚いただけるのだが、妊婦さんだと嘘をついていただいた人の分の護符の文字の赤色が消えてしまった。
さもありなん。ドキドキします。
あくまで個人視点の感想もありきですが、とても興味津々になりました。
令和6年の大開帳奉修に詣でた
10年前当時、子育て真っ最中だった私は未就学児の我が子を連れて並びました。当時は気候が良くて5月はとても爽やかでそれほど暑くはなかったのです。小さな子供用の椅子を持参して、周りのおじいちゃんおばあちゃんたちとおしゃべりしながらのんびりと境内に並びました。
あれから10年。5月でも夏とも思えるような日もありきでしたが、私が並んだ日は気温23度。それでも日差しの下はとても暑いです。
朝9時20分頃に並び始めた直後に本殿に上がるために必要な下足入れのビニール袋を渡されます。頭の中に前回隣に並んでいたおばあちゃんが「これ渡されたら次の回で本殿に上がれるわよ」と嬉しそうにしていたのを思い出しました。
さて今回。10年前と違うところが沢山ありました。まず並ぶ場所に日よけを設けて頂いていました。助かります。そして休憩室やトイレ、自動販売機等以前よりさらに整備がされていました。
係員の方が沢山いらっしゃり、こまめな水分補給、周りの方と声を掛け合ってその場を離れて休憩場所で休んできてよい、気分が悪くなったら速やかに申し出る様にと声をかけてくださいます。
周囲の人々も本を読んだりスマホを見たりおしゃべりしたりと和やかに待っていました。
前回は幼子と二人でどきどきの参加でしたが、今回は成人した我が子と一緒なので気持ちがだいぶ楽です。「お母さん休憩室で座ってていいよ。私スマホで映画でも見てるから」とのこと。
並んだ場所がトイレと休憩所の近くだったので座らせてもらいました。ありがたい。前回はいつ列が動くのかも分からない中、和やかながら緊張していたのですが今回は心強い味方がいるので気分も楽です。
日除けの布も貼って下さっていましたが暑いのでこちらで休まれている方も多かったです。お連れの方がいらっしゃらなくても、係の方から周囲と声を掛け合って列から抜けて休憩してください、水分は喉が渇く前に取ってくださいと何度もアナウンスがありました。長丁場の為、体調を崩される方もいらっしゃるとのことです。細やかな御配慮に頭が下がります。
どのくらい並んだの? 列はいつ動く?
列が動くのはいつと決まっているわけではありません。あくまで前述したとおりです。ですがなんとなくこのタイミングであるよという時刻があるとのことです。何度か並んだことがある方々に休憩所で教えてもらったところ、ご祈祷のある時間に動くことが多いとのことでした。そのほか法要があるお時間も可能性があるとのこと。
パンフレットによれば大本堂のご祈祷のお時間は
午前は6時・9時30分・11時 午後は1時・2時30分・4時
とありました。
「あたしはここで務めて長いんだけど。9時30分ってのはあんまりないわね」と隣に座ったおばあちゃん談。
「家族が何度も並んだことがあったからきいたんだけど、6時と16時は必ず授与されるようだよ」との話も。
あくまで皆さんの私的なご意見です。
私が並んだ日は平日。9時20分です。
9時30分のご祈祷の時にもしかしたらと淡い期待はありましたが、この日は9時30分に授与はありませんでした。
9時20分 並び始め
11時 列が動き始める→本殿近くの日当たりのいい場所まで移動
11時37分 本殿に上がる直前の先頭列が動き始める。
12時50分頃 授与終了。ありがたや~
こんな感じのタイムスケジュールでした。
2時間半ぐらいですかね。日焼け止めをしていたものの、直射日光の下にも40分近くいたので肌がひりひりします。最初の二時間休憩所で休ませて貰えていたのが良い体力温存になりました。
頂いた大切な護符は小さくて柔らかく軽いものです。和紙製の上質な半紙みたいな厚みです。風でも吹こうものならば飛んで行ってしまいそうなので、慌てて鞄にしまいました。
特別な御朱印
おばあちゃんが亡くなった時にお棺にいれてあげるんだ。三途の川を渡る時に融通してもらえるらしい。そういっていた友人の影響で十五年ぐらい前から御朱印を集めています。私の御朱印帖は最初に集めたものは祖母にプレゼントしたので、私のものはのんびり集めています。
川崎大師さんでは常時三か所御朱印がいただける場所があるのですが、今回は令和6年大開帳記念の二種類をいただきました。
切り絵が一緒についている自分で張るタイプと、直に書いていただくタイプです。
それぞれの祈り
前後してしまいましたがお参りには順序があります。はじめに水屋と大香炉で身を清めてから供養塔の列に並びます。供養塔からは紐が三本垂らされており、上空に張られた一本の紐に集約、これがご本尊様の右手へと直接繋がります。
先頭のところに張った写真の一本の白いひもがそれです。ですから手に取って祈ることでご縁を結ぶことができるというわけです。その後本殿でご本尊に参る、赤札の列に並ぶ方は並ぶ、という流れとなっています(公式ホームページ参考)
紐を手にして皆さん熱心に拝まれています。
参道と赤札入れ
元より葛餅やのど飴(とんとこ切りのど飴)が有名な川崎大師。参道沿いには葛餅や飴の老舗が軒を連ねています。
お子さんが喜びそうなのはすみっコぐらしのお店でしょうか。
「開運すみっコぐらし庵」とのお名前で、ここでしか買えないグッズも置いてありました。
赤札入れは参道のお土産物屋さんでも色々な種類のものが置いてありました。私は前回は持ち歩けるようなタイプを買ったのですが、今回は大きめでなくしにくくて家に置いておけそうな、お札が外側からも見えるタイプを買いました。価格は大体200円から800円ぐらいまで。
参道は甘味のお店も充実しています。家用には葛餅と好物の麩まんじゅう、おせんべいを購入しました。
爽やかながら暑くなってきていたのでいただいた冷やし甘酒が絶品で、これは訪れるたびにいただこうと思いました。
最後に
10年に一度。前回自分は何をしていたのかな?と大人はきっとこの10年の事を思い返さずにはいられません。私もそうでした。前回から今までの10年、本当に色々ありましたが大病に倒れてもまた再びここに来られたという、感謝の気持ちが一番大きかったです。
そしてまた10年後も元気に詣でることができたらいいなあとそんな風に思いました。その頃の年齢を考えたらまた我が子(もしや、孫とも?)と休憩所に助けてもらいながらも昔話の想いを馳せながらのんびり並ぶのかな。そう考えると次回も楽しみですね。
それから暑い中参列者の為に声をかけ続けてくださった係の方、皆のために祈りを捧げてくださっているお寺の皆さま、本当にありがたいです。
皆健康に御開帳の5月を乗り切れますようにと感謝の念が堪えないです。
でもきっと、そうした皆さまはご本尊様の加護があって、きっと「無量の功徳」が得られますね。
5月も半分を切りましたが、気になる方は5月中にご参拝ください。
くれぐれも体調と相談し、水分補給と休憩必須で詣でてくださいませ。