安楽死は希望でしかない

Xをぼーっと眺めていたらこんなツイートが流れてきた。

知り合いが自○した
ずっと生きることを頑張ってた
自分より他人を優先する優しい人だった
僕とは違って前向きに生きようとしてた
眠剤をODしてそのまま首◯りで逝ったみたいだ
安らかに逝けたことを願うよ

毎年、二万が自ら命を断ち、10代から40代の死ぬ原因が自殺である日本。その現実をなにげなく見たツイートから感じると共に安楽死が必要不可欠であると感じた。

安楽死はスイスをはじめとしたオランダやカナダなど多くの国々で行われている。しかしながら安楽死は死にたい若者を救うものになっているかといえばそうではない。実態は難病にかかり、治る見込みのないと医者が判断して初めて安楽死の許可が降りる。人生に絶望したので死なせてくださいと言っても死ぬことはできないのだ。今の世界での安楽死制度から言えば難病だったら楽に死なせてあげるけどそうじゃないんだったら勝手に死んでくれと言ったところだろうか。

この現状で絶望感を感じざるおえないのだがしかしここ最近、希望に溢れたニュースが入ってきた。

サルコである。

サルコとは3Dプリンターで作成できる安楽死装置であり、医者の介入は一切ない。また、窒素を使用した安楽死装置であるためたったの3000円で使用できてしまう。今までの安楽死への経済的な高いハードル(例えばスイスで安楽死を従来の方法で行おうとすると約100万円ほどかかる)を考えるとかなり安価と言える。

このサルコの利用条件は以下の通りである。
○ 精神鑑定で健全な判断能力があること
○ 50歳以上であること

たったこの2点である。いままでの安楽死に設けられた制約を考えると恐るべきほどハードルが低くなっていることがわかる。今年の夏にスイスでサルコの記念すべき一人目の利用者が出ることになっていたが中止となり、またサルコの利用には残念ながら反対的な意見を待っている人も少なくないため逆風が吹いてしまっているのが現状だ。

ただ、これは悲観すべきことではないと思う。サルコは3Dプリンターで作成可能だからである。つまり、誰でも作れるしどこでも作れる。要は制度とその国の空気次第。まあ、それが簡単ではないとは思うがきっかけさあ掴むことができれば指数関数的にサルコは普及していくに違いない。

サルコは人類の希望であり、無条件安楽死を体現してくれるマシーンである。

もし、サルコがだれでも利用できる世界になっていたら彼の目にはこの世界はどう映っただろうか。

安楽死には二面性がある。一つは凄まじい苦痛からの解放。もう一つは生きることへの達観である。安楽死の権利を付与された人の中で実際に行使するの多くないそうだ。明日死んでもいいよと言われると生きたくなるようである。生きることと死ぬことが全く同じ高さで天秤に乗ることではじめてこのくそったれな世界はまともな世界に変わる。

安楽死という選択肢は尊厳を失うことなく自分の命を自分で完全にコントロールすることができる。誰の価値観にも影響されることなく、ただ純粋に生と死に真正面から向き合える。

そんな社会が実現することをただただ願うばかりである。

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