肺がん2年生からあなたに、身近なひとががんになった時にお願いしたいこと
がんがわかって、ようやく1年。
昨日のことのように思うときもあるし、すごく昔のことのような気もする。
がんがわかったとき、私の周りのひとの反応は様々だった。ぱったり連絡が来なくなったひと、腫れ物に触るかのようにどう接したらいいのかわからない様子のひと、そしていつも気にかけてくれるひと。
私はがんだとは夢にも思わずに仕事を続けていて、腰と肩の痛みが耐えられなくなって救急車で搬送された。整形の疾患かと思ってCTを撮ったら肺に陰が写り込んでいて、がんだとわかった。結果、仕事の引き継ぎも何もできないままに休みに入った。
私の肺がんは頸椎と腰椎に骨転移していたから、手術はできなかった。放射線治療と殺細胞性抗がん剤の合わせ技でがんと戦っていくことになった。昔からある『シスプラチン』という薬。点滴で薬を入れていくのだけれど、もうその最中から気持ちが悪い。いつまで続くかわからない吐き気と猛烈な体のだるさとの戦い。その後4~5日は全く食欲がわかない。体重は1週間で3キロ減る。
「今日は暑いね、調子はどう?」「食べられるようになったら栄養取ってね」。周りからのそんな言葉が一番嬉しかった。働けなくても、普段通っていたジムに行けなくなっても、私のことを覚えていてくれることが何より力になった。
周りのひとにとっては、なんて声をかけたらいいのかわからない、っていうのが正直な気持ちなのだろう。「頑張って」?いや、もう頑張っているのにこれ以上頑張れって取られちゃうかな?とか。
もうシンプルに、「あなたのことを思っています」「あなたが好きです」が素直に心に届くと思う。待っていてくれるひとと場所があればがんになっても頑張れる。