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うちのヤギさん①チョウロウ

チョウロウ
と、言ってもまだ6歳。
今年の2月18日で7歳になります。
名前の由来は不明です。

ただ、うちに来てすぐのころのチョウロウは、今より髭も長かったし全体の毛も長かった。
うちに来たのが2020年12月。その時はまだ去勢されて4か月しか経っておらず、ヤギ独特の獣臭のようなものがありました。

犬すらまともに触ったことが無かった私。
「ヤギ」の大きさにちょっと戸惑いました。

普段は大人しいのに人が傍に行くと、立ち上がって威嚇?しました。
今はその威嚇も遊んで欲しくてやっていたのかなぁと思えます。
でも初期にその威嚇の洗礼を受けた人は、今も傍に行くのが怖い、と思っているようです。チョウロウは寂しくて、遊んで欲しくて、人が来ると嬉しくて、ついそんな行動を取っていたのだと気付くまでそんなに時間はかかりませんでした。(勿論、チョウロウの意思の確実性を証明する事は出来ませんが)

でも、雄ヤギは力が強い。しかも角がある。
チョウロウはそんなに力いっぱいぶつかっているつもりはなくても、人間にとっては結構なダメージ。しっかり受け身の態勢を取って、手袋でもしていれば「よっしゃ、来い!」なのですが、突然来られると面食らう。
そんな行動とは裏腹に、チョウロウはとても人懐こく…
フェンス越しに近くに行くと、ほっぺを差し出してくるのです。

撫でて

って事らしい。
それも暫く時間経過してから気が付きました。
フェンスの網目からほっぺの白い毛がはみ出してくる。ゆっくり撫でてやると、一文字の瞳孔でも喜んでいるのがだんだんと解って来ました。

チョウロウはとってもかっこいい!

私は、一日に数回、ヤギ達を眺める時間を作りました。

朝の挨拶
お昼と夕方前の様子見
そして帰りの挨拶

それは不在時以外必ずやろうと決めていた事でした。

年が明けて1月。
冷たい雨が降った帰りの時間。
雨も強いし、雨に濡れるのが嫌いなヤギ達はきっと小屋に帰っているだろう。だから今日は挨拶せずに帰ろうか…

そう思った日がありました。
いや、でも、居なくても「行く」という習慣は変えずにおこう。
やっぱり見に行ってから帰ろう、と。

雨の中、傘をさしていつもヤギ達がいるアルミの階段の所に近づいた時、
階段を上がってくる蹄の音が聞えました。

え、雨の中いるの???

小走りに近づくと、チョウロウが一番上まで上がって来ていました。
雨に濡れながら…
私を待っていた。
多分、待っていたと思う。

「チョウロウ、ありがとうね。雨降ってるからもういいよ、また明日ね」

そう声をかけると、チョウロウは納得したように階段下に潜り込んで行きました。そして、他の3匹と一緒に小屋へ駆けて帰って行きました。

雨の中にチョウロウが自ら出ていたのは、後にも先にもその時だけ。
普段は一ミリの水分に脚が濡れる事を嫌がるのです。

私はその姿を見て、挨拶に来てよかった、と心から思いました。
チョウロウの信頼を裏切らないですんだ、という思いでした。
その日から、何があっても不在時以外は必ず帰りに挨拶をして、顔を見て帰ります。
それが、チョウロウと「心が通ったな」と感じた最初の出来事でした。

これは最近のチョウロウ。可愛いのです…
近くに行くと「こっちに来て」と顔で報せてくるのです。
私もそのチョウロウの言葉が少しわかるようになってきたように思います。

チョウロウとの日々が始まって、今で丁度3年。
元気でいてくれること、少しずつ分かり合えることが増えてきた事が日々嬉しくてなりません。
勿論、分からない事もあります。

突然角突きしてくることもあり「何で怒るのよー!」

と、分からずにいらだつこともあるのです。
でもきっとそんなときはチョウロウもいらだっているのです。
それでも、お天気の良い日は一緒に里を眺めます。
基本的には私たちは仲良しなんだよ、って勝手に思っているのです。
チョウロウの事は私が一番わかる、そう思っているのです。

こんなに愛らしい動物がいる事を知らなかった。

「お酒の美味しさが判らないなんて、人生の半分損してる」
ってよく言いますが私はヤギを知らなかった人生がちょっと勿体なかったな、って思っています(笑)

今日も明日も、チョウロウとの日々。
永遠に続いてほしい。
それは無いと解っているけれど、そう願わずにはいられないのです。

次は水君の事を書こうと思います。
読んで下さってありがとうございます。


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