だいちゃんのこと②
2021年の7月に海と凪のママ、山ちゃんが亡くなりました。
その後に残ったチョウロウ、海、凪の3匹は、ちょっと元気が無かったように思います。
その1か月後、だいちゃんと水君がうちにやって来ました。
こども園での除草作業が一旦終わり、レンタル会社がうちの会社と近いという点もあり、うちでお預かりする事に。
5匹になったヤギーズ除草隊は、なんだかとってもバランスが良くなって、いつも5匹連れだって草を食む姿がご近所の方々にも好評となっていました。
特に、チョウロウは角のあるだいちゃんが来てくれた事で、
角と角とのぶつかり合い!
男と男のぶつかり合い!
?
が出来るようになったと、間違いなく嬉しそうでした。
力関係は相変わらず。
チョウロウが一番強い。体は小さいのにあのガッツはどこから来るのやら(笑)だいちゃんは角があるけどとってもおとなしくておっとりしているのでチョウロウの暑苦しさに「付き合いきれないぜ」って感じでしたが、時々角突き合せして遊んでいる姿はとっても頼もしかった。
この後、他にもお預かりしたヤギさんがいたり、最大7匹をお預かりした時期がありましたが、ヤギ達の上下関係を見るのも面白く、全員至って健康で穏やかな時が過ぎてゆきました。
とは言っても…
秋から冬になり、法面の草が全て枯れてからは毎日「チモシー争奪戦!」が繰り広げられ、私もどうやってあげたら一番平和に全員が食べられるのか随分と頭も体力も使ったように思います。
だってヤギってば、一匹ずつの餌箱を作っても、何故か一つの入れ物の餌を取り合うのですから…アレハイッタイナンナノヨ???
真冬でも汗ダラダラかきながらのチモシー配布でした。
…でもね、やっぱり元気が一番なのです。
全員が元気で食欲あって、こちらがへとへとになるっていうのは、とても幸せな事なんです。
冬が過ぎて春が来て…
初夏が来た頃にだいちゃんの様子が少し変わってきました。
それまでは、だいちゃんと水君は何となく「僕たちは居候だから」というちょっと一歩下がった行動が多かったのです。
チョウロウが強すぎるのもあったのですが、常に水君とだいちゃんは大人しい感じ。
でも5月の初旬、真夏日のような日がありました。
他の4匹が草を食べに外に出ているのに、だいちゃんだけずっと日陰で涼んでいました。顔を見ると、いつもはきれいなピンクのお鼻が灰色になっていて、息も荒い。
もしかして熱中症?
咄嗟に近くにあった岩塩のかけらをなめさせてみました。
すると、それまでどんよりしていただいちゃんの目がパッと開いて
「あ、そうや、お塩なめるの忘れてたわ!」
みたいな顔になったのです。
その目を見て一安心。そのあとは日陰で涼んではいましたが、随分とお鼻の色もピンクに戻り、元気になってくれました。
この日を境にだいちゃんはちょっと「うちの子」なんだと思ってくれるようになってくれたのでは、と感じました。
5月なのに暑い日が続いたのも、かなりしんどかったのかな…
だいちゃんはまだ6歳ですが、少し老化も現れてくる頃だと聞きました。
そんなある日、だいちゃんのうんちが塊になっているのを見つけました。
新緑が多い時期、虫も出てくる時期だし調子を崩しているのかな。
その頃の私はヤギさんのお腹の調子が命に係わるものだという実感がまだ薄かったと思います。
レンタル会社の方に連絡し、近所の獣医さんが来て下さいました。
検便もして頂き、顔色、毛艶、躯体、を診て頂き、異常ないと判断を頂きました。
安心したものの、その日を境にだいちゃんのうんちの状態の不安定さが始まりました。
なんとしても善くなって欲しい…
レンタル会社の方にも随時状況を報告し、うんちが緩くなったら落胆し、固まったとなったら一喜一憂する毎日でした。
この頃には随分懐いてくれて、朝声をかけたらそっと傍に来て「撫でて」を要求。そんな姿が本当にかわいくて嬉しかった。