ベトナムオフショア開発の成功法則と落とし穴:効果的なマネジメント方法とは?
ビジネスにおいてクライアントに貢献できなければ、継続的に仕事を受けることはできません。これはIT業界に限らず、どの業界にも共通する本質があります。
ベトナムオフショア開発でよく見られる失敗パターンとして、日系IT企業が直接ベトナム人のプロジェクトマネージャー(PM)やブリッジSEを配置してシステム開発を進める方法があります。この方法は典型的な失敗パターンに陥りがちです。特に、クライアント側にシステム部門がない場合や、システム要件を直接ベトナム側に依頼する場合に問題が生じやすいです。
ベトナム人はベトナム人であり、中国人は中国人です。「日本人と同じマインドセットで考えない」ことが重要です。私の経験から言えば、ベトナム人はベトナムにいる時と日本にいる時では全く異なる振る舞いをします。中国人も同じです。これは現地での生活を通して感じたことであり、帰国後には日本人として振る舞っていた姿は見られませんでした。これは現地駐在や法人代表としての経験から得た事実です。この前提に基づき、オフショア開発をマネージメントする必要があるため、非常に難易度が高いです。
前回お伝えした「ベトナムに依頼するタスクは単純作業に絞りましょう」というアドバイスも、この理由に基づいています。
クライアントは特に提案や改善案を求めますが、指示を受けた作業に慣れたベトナム人にはこれに対応するスキルが不足しています。また、クライアントとの間でトラブルが発生した場合、事態がさらに悪化する可能性があります。そのため、弊社では日本人窓口を配置しています。
ベトナム人はプライドが高いため、一度叱責を受けると逃げる傾向があります。そのため、ビジネススキルの高い日本人を窓口にする方が、長期的な戦略パートナーとして継続可能です。
私の経験上、10案件中ベトナム人窓口にして成功した案件はほとんどありません。クライアントからのフィードバックは「提案がもっとほしかった」というものが大半です。
「日本の文化を深く理解している」「日本の優秀な大学の卒業生」といった営業トークに惑わされないことが大切です。その国それぞれの特徴があり、必ずしも日本人と同じではない現実を理解してください。もちろん、労働人口が減少している日本では人材確保のためにアウトソーシングが必須ですが、適切な方法と進め方があります。私たちの存在意義はそこにあります。
システム開発でお困りの方、エンジニア不足でお困りの方、エンジニア組織マネージメントにお困りの方、ぜひ弊社にお任せください。