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随筆:ほんの小さな幸せ
1 千円が三千円・五千円に思える日
定年退職をする時、退職後の生活についてセミナーが開かれた。その時、「定年退職後は、千円が今の三千円、あるいは五千円ぐらいの価値に思えてきますよ」と講師の一人が話した。
「そんなものかな?」と思っていたが、実感として分かるようになってきた。
2 スーパーのポイント
定年前までは、スーパーマーケットのカードに付くポイントなんて考えたことはなかった。しかし、定年後節約生活を余儀なくするようになって、このポイントの有難さがだんだん実感として分かってきた。数年たったころ、スーパーマーケットでポイントが溜まると500円券をもらう時、まるで子どもの頃、親が正月にくれた「お年玉」をもらったような気持になって喜ぶようになった。
3 スマホのポイント
定年退職後、しばらくして携帯をギャラ系からスマートフォンに換えた。ギャラ系ではLINEが使えないからである。これを使わないと、私よりも若い人の仲間に入れてもらえないように感じたからである。更には、市役所からの連絡、ハローワークからの情報などまでLINEで来るようになったからである。
最近になって、そのスマートフォンが古くなり電池がすぐに消耗するようになったので、新しいスマートフォンに買い換えることにした。その時、店員から「ポイントがたまっていますよ」と言われた。なんと五千円と少し溜まっていた。「使い方が分からない」と言うと、店員から丁寧におしえてもらった。
さっそく妻と一緒に買い物に行き、コメ5Kgと食料品をいろいろ買った。すごく得した気分になって、まるで宝くじが当たったような気持になった。お金持ちからすれば、この程度のポイントなんて、ほんの小さなものにすぎないだろう。しかし、定年後年金だけで暮らす私達夫婦には大変有難いプレゼントであった。